スズキには、軽自動車には硬派なジムニー、ややソフトなハスラー、ギア感あふれるスペーシアギアが用意され、リッターカークラスには同じく硬派なジムニーシエラ、ソフトなクロスビー、個性派のイグニス、そしてそのさらに上にSX4 S CROSSやエスクードと、多くのSUVが用意されている。ユーザーに、より多様な選択肢を提供しているのだ。
本稿ではそのなかでも、特にヒットモデルとなった新型(2代目)ハスラーの魅力を中心に、自動車生活冒険家の石川真禧照氏に存分に紹介していただいた。キュートなデザインを持ち、ワクワクする価値観を提供することで大ヒットモデルになった初代ハスラー。それに続いて登場した新型は、どのような進化を果たしたのか。本稿で確かめていただきたい。
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文:石川真禧照 写真:ベストカーWeb編集部、スズキ
■初代が大ヒットした難しいなかでの連続ヒット
スズキのアクティブ軽クロスオーバーカー、ハスラーがフルチェンジし、発売された。6年ぶりに新しくなったハスラーは、これまでのコンセプトを踏襲しながら時代のトレンドやライフスタイルの変化に対応しながら、さらに楽しいクルマに仕上がっていた。
2019年12月に発表され、2020年1月20日に発売となった2代目(新型)ハスラー。先代モデルは大ヒットとなったが、この新型も受注絶好調
初代ハスラーは2014年1月に発売された。今回の新型登場までの6年間に約42万台を販売している。単純計算で1ケ月に6700台も販売されていたことになる。これはヒット商品と呼べる台数だ。実際にスズキの軽自動車ラインナップのなかでもスペーシア、ワゴンRに次ぐ人気車種になっている。
それだけに、新型を開発するにあたり、このヒット商品を凌ぐクルマをつくらなければならなかった。結論から言えば、スズキ開発陣のこの目論みは大成功しているといえよう。
さっそく2代目ハスラーをチェックしてみよう。
ボディサイズは軽規格なので全長、全幅は先代と同じ。しかしホイールベースは35mmも延ばされている。全高も15mmプラスだ。このサイズアップは居住空間の向上に貢献している。先代の室内もフロント、リアともに広々としていたが、新型はさらに開放感がある。前後席間の距離や左右乗員間の距離に余裕が生まれた。
スタイリングも、ハスラーとわかるフロントマスクを継続しているが、リアクォーターにサイドウインドが備わったのがポイント。ナナメ後方の視界が向上した。さらにボディとルーフのカラーリングにメリハリがつき、とてもスタイリッシュになっている。
先代を横に並べてみるとよくわかるが、より角ばったデザインを採用しており、それが「ハスラーらしさ」を増している。遊び心あふれるカラーリングも特徴的で、こういうクルマが街中に増えると、景観が華やかになるだろう。
「このクルマを買うと、なんだか生活が楽しくなるような気がする」といった、ライフスタイルの提案が功を奏した
初代ハスラーがヒットした理由は、当時人気があったワゴンタイプの乗用車と人気上昇中のSUV(多目的スポーツ車)を研究していた開発陣が、人気のある2タイプのモデルを合わせたクルマをつくったらどうだろう、という発想からだった。それまでにないクロスオーバーカーというジャンルを軽自動車につくり出したのだ。
2代目になり、その魅力はさらにアップしている。
NAエンジンは新開発だが、CVTとの相性が抜群によい。これまでの軽自動車は、ターボモデルはトルクもあり、走りの余裕が感じられたが、NAモデルは価格の安さや実用性で勝負し、走りはあまり追求されていなかった。ところが、新型ハスラーのNAエンジンは1500回転あたりからトルクがあり、2500回転から上のレスポンスのよさは、スポーティモデルレベル。エンジン音も抑えられており、従来のNAモデルの不満がほとんどないのだ。もちろんターボモデルはM(マニュアル)モードやパドルシフトも備わり、走りの楽しさが味わえる。
新型ハスラーの内装。「ギア感」があり、使い勝手も高い
ハンドリングは新開発の次世代プラットフォーム(HEARTECT=ハーテクト)の効果で常に安定感と安心感を両立させている。先進安全技術は夜間の歩行者も検知する「デュアルカメラブレーキサポート」を加え、「後退時ブレーキサポート」を標準装備にするなど充実させている。
大ヒットのあとにヒットを生み出すのはむずかしいが、新型ハスラーは先代を上回るヒットモデルになることは間違いなさそうだ。
以下、スズキに用意された、そのほかのSUVモデルを順番に見ていこう。
■ジムニー
ジムニー。現行型は2018年7月発売
1970年に軽自動車で唯一のクロスカントリータイプの4WDモデルとして登場。2018年7月に20年ぶりにフルチェンジし、現在も軽自動車で唯一のクロスカントリータイプの4WDとして人気を得ている。新型は新開発のラダーフレームに、フロント縦置きエンジン、後輪駆動を基本レイアウトにした駆動系、副変速機付パートタイム4WDという基本メカニズムを採用、ブレーキLSDトラクションコントロールを全車に標準装備するなど、走破性能にも手抜きのないクルマづくりが特徴。パワーユニットも専用チューンのターボエンジンを開発。5速マニュアル、4速ATを選べる。従来からの荒路、砂地走破性の高さに、オンロード性能を向上させたSUVだ。
オンロードでの走行も快適にこなし、折り紙付きの悪路走破性だけでなく、高い日常性も備えている。
■スペーシア ギア
スペーシア ギア。2018年12月発売
広い室内空間とアクティブなスタイルを融合させた軽ハイトワゴン。スペーシア/スペーシアカスタムに次ぐハイトワゴンのSUV。2018年12月にデビューした。外観は丸型ヘッドランプと、フロントグリル、前後バンパー、ルーフ、左右ドア下ガーニッシュをガンメタリック色に統一し、ルーフレールも標準装備。スタート時にモーターのみで走行できるマイルドハイブリッドをNA、ターボエンジンともに採用している。全高が高いのでカーブでの安定性が気になるかもしれないが、15インチタイヤのターボ仕様はかなり粘りのある走りを楽しませてくれる。安全性も車両前方、後方の衝突被害軽減ブレーキを標準装備するなど充実している。
丸目ライトとSUVらしいバンパーデザインを持ち、SUVテイストを持つ唯一の軽スーパーハイトワゴンとして多くの支持を集めている。
■イグニス
イグニス。2020年2月発売
2016年1月にイグニスが発売されたとき、国産車には全長4mを切るコンパクトなSUVはなかった。この分野でもスズキは新しいジャンルを創出している。スタイリングの面でもボディギリギリに寄せた後輪とオーバーフェンダー気味の迫力あるリアビューは国産車ばなれしている。全車にマイルドハイブリッドエンジンを搭載し、FF車と4WD車を用意。4WD車は急な下り坂や雪道などでの走行をサポートする機能を備えるなど、オフロード使用に耐えられるSUVに仕上がっている。乗用車タイプだが後席はスライドし、荷室のアレンジも十分。2020年2月には専用の前後バンパーやルーフレールなどでSUVテイストを強めたハイブリッドMFも加わった。
街中に似合うスタイリングだがオフロード性能も有しており、コンパクトで使い勝手がよいなど、マルチな実力を持つ。
■クロスビー
クロスビー。2017年12月25日発売
2017年12月から発売されているクロスビーは、3気筒1Lターボエンジン+マイルドハイブリッドと6速ATを組み合わせた小型クロスオーバーワゴン。FFと4WDが選べるが、4WD車はスポーツ/スノーモードを採用。ぬかるみなどから発進をサポートするクリップコントロールや、急坂を下るときに車速を約7km/hに維持するヒルディセントコントロールなどを標準装備とした。高めの着座位置と、見晴らしのよい前方視界による操縦性のよさやクルマの周囲を立体的に360度確認できる3Dビューを採用するなど安全運転への支援も充実している。
コンパクトカークラスでは少数派であるトルコン6速ATを採用したことで、低速からなめらかな加速が味わえる。またキュートなスタイリングと高い使い勝手の両立もクロスビーの特徴。
■ジムニー シエラ
ジムニーシエラ。ジムニーと同じく2018年7月発売
1977年に発売された0.8Lエンジンを搭載した「ジムニー8(エイト)」をルーツとする小型のクロスカントリータイプ4WD。その後、1.0L、1.3Lエンジンを搭載。ネーミングも2000年代に入り、「シエラ」が復活した。最新モデルは2018年7月に軽自動車のジムニーと同時に、20年ぶりにフルチェンジした。
新型はパワーユニットを新開発の4気筒1.5Lに代え、パートタイム4WD+4速AT/5速MTが選べるようになった。新開発のラダーフレームと3リンクリジッドアクスル式サスペンションに加え、ジムニーよりも前後とも130mmワイドになったトレッドなどにより、とくに高速走行安定性は格段に向上している。1.5Lエンジンの余裕と乗り心地のよさもシエラの持ち味だ。
■SX4 S-CROSS
SX4 S-CROSS。2019年4月発売
全長4300mm、全幅1765mmのボディサイズを持つこの小型クロスオーバーSUVは、ハンガリーにあるスズキの子会社で生産され、日本に輸出されている。日本だけでなく、欧州、中南米、アフリカなどにも輸出されているだけにライバルの欧州車に負けないクルマに仕上がっている。改良も細かく行われており、2019年4月には衝突被害軽減ブレーキ、サイドカーテンエアバッグ、アダプティブクルーズコントロールなどの安全技術が標準装備され、ミッションも6速ATが4WD、FF車ともに標準仕様になった。パワーユニットは4気筒1.6Lエンジンを搭載。
スタイリッシュなSUVで走行性能は欧州車風。個性も充分で悪路走破性も備えており、お買い得度も高し。
■エスクード
エスクード。2018年12月発売
2015年10月に現行型がデビューしたエスクード。ハンガリーのスズキ子会社で生産され、欧州などでも販売されている。現行モデルは2018年12月にフロントグリルやバンパー、テールランプをデザイン変更し、インテリアもシート表皮、インパネデザインに手を加えている。パワーユニットは4気筒1.4Lターボ+6速ATを採用。4WD性能も「ALL GRIP」という電子制御4WDシステム、4モード走行切替機能、車両運動協調制御システムを組み合わせた四輪制御システムを採用し、オフロード走行で多い前後輪対角輪がスリップするような路面での走破性は折り紙付き。激戦区のクロスオーバーSUVカテゴリーで、クラストップレベルの軽快な走行性能を持っている。さらに0→100km/h加速は公道でも8秒台で走り切るなど、オンロードでのスポーツ性能もハイレベルだ。
安全装備も、停止を含めた全車速対応のACCや衝突被害軽減ブレーキ、さらに誤発進抑制機能や車線逸脱抑制機能など手厚くカバーされており、タフさとスマートさ、それにセーフティを高い次元で両立させている。
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