世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパンを制したのは、TOYOTA GAZOO Racingのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組だった。チームメイトで母国戦となった勝田貴元/アーロン・ジョンストンは総合5位だった。
今年のラリージャパンは様々なドラマが待っていた。豊田スタジアムに設けられた特設コースでのスーパーSSで開幕したラリーでは、DAY2の雨が混乱を呼び、Rally1では2台が完全リタイア。ヒョンデのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組もデイリタイアとなり、勝田もクラッシュで一時24番手まで後退したことで、トヨタ3台がラリー序盤にして総合トップ3の独占体制を築いた。
■トヨタWRCのラトバラ代表、ラリージャパンで大活躍の勝田貴元を称賛「全戦で表彰台を争えるポテンシャルがある」
DAY3はオープニングステージで競技車両がステージ途中に停車していたゼロカー(セーフティカー)に遭遇したり、雪が降るという気まぐれな天候がドライバーを翻弄したりと様々なことが起こった。
最終日となるDAY4は清々しい朝日と共にオープニングステージ開始されたが、湿った路面にドライバーが悪戦苦闘する姿も見られた。その中で勝田はステージ連勝。大きな挽回を見せ、総合5番手でパワーステージ(SS22)を迎えた。
ラリージャパン、そして2023年のWRCシーズンを締めくくるSS22は、パワーステージ(PS)。ステージ1位からステージ5位までのドライバーに選手権ポイントが与えられるため、週末の中でも重要なステージだ。
ラリージャパンのPSはDAY4のオープニングステージとしても使用された旭高原SSが舞台。旭高原元気村へと駆け上がる全長7.52kmのステージだ。
通常のSSと異なり、PSはWRC2勢の福永修/齋田美早子組から出走。14:19にステージが開始された頃には、早朝10度以下だった気温も17度まで上昇した。
WRC2上位勢が走行を終えると、Rally1がスタートした。先頭出走はヌービル。DAY2のデイリタイアで優勝戦線から離れているがPS優勝を目指し、最速タイムとなる4分48秒8で走り抜けた。
2番出走となったM-スポーツのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組は、ヌービルから2.3秒差の4分51秒2でのステージ2位フィニッシュ。ヒョンデへの移籍が決まっているタナクとしては、これがM-スポーツでの最後の出走となった。
3番出走の勝田はヌービルから7秒差の4分55秒8。総合4位を獲得するためには、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組との19.8秒の差を削る必要があったが、そのラッピはPSで勝田を0.2秒上回る4分55秒6をマークした。
これでラッピの総合4位、勝田の総合5位が決まった。勝田は今年、昨年の3位表彰台以上の結果を求めたが、それは叶わなかった。ただ、それ以上に来季へ繋がるスピードを見せたと言えるだろう。
DAY2から総合トップ3を維持してきたトヨタのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組、セバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組、エバンスの3台は最終PSでも堅実な走り。ロバンペラが4分58秒7(トップから+9.8秒)、オジェが4分56秒1(+7.3秒)、5分02秒1(+13.3秒)でフィニッシュした。
総合タイム3時間32分08秒8でエバンスが総合優勝。ロバンペラがエバンスから1分17秒7遅れで総合2位、オジェが1分46秒5遅れで3位に入り、トヨタが母国戦で1-2-3フィニッシュを達成した。
昨年12年ぶりの開催となったラリージャパン2022では、トヨタにタイヤトラブルが相次ぎ、ヌービルとの一騎打ちとなったエバンスも最終日にパンクを喫して勝利のチャンスを逃した。その結果ヒョンデの1-2フィニッシュを許したが、今年はその雪辱を果たすことができた。
既に来季のラリージャパンの日程は発表されており、2024年11月21日(木)から24日(日)にかけて世界最高峰のラリーが日本に帰ってくる予定だ。
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でもよく走ったよ