メルセデスF1チームがラスベガスGPの週末に見せた圧倒的なパフォーマンスは、外気温と路面温度がもっとも低い状況に限って『W15』がスイートスポットに達するという、誰もが信じていたことを裏付けた。
ピレリのタイヤがさまざまなマシンのパフォーマンスに影響を与えることから、ここ数年は同社のラバーから最高の性能を引き出すことが、すべてのチームにとって重要となっていたが、あらゆる気温においてタイヤの要件を満たすことができたチームはひとつもない。
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チーム代表のトト・ウォルフが、11月21~24日に開催されたラスベガスGPでのマシンの速さについて最初に説明したとき、彼は「寒さだ」とシンプルに述べた。
「私たちが強みを発揮してきたところと明らかに相関関係がある。我々はシルバーストン、スパ、そしてここラスベガスで強かった。そして、それはマシンをスイートスポットに、タイヤを最適な作動範囲に保つことが重要だと思う」
なぜ彼らのマシンだけがドライバーにタイヤマネジメントを要求しなかったのかを説明できるかと尋ねられると、ウォルフは正直に答えた。「いいや、説明できない。不思議なものだ……」
「我々はいつでも望むときにプッシュすることができた」とウォルフ。「また、ミディアムコンパウドでもハードコンパウドでも、グレイニングが出ることもなかった」
「シャルル(・ルクレール/フェラーリ)はジョージ(・ラッセル/メルセデス)に何度かプレッシャーをかけようとしたが、ジョージはそれを見事に防いだ。その結果がどうなったのかはわからないが、ドライビングが肝心であり、彼は脱落した。ルクレールは数周走った後、ペースを維持できずに脱落したのだ。グレイニングやデグラデーションの兆候はまったく見られなかった」
メルセデスが、年間でもっとも気温が低い週末の残りふたつである、シルバーストン(イギリスGP)とスパ・フランコルシャン(ベルギーGP)で最速のマシンを走らせていたことを踏まえ、ウォルフはこうした低温のコンディションで何が起こったのか明らかにした。
「一種のヒートゾーンへと向かうスパイラルだ。通常、より高い気温でトラクションを失うとリヤタイヤがオーバーヒートし、つねに作動範囲から外れた状態になる。一方、気温が低いときにトラクションを失うことは、その時点での温度を維持するのに役立つんだ」
さらに、ウォルフは次のように認めた。「一部のチームは寒さを好み、高いパフォーマンスを引き出す傾向がある。また、シンガポールのマクラーレンのように、暑いときにとても強かったチームもある。彼らはそこで優位に立ち、自分たちの望むようににコントロールした」
先週末のラスベガスGPの結果を喜んだウォルフだが、来季2025年のマシンがどのようなものになるかにすでに注目していると認め、次のように語った。「来年に向けてバランスを見つけることが重要になるだろう。2025年もこれほど強くなるために、あらゆる状況でタイヤを適切に使うやり方を再現する方法を見つける必要がある」
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