カルト的な熱狂を巻き起こした日本車
俳優のヴィン・ディーゼル氏が演じた屈強な男、ドミニク・トレット。彼が駆った1970年式のダッジ・チャージャーは、大ヒット映画シリーズ「ファスト&フュリオス(ワイルド・スピード)」で、最も有名なクルマといえるだろう。
【画像】「ワイスピ」きっかけの熱いJDM スープラ スカイライン GT-R S2000 生き残る現行スープラも 全124枚
しかし、この映画で本当にスポットライトが向けられたのは、改造された1990年代前後の日本車。R33世代の日産スカイライン GT-RにホンダS2000、そしてA80型トヨタ・スープラの速さは、カルト的な熱狂を巻き起こした。
この物語が生まれるきっかけとなったのは、アメリカのエンターテイメント雑誌、ヴァイブ誌へ1998年に掲載された記事。ニューヨークで広まっていた、違法ストリートレースに迫った「レーサーX」だ。
人種のるつぼといえる大都市の、複層的な側面が描かれていた。ハドソン・ハイウェイを突っ走っていたのは、フォード・マスタングやシボレー・カマロではなかった。
日本製スポーツカーの秘めた能力
それ以前のアメリカでは、日本車は食料品を買いに行く足のような存在に過ぎなかった。一般的には、まだ輸入車としてのイメージが強く、差別的な用語の「ライスバーナー」という表現が雑誌に平然と刷られるような時代でもあった。
だがヴァイブ誌の記者、ケネス・リー氏が目撃した日本車の姿はまったく違っていた。派手に改造された日産300ZX(フェアレディZ)や、三菱スタリオンに加えて、ターボ化されたホンダ・シビックたちが、0-400m加速を12秒以下でこなしていた。
「ワイルド・スピード」シリーズ最初の2作で、技術アドバイザーと車両コーディネーターを務めたのが、クレイグ・リーバーマン氏。彼もスープラに魅了されており、日本車の秘めた能力を理解していた。
映画として導かれたアイデアは、三菱エクリプスが破壊された事件を、潜入捜査官のブライアン・オコナー(故ポール・ウォーカー氏)が改造されたスープラで追うもの。実は、リーバーマンの愛車が実際に使われている。
入手のしやすさとタルガトップが決め手
三菱3000GT(GTO)も、ブライアンのクルマとして検討されたとか。だが安価な自然吸気版があり、その頃は入手しやすく、タルガトップが撮影に好適だという理由でスープラに落ち着いた。この結果が、その後の価格高騰をもたらしたことは間違いない。
劇中の冒頭で、スープラは走り込まれた状態で登場する。レースで活躍してきた過去を、示す設定といえた。
ドミニクと協力し、ブライアンはチューニング。ゼロヨンを10秒以下で走る性能に仕上げ、借金を返済する。派手なレースシーンは1番の見ものだが、警察の監視対象となった若者たちとの信頼関係の深まりが、ストーリーの核として描かれた。
ブライアンのスープラと、ドミニクのチャージャーの直接対決は引き分け。日本製のチューニング・スポーツカーは、アメリカの剛腕マッスルカーに劣らない速さを持つことを、世界中に知らしめることとなった。
お決まりのゼロヨン・レースを長く見せる手法
かくして、オレンジでタルガトップのA80型スープラは、「ワイルド・スピード」を象徴する存在に。同時に、実際は10秒前後で終わるゼロヨン・レースを長い時間で見せる手法も、シリーズではお決まりのパターンになった。
ニトロ・ボタンを押す指先や、繰り返されるシフトアップ、ドライバーの睨み合い、エンジン内の燃焼イメージなどが、ゴールまでに展開される。最近は誇張ぶりがギャグになることもあるが、新作が公開される度に興行収入が伸びていることは事実だ。
一方、シリーズ初作の公開は2001年。四半世紀が過ぎようとしており、4代目スープラも同様に歳を重ねている。日本では2002年まで提供されたが、アメリカでは1998年に販売を終えている。
この続きは、「ワイスピ」きっかけの熱いJDM(2)にて。
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