EVのベンチマークとなったリーフ
10月に入ってから新型EVの発表や報道陣向け公道試乗会での取材が続いている。そうした中で感じるのは、各ブランドにおける『EV第2のスタート』だ。
【画像】迷いがなくなった?アウディのBEV『A6 eトロン』を詳しく 全134枚
実例を示しながら、話を進めていく。まずは、『日産リーフ』日本仕様からだ。すでに北米仕様が発表され、国内報道陣向けには技術説明会も実施されているため、10月8日に行われた発表会では価格を除いて新たなる発見はなかった。
改めてリーフの歴史を振り返れば、2000年代後半に当時のゴーン体制のもと、かなり思い切った発想でゴーサインがかかった企画だった。当時、EVを新車売り切り型のビジネスモデルとして大量生産していた自動車メーカーは、国内外に存在していなかったからだ。テスラを始めとした小規模EVメーカーはいたものの、ガソリン車やハイブリッド車と同等の品質のEVは見当たらなかった。
三菱i-MiEVとほぼ同時期に量産が始まったリーフは、当時の世界自動車産業界におけるEVのベンチマークとなる。その後、電池技術の改良、第2世代リーフの登場、テスラや中国EVスタートアップの台頭、そしてゴーン体制からの転換と続き、現在日産は事業の抜本的な変革に取り組んでいるところだ。
そうした中、今回の日本仕様発表を聞いていると、日産が過去15年間に培った『日産EV創業期』の統括と、それを踏まえた『EV第2創業期』という印象だ。見方を変えれば、EVを取り巻く競争環境がガラリと変わった今、社会におけるリーフの役割も変化していくように思える。
EVであることを強調し過ぎないN-ONE e:
次に『ホンダN-ONE e:』。基本の電動コンポーネンツを『N-VAN e:』と共通化しているモデルだ。
ターゲットユーザーは40代から50代の女性、さらに20代の女性を加えており、何気ない毎日での軽快さや小さな楽しみをサポートする『eデイリーパートナー』という商品コンセプト。
横浜市内で試乗したが、ひとことで言えば『ナチュラル』。EVであることを強調し過ぎることはなく、上質でやさしい乗り味である。
ホンダの小型EVといえば、欧州市場を主体に考案され日本にも導入された『ホンダe』や、実施試験で活用された超小型モビリティ『MC-β』があったが、いずれもホンダらしいキビキビした走りを強調しているのが特長だった。
それが、N-ONE eでは、商品としてのクオリティは高いが、ターゲットユーザーの間口が広い。EVが大衆化しているために、こうした商品戦略が当然のステップであり、ホンダとしての『EV第2ステップ』に入ったという印象だ。
最後に、『アウディA6 eトロン』。静岡県内で試乗したが『実にアウディらしい』という印象である。
2020年代に入ってからのアウディEVでは、『eトロン/eトロン・スポーツバック』と『eトロンGT』がベースとなり、2022年の『Q4 eトロン』によってユーザーの間口が一気に広がった。そして今回、SUVではない車高が低いモデルである『A6』がEV化された。
EVの現在位置は?
これまで各種eトロンを試乗してきたが、アウディとしてEVにどう向き合えば良いのかという迷いがあるように感じていた。
2010年代半ばに、フォルクスワーゲン・グループが他の自動車メーカーに先駆けてEVシフト戦略を打ち出し、アウティとしても量産開発を加速させる必要があった。そうしたアウディEV創世記を越えて、『第2成長期』へと向かう転換期が『A6 eトロン』ではないだろうか。
このように、日産、ホンダ、そしてアウディと紹介したが、それぞれがモデルとして市場セグメントが違い、また企業としてEVに対する過去の取り組み方も違う。だが、自動車市場を俯瞰すると、各社が『第2』というキーワードで示したステージにいる。言い方を変えると、EV市場全体が今、本格普及の可能性を探りながらの『地盤作り』のステージにある。
今になって2010年代からこれまでの道のりを振り返れば、それが『EV普及初期』にあたり、各社がEVにどう向きあうべきか『もがいてた』ということが分かる。それが現在、各社とも『ひとかわ剥けた』ような状態になった。
だからこそ、本格普及に向けた地盤作りができてきたのだと感じる。しかし、EV本格普及に向けてはグローバルで大きな課題がある。それは、EV導入による社会変革だ。
EVはエンジンをモーターに、またガソリンスタンドを充電スタンドに変換するだけの乗り物ではない。社会活動で最も多く使われている電気を共有するという点が、大きく違う。そうした社会変革を伴う議論が自動車産業界では、まだ弱い。
2020年代後半から2030年代に向けて、社会とEVとの関係がどう変わっていくのか、注視していきたい。
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