スポーツカー・カテゴリーへの復帰を宣言
アウディは、TTの後継モデルに相当する2シーターの電動スポーツカーを発表した。2027年に、ほぼこの見た目で発売されるようだ。スタイリングは、今後のアウディへ展開される次世代のデザイン言語を先取りしたものだという。
【画像】ほぼ見た目このまま 「アウディTT」2027年にカムバック 初代と3代目 2代目R8も 全92枚
アウディ・コンセプトCがお披露目されたのは、イタリア・ミラノで開かれた同社のイベント。バッテリーEVへの転換期として難しい経営状態が続く現在だが、成長への回帰を目指す新戦略の1つをなす。
3世代続いたアウディTTは、2年前に生産が終了。ほぼ同じくして、V10エンジンのスーパーカー、R8の提供も終了している。
コンセプトCは、未来的なデザインとテクノロジー、従来のモデルとの結びつき、運転の一体感を融合させた電動2シーター・モデル。スポーツカー・カテゴリーへの復帰を、力強く宣言したといっていい。
TTとR8の中間 「殆どご覧の通り」2年後に量産化
アウディCEOのゲルノート・デルナー氏によれば、TTというモデル名は与えないとのこと。「コンセプトCは、TTの後継モデルではありません。セグメントが異なり、TTとR8の中間に位置します。生産が見えた段階で、命名するつもりです」
コンセプトCという呼び名は、アウディが新たに取り組む「クラリティ(明瞭性)」の頭文字と、1936年のグランプリレーサー、アウトウニオン・タイプCを想起させるもの。デザインチーフへ就任した、マッシモ・フラセラ氏の意思表明でもある。
フラセラは、ジャガー・ランドローバー社で13年間勤務。レンジローバーのデザインを担当した。アウディには2024年に加わり、シンプルさへのこだわりを当初から口にしていた。ブランドを「真に際立つ存在」へ、スタイリングで導くともしている。
ミニマルなコンセプトCは、彼の考えへ忠実だといえるだろう。「プレビューに近いもので、殆どご覧の通り」2年後に量産化されると明言した。
初代TTとイメージが重なるフォルム
コンセプトCのフォルムは、強調されたウエストラインの上に、リアまで伸びた丸いルーフが載る象徴的なもの。1998年の初代TTと、イメージは重なるはず。リトラクタブル・ハードトップを、アウディとしては初めて採用するようだ。
注目すべき処理は、4リングス・ロゴを際立たせ、運転支援システムのセンサーやカメラを覆う、縦に長いフロントグリル。アウトウニオン・タイプCだけでなく、2004年のA6などとも印象は重なる。「アウディの伝統を革新的に解釈した」と、表現されている。
ヘッドライトの点灯パターンには、4リングスを反映。夜間に、アウディであることを明確に認識させる効果があるという。
技術は次期ボクスターやケイマンと共有
バッテリーEVであり、パッケージングの自由度が高く、ミドシップ風のプロポーションであることも特徴。ポルシェとアウディが共同開発した、PPEプラットフォームの改良版を採用し、次期ボクスターやケイマンとも共有するという。
コンセプトCは実際に走行可能で、駆動用バッテリーはシャシー中央へ積まれ、着座位置を低くしている。駆動用モーターは、リア側へ1基搭載されているが、量産版ではツインモーター版も登場する。最高出力などは、まだ非公開だ。
サーキットでクルマを走らせる時の重要なフィードバックで、状態を判断する要素になるという理由で、擬似的な変速システムも検討されている。人工のエンジンサウンドを実装する可能性もある。
高品質を反映した確かな感触の操作系
インテリアでは、操作系にアルマイト処理されたアルミニウムを多用。「機械的な高品質を反映した、確かな感触」を実現するとのこと。
10.4インチのタッチモニターは、収納することが可能。テクノロジーを身近に感じさせつつ、支配的にならないよう意識したとしている。実際に押せるハードボタンと、デジタル技術をバランスさせ、期待通りの操作系レイアウトだと主張される。
ステアリングホイールはマルチファンクション。リムの形状はほぼ円形で、その中央には金属製の4リングス・ロゴが輝いている。
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みんなのコメント
アウディはVWベースで作れば豪華版と言われ、ポルシェベースで作ればその廉売版(と言っても安くはないが)とみなされる。
アルファもそうだが、上下挟まれたブランドは生き残るのは難しいな。ポルシェにSUVとサルーンをやめろとも言えんだろうしな。