トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ(TGR-E)の中嶋一貴副会長は、TGRがル・マンで液体水素を燃料に用いるプロトタイプ車両『GR LH2 Racing Concept』を発表したあと、このクルマでのテストは「水素について多くのを学びを得ること」が目的であると語った。
WEC世界耐久選手権に参戦しているトヨタは6月11日、シリーズのハイライト・イベントであるル・マン24時間レースの会場で、水素エンジンとハイブリッドシステムを搭載したプロトタイプのテストカーを初公開した。
トヨタ、液体水素で走るプロトタイプ『GR LH2 Racing Concept』をル・マンで初公開
サルト・サーキット内のH2ビレッジ(水素村)で行われた発表会には中嶋TGR-E副会長とTGR WECチームの代表とドライバーを兼務する小林可夢偉、そしてACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長が出席した。
白と水色のカラーリングで登場したこのマシンは、トヨタが2023年のル・マンで発表したGR H2 Racing Conceptの進化版で、現行のハイパーカー、トヨタGR010ハイブリッドのシャシーをベースに構成されている。
LH2 Racing Conceptが2年前に発表されたクルマと異なるのは、後車がモックアップだったのに対し、新型プロトタイプは将来のデモンストレーションおよびテスト走行を想定した実走可能なマシンであることだ。しかし、トヨタはこの車両が具体的にいつ走り出すのか、明確なスケジュールを公表していない。また、パワートレインについても液体燃料を使用する水素エンジンとハイブリッドシステムの組み合わせという情報以外は明らかにしていない。
中嶋副会長は記者団に対し次のように語った。「この車両をテストし、水素について多くのことを学ぶことが私たちの明確な目的です。液体水素は私たちが慣れ親しんだものとは異なるため、内燃機関だけでなく、インフラや燃料供給システムについても学んでいきます」
「現在の主な目標は、水素燃焼エンジン技術の可能性を拡げることです。まだまだ道は開けており、適切なレベルに到達するには、さらに技術を改良させる必要があります。まだやるべきことがたくさんあると考えています」
「これは、何が課題なのかを知るための第一歩です」
中嶋副会長は、GR LH2 Racing Conceptが走り出すまで「それほど遠くない」と付け加えたが、実際の走行開始時期については明言を避けた。
まだ確定情報ではないものの、金曜日に開催されるACOの年次記者会見では、WECのル・マンにおける水素クラスの導入が現在の目標である2028年から遅れると予想されている。
一方、FIA国際自動車連盟は、今月10日(火)にマカオで開催されたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、水素の安全性を管理する規則の枠組みを承認したことを確認した。これは、このクラスの具体的な技術規則の作成に向けた第一歩であると考えられる。
[オートスポーツweb 2025年06月11日]
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