デビュー以来、R750ベースの心臓部をリファインしてきたが、ついにゼロから新設計。主要3軸三角配置でコンパクト化を促進し、モトGPマシン譲りの車体設計、ショーワBPFなどの最新トレンドを惜しみなく投入した。
文:沼尾宏明、オートバイ編集部
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スズキ「GSX-R1000」(2009-2016)解説
キレたハンドリングでよりレース向けの特性に
5代目のk9でR1000初のフルチェンジを敢行した。心臓部は、ライバルが採用していた主要3軸(クランク、メイン、ドライブの各シャフト)の三角形配置を導入。エンジンの大幅なコンパクト化を実現した。
特徴だったロングストローク設定は若干ショートストローク化。最高出力は従来型と同じ185PSながら、高回転域の伸びはK9が上回っている。
フレームはエンジンに合わせて再設計。ライバルに先駆け、軽量かつ応答性に優れたショーワBPFフォークも投入された。
小型化したエンジンによってホイールベースは10mm減。一方でスイングアームは33mm延長された。こうした手法は、当時のモトGPマシン=GSV-Rが取り入れていた車体設計と同様で、コーナリング時の安定性やトラクション向上が狙い。K9は最新トレンドを貪欲に採り入れたモデルだったのだ。
走りは、従来の自然なハンドリングから、より積極的に舵角がつき、キレのある特性に変化。サーキットで強く、相変わらず耐久レースで絶好調だった。
エンジン前後長を短縮し、吸排気系を最適化(K9・2009年)
185PSを発生する999cc水冷DOHC直4エンジンのボア×ストロークは74.5mm×57.3mm、圧縮比は12.8:1。エンジンは前後長の短縮や吸排気系の見直しが施され、クランク軸端給油システムやチタンバルブの採用によって、レスポンスと高回転域の伸びを重視している。
鈴鹿8耐とEWCで証明した耐久王の実力
2009年の鈴鹿8耐では、ヨシムラスズキ with JOMOが序盤からトップに立ち、そのまま首位を守り切って優勝。2016年のEWCではSERTが最終戦オシャースレーベン8時間で2位に入り、FIM世界耐久選手権のタイトルを獲得した。
スズキ「GSX-R1000(K9)」(2009)解説
R1000の系譜に新基準を打ち立て、新エンジンで激進化したK9
GSX-R1000の系譜において大きな転換点となったモデル。専用設計の新エンジンと新フレームを採用し、足まわりを全面的に刷新することで、性能と扱いやすさを高次元で両立させた。
エンジンは前後長の短縮と吸排気系の見直しを実施し、クランク軸端給油システムやチタンバルブの採用によって、レスポンスと高回転域の伸びを重視した。車体は新設計フレームに加え、ホイールベースの短縮とスイングアームの延長を同時に行った。前後サスはSHOWA製を搭載。
●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:998cc
●最高出力:185PS/11500rpm ●最大トルク:11.9kgf・m/10000rpm ●車両重量:205kg
●シート高:810mm ●燃料タンク容量:17.5L ●変速機形式:6速リターン
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・190/50ZR17
スズキ「GSX-R1000(L2)」(2012)解説
右1本出しマフラーと青フレームが象徴する L2の進化した存在感
L2は2009年型以来の改良版で、軽快性、ブレーキ性能、ミドルレンジのトルクの厚みが強化された。外観は従来のイメージを大きく崩さず、右側1本出しの新型マフラー、ブルーフレーム、金色のBrembo製フロントキャリパーが採用されている。
さらに、ショーワ製BPFフロントフォークとリンク式リアサスペンションのセッティングも再調整された。エンジンはピストンを11%軽量化し、カムプロフィールも見直されている。
●エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:998cc
●最高出力:185PS/11000rpm ●最大トルク:11.9kgf・m/10000rpm ●車両重量:203kg
●シート高:810mm ●燃料タンク容量:17.5L ●変速機形式:6速リターン
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・190/50ZR17
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