海自も艦載機として採用を決定
海上自衛隊が導入を決めた小型UAV(無人航空機)「VBAT」は、アメリカの防衛企業シールドAI社が開発した軍用ドローンです。海上自衛隊では、同機を「艦載型UAV(小型)」の名称で6機導入し、新しく建造される1900トン型哨戒艦に搭載して船上運用する予定です。
「V-BAT」の性能は最大航続距離180km、最大飛行時間13時間です。アメリカでは、海軍がMQ-35Aの名称で導入を進めているほか、沿岸警備隊や陸軍でも採用が決まっています。また、ウクライナ軍も運用しており、ロシア軍との交戦地域での偵察任務において成果を上げています。
開発元のシールドAI社は2015年に設立された新興の防衛企業ですが、「V-BAT」は日本を含め世界各国から注目を集めており、売り込みのために防衛企業が参加する展示会にも頻繁に参加しています。今年(25025年)3月には、オーストラリアで行われた「アバロンエアショー」、1か月後の4月にはシンガポールで開催された「IMDEX」にそれぞれ出展しており、実物大の模型や操作コンソールを展示していました。筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は双方の展示会を取材し、ブースを見学してきたので、そこで見た「V-BAT」の詳細を振り返ってみましょう。
「V-BAT」を初めて見た時の第一印象は「意外と大きいが機体は小振り」というものでした。機体は全長2.7m、全幅3mと人よりも大きいですが、垂直に伸びた胴体の下部に交差する形で直線の主翼が付けられており、外見上は「空飛ぶ十字架」といった感じです。なお、胴体と翼は細身で重量も56.7kgと軽く、分解状態からの組み立ては作業員2人で30分だといいます。
根元部分には円筒形のダクトに覆われたローターファン(ダクテッドファン)とエンジンが取り付けられています。その下部には着陸用の脚が備えられており、離着陸は十字架が上下するように直立した体勢で行われます。その様子は有名特撮番組『サンダーバード』に出てきた架空のロケット「サンダーバード1号」の離着陸シーンとよく似ています。
離着陸は完全自動制御
「V-BAT」は、通常は航空機のように機体を横に向けて飛行し、離着陸時のみ姿勢を変えて垂直離着陸(VTOL)をするという特徴的な飛び方です。ただ、これは場所を選ばずに発着するためのもので、この点が海上自衛隊に選ばれた一番の理由だといえます。
シールドAI社の説明によれば「V-BAT」は縦横4.6mの空間があればそこから発着することが可能であり、滑走路やカタパルトといった専用の設備を必要としません。これは洋上を航行する艦艇でも同様で、速度10ノット(約18.5km/h)、風速25ノット(約46.3km/h)で洋上を航行する艦艇でも発着できます。
また、「V-BAT」ではこの発着を完全自動化しているのも特徴です。発着は航空機において墜落事故の危険性が一番高くなる瞬間であり、この機体のような垂直離着陸機では飛行形態を変化させるためその可能性がより高まります。それを完全自動化することで、安全確実な運用を実現するだけでなく、人員の操縦訓練も簡略化することができます。
高度な自動化は垂直離着陸以外でも活用されていて、「V-BAT」は機体制御を機内のAI(人工知能)が自律的に行い、操縦者は機体自体を直接操縦するのではなく、任務全体を指揮する形です。
また、自律飛行能力によって、妨害電波によってGPSや遠隔操縦の無線が妨害された場合でも飛行を継続することができるため、電子戦が繰り広げられる現代の戦場においても運用できるというメリットを持っており、その性能はロシアと戦うウクライナでも実証されています。
無人機の操縦といえば、ラジコンのような遠隔での操作をイメージするかもしれませんが、「V-BAT」を操作する地上管制ステーションは、ラップトップパソコンのような小規模なもので、ジョイスティックのような操縦装置もありませんでした。また、展示ブースでは「Command. Don’t Control(操縦するな、指揮しろ)」という印象的なフレーズが掲げられていました。
海自は艦艇周辺の監視用として活用
防衛省では「V-BAT」の任務を「水上艦艇周辺海域の警戒監視・情報収集」と説明しています。この機体は胴体先端部分には電子光学・赤外センサーが搭載可能で、これまでは艦載ヘリコプターや陸上発着の固定翼哨戒機で行っていた任務の一部を、より低コストで担うことができます。
先端部分の搭載機器は交換することが可能で、合成開口レーダー(SAR)やレーザー目標指示機などを搭載すれば、対応可能な任務の幅も広がります。また、海上自衛隊が導入する機体にも採用されるかは不明なものの、シールドAI社では複数の「V-BAT」が自律制御で連携して任務にあたるスウォーム(群れ)運用や、機体にキネティック弾薬を搭載するなど、将来的なアップグレード化も提示しており、今後は世界各国での同型機やその発展型の運用が進んでいくかもしれません。
防衛省の資料によれば、機体単価は1機あたり約6億円で、採用から退役までのライフサイクルコストは約388億円と見込んでいます。
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みんなのコメント
1号は事故現場に降りるときは胴体を水平に主翼を広げてそこから足を出して降りる。
なので、3号の方が近い。
って、ファンとしてはこだわってしまいました。
この大きさではフリゲート艦にも満たないコルベット艦と呼ぶべきかもしれませんが、これまでわが日本艦隊にはなかった新艦種で、今後このタイプを12隻建造していく予定のようです。状況次第では機関砲をより強力な速射砲に換装し、対艦ミサイルを装備するなどの余剰スペースを持たせているようですな。