なぜ造船会社が小型モビリティ事業を始めたのか?
大阪の造船会社が小型EVモビリティを作っているのをご存知だろうか?
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1936年から大阪で造船業を営むダイゾーは、エアゾール事業や特殊潤滑剤を扱うニチモリ事業など、造船以外にも幅広く事業を展開し、それぞれの分野で高いシェアを誇る企業だ。
そのダイゾーは、2025年2月7~9日まで開催の大阪オートメッセのEVスマートモビリティ体験エリアに、自社ブランド「e-NEO Produced by DAIZO」の小型EVモビリティ「NEO-ONE」と「NEO-Light」を展示している。ではなぜ造船会社が小型モビリティ事業をはじめたのだろうか。
取材に応じてくれたダイゾーの陸機事業部第二営業部EVグループに所属する上原さんによると、「ダイゾーでは4年ほど前から造船エリアの広大な敷地と豊富なものづくりの技術力を活用して、輸入されてくる小型モビリティの検品受け入れ業務を行なっている」のだという。
その経験を活かして「自社ブランドを立ち上げることはできないだろうか」と検討したのがきっかけとなり、約2年の準備期間を経て昨年10月に立ち上げられたのが「e-NEO Produced by DAIZO」という小型モビリティブランドだ。
無骨でカッコイイ第1弾モデル「NEO-ONE」
第1弾モデル「NEO-ONE」は、全長2245mm×全幅1150mm×全高1630mm、前1輪後2輪、ハンドル形状はバイクタイプを採用した小型3輪電動モビリティだ。充電は普通100Vと普通200Vの両電源に対応。1回の充電で約100kmを走行可能で、乗員は前ひとり後ろふたりの計3名。モーター出力は3000W(3kW)、普通免許で運転することができる。
後部座席へのアクセスは多少不便さを感じるものの、乗り込んでしまえば足元は広く、思いのほか天地方向にもゆとりを感じる。だが、これで3名が乗車して片道100km走行するのは本来の使い方とはいえず、自宅から駅やスーパーなどへの近場利用で3名が乗車するというのが現実的な使い方のようだ。
雨風を防ぐためのレインカバーを装備し、運転席の脇に設けられたファスナーを上げ下げすることで乗り降りを可能にしている。ただし、レインカバーを装着したまま外に置きっぱなしにすると、徐々に曇りが発生するため、1年に1回程度の交換をオススメしているという。
交換はカバーの外周に沿って設置されたネジを手で外して付け替えるだけという気軽さで、部品代も2万5000円程度と安価に抑えられているから、良好な視界確保のために、適宜交換したいところだ。
運転席の頭上には外気の取り入れ口を設けるほか、室内灯と小型ファンも設置されており、夏場の運転にも配慮がされている。このような快適装備を搭載した小型モビリティは珍しく、NEO-ONEの強みといえる。
展示されたボディカラーがマットブラックということもあるが、見た目は男性的でやや無骨な印象。それでも、各部に有機的なライン処理が施されるほか、この手の小型モビリティにしては望外なレベルでパネルのチリが合っており、品質の高さを感じさせる。
前出の上原さん曰く「そこはもともとが造船会社ですから、社内で求められるクオリティで作った結果ですが、まだまだもっと品質を突き詰めていきたいです」と謙遜するものの、このあたりはブランド立ち上げに伴い、中国に現地関連会社を作っただけのことはあると感じる部分だ。
丸くてカワイイ第2弾モデル「NEO-Light」
もう1台、会場に展示されていた「NEO-Light」は、同ブランドの第2弾モデル。NEO-ONEとは打って変わって可愛らしさすら感じるポップなデザインを採用している。
NEO-ONEに備わる送風口と室内灯、それに小型ファンは省かれ、後席背後の窓も固定式。航続距離は同じながらモーター出力は2000w(2kw)に抑えられるなど、装備と走行性能を簡略化。その分価格は9万円ほど安く設定され、より買いやすい価格設定がなされている。
ヘッドライトまわり、テールライトまわりはNEO-Light用に新たに設計され、ボディカラーと相まってファニーな印象に仕上がっている。これなら、子どもの送迎に使っても喜ばれそうだ(そう、後部座席にはどちらのモデルもチャイルドシートの取り付けが可能なのだ!)。
NEO-ONEが個人利用を目的に購入される例が多いのに対し、NEO-Lightは法人が過疎地域の送迎サービスや、地域観光の足として導入される例が多いそうだ。
メンテナンスはe-NEOが全国の提携修理工場をユーザーに紹介し、そこへ入庫してもらう形式を採用しているため、全国どこでも安心して利用できるという。
EVスマートモビリティ体験エリアでは、このほかにも多数のキックボード型モビリティや、着座式の小型2輪モビリティが展示され、実際に試乗することもできる。いま注目度の高い特定小型原付なだけに、多くの来場者が足を止めて相談している姿が目立った。
e-NEOの小型3輪モビリティはそれらと同じコースを走るが、キックボード型のモビリティに比べ明らかな巨体を持つにも関わらず、狭い試乗コースを難なく走行できてしまうのは、前輪がひとつで小まわりが利くうえ、しっかりと車体をロールさせられるからだ。
最高速度が50km/hに留まるミニカー登録なので、車検いらずのお手軽さに加えて日本企業が作り出すハイクオリティさ。それがNEO-ONEは89万円、NEO-Lightは80万円で手に入る。これは複数名が乗車できる小型モビリティとして、なかなか魅力的なシリーズだといえそうだ。
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