現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【窓枠はなぜ復活した?】以前流行ったサッシュレスのクルマがなくなった理由

ここから本文です

【窓枠はなぜ復活した?】以前流行ったサッシュレスのクルマがなくなった理由

掲載 更新 9
【窓枠はなぜ復活した?】以前流行ったサッシュレスのクルマがなくなった理由

 開放感のある中央の「柱」がないクルマが流行

 以前の日本車のドアには、マド枠のないサッシュレスタイプが多く採用されており、ドアを開いた時の形状がスッキリしていた。

【疑問】フェンダーミラーはなぜ消えたのか?

 とくに中央のピラー(ルーフを支える柱)まで省いた2ドア/4ドアハードトップボディは、前後のウインドウを開くと、ボディ側面が全開になるので独特の開放感を味わえる。ピラーレスハードトップは、まさにソフトトップのルーフをスチール製に置き換えたようなデザインだった。

 ただしピラーレスハードトップは、ボディ剛性や強度を十分に確保できないため、クルマの進化と併せて採用車種が減っていった。近年は中央のピラーを備えたボディに、マド枠を取り去ったサッシュレスドアを組み合わせるパターンだったが、これも採用車種が減っている。

 サッシュレスドアは開口部を広く取れない

 スバル・インプレッサの初代と2代目は、サッシュレスドアだが、3代目はマド枠のある一般的なフルドア形状に変わった。この時に開発者に変更した理由を尋ねると、「主にドアの開口部を拡大するため」とのことであった。サッシュレスドアではボディ側のドアシールをウインドウガラスに直接密着させる必要があるから、開口部を広く取れない。フルドア形状にしてピラーの角度も変えることで、3代目インプレッサは2代目に比べてドアの開口部を拡大した。

 また近年のドア形状について開発者に尋ねると、「フルドアのほうがボディの強度を保ちやすく、風切り音を抑えたり、遮音性能を高める上でも有利」だという。逆にサッシュレスにするメリットは主にデザインだから、機能を優先させれば、自ずからフルドアになるわけだ。

 日本車がサッシュレスドアを廃止する一方で、メルセデスベンツCLS、BMW4シリーズグランクーペ、アウディA5スポーツバックなどの欧州車は、サッシュレスドアを使ってドアの周辺をシンプルに見せるようになった。欧州メーカーには以前からカブリオレが用意され、サッシュレスドアも継続的に用意している。この実績を生かし、技術進歩と併せて、セダンや5ドアハッチバックにもサッシュレスドアを使うようになった。

 過去を振り返ると、サッシュレスドアのセダン(4ドアハードトップ)は、1960年代のアメリカ車から普及を開始した。日本では1970年代から1990年代に掛けて、乗用車の中心的なボディスタイルになっている。トヨタ・カローラセレス&スプリンターマリノのように、コンパクトな車種にまで4ドアハードトップが採用されていた。

 この後、日本では廃れたが、欧州では同様のボディスタイルが今になって流行している。ターボなどのメカニズムにも当てはまる話だが、日本車が早期に確立させながら採用車種を減らし、時間を経て海外のクルマで普及したトレンドは意外に多い。

こんな記事も読まれています

EV版メルセデスベンツ『Cクラス』を激写! 室内には巨大なデジタルディスプレイが
EV版メルセデスベンツ『Cクラス』を激写! 室内には巨大なデジタルディスプレイが
レスポンス
ニッサン・フォーミュラEが初優勝達成。「戦略がしっかりしていた。誇りに思う」とローランドも喜び
ニッサン・フォーミュラEが初優勝達成。「戦略がしっかりしていた。誇りに思う」とローランドも喜び
AUTOSPORT web
新型「旧車風ミニバン」実車公開! 斬新2トーンがカッコイイ「新型ワーゲンバス」国内登場へ VW専門店が「IDバズ」を披露
新型「旧車風ミニバン」実車公開! 斬新2トーンがカッコイイ「新型ワーゲンバス」国内登場へ VW専門店が「IDバズ」を披露
くるまのニュース
1980年代にヒットした日本のFFファミリーカー3選
1980年代にヒットした日本のFFファミリーカー3選
GQ JAPAN
神奈川キャンピングカーフェア、川崎競馬場に130台が集結 4月20-21日
神奈川キャンピングカーフェア、川崎競馬場に130台が集結 4月20-21日
レスポンス
女性のためのキャンピングカー「ノマドラックス」誕生!5月3日、町田で初披露!
女性のためのキャンピングカー「ノマドラックス」誕生!5月3日、町田で初披露!
グーネット
70年以上かけて育んできたロータスらしさとは──新型エミーラ試乗記
70年以上かけて育んできたロータスらしさとは──新型エミーラ試乗記
GQ JAPAN
ヤマハ『トレーサー9 GT+』の先進技術を試乗で体感、5月よりYSPキャラバン 車種拡大も
ヤマハ『トレーサー9 GT+』の先進技術を試乗で体感、5月よりYSPキャラバン 車種拡大も
レスポンス
5速MT搭載! 日産が「4ドアコンパクトセダン」を実車展示! めちゃスポーティな“画期的モデル”が登場! 隠れ名車「プリメーラ」を披露
5速MT搭載! 日産が「4ドアコンパクトセダン」を実車展示! めちゃスポーティな“画期的モデル”が登場! 隠れ名車「プリメーラ」を披露
くるまのニュース
世界のトタルエナジーズが100周年! クリーンエネルギーを軸に次の100年へ
世界のトタルエナジーズが100周年! クリーンエネルギーを軸に次の100年へ
driver@web
【2024年版】ポルシェ 911 VS ポルシェ ボクスターを徹底比較
【2024年版】ポルシェ 911 VS ポルシェ ボクスターを徹底比較
グーネット
スズキ、『Vストローム250』の2024年モデルを発表。価格を改定し4月17日に発売開始
スズキ、『Vストローム250』の2024年モデルを発表。価格を改定し4月17日に発売開始
AUTOSPORT web
日産サクラがEV販売ナンバー1を獲得。ユーザーが気に入っている点は?
日産サクラがEV販売ナンバー1を獲得。ユーザーが気に入っている点は?
driver@web
標的は愛車?! ライフル型高圧洗浄機がクラファンで販売開始
標的は愛車?! ライフル型高圧洗浄機がクラファンで販売開始
レスポンス
ホンダ「ベンリイ」のルーツは1950年代!? 125ccでも免許不要で乗れる「便利」なバイクだった
ホンダ「ベンリイ」のルーツは1950年代!? 125ccでも免許不要で乗れる「便利」なバイクだった
バイクのニュース
【北京モーターショー2024】日産 中国市場向けのNEVに位置付けられるコンセプトカーを複数出展
【北京モーターショー2024】日産 中国市場向けのNEVに位置付けられるコンセプトカーを複数出展
Auto Prove
F1マシン、かくあるべし。空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが語る理想と現実|インタビュー
F1マシン、かくあるべし。空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが語る理想と現実|インタビュー
motorsport.com 日本版
RBコラム:幸運にも恵まれ、鈴鹿で大きな意味を持つ10位入賞。エンジニアリングの課題を解決すべく組織改革も進む
RBコラム:幸運にも恵まれ、鈴鹿で大きな意味を持つ10位入賞。エンジニアリングの課題を解決すべく組織改革も進む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

9件
  • サッシレスのクルマが減った理由は、やはり安全基準の強化からでしょうね。
    窓枠のないクルマは、いわゆるハードトップと言われ、長い間日本車の人気モデルとしてラインナップされてきました。Bピラーのあるピラードハードトップと呼ばれていたモデルなどが最後まで残っていたタイプ、ピラーのない開放感たっぷりのモデルは昭和の時代に流行していましたね。
  • >以前流行ったサッシュレスのクルマがなくなった理由

    あんたら、日本の自動車マスゴミが批判しまくったからでしょ!!
    何をいまさら!!!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

647.0864.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.0698.0万円

中古車を検索
A5 スポーツバックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

647.0864.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53.0698.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村