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三菱エクリプス・クロス S-AWCに注目 雪上でASCオン/オフ 違いは? 画像162枚

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三菱エクリプス・クロス S-AWCに注目 雪上でASCオン/オフ 違いは? 画像162枚

もくじ

どんなクルマ?
ー エクリプス・クロス 見どころはS-AWC

『エクリプス・クロス雪上試乗』すべての画像をみる

どんな感じ?
ー ASC(横滑防止装置)オフで雪道へ
ー 一般的なASCオンのふるまいは?

「買い」か?
ー 「パリダカパジェロのノウハウ?」

スペック
ー 三菱エクリプス・クロスのスペック

どんなクルマ?

エクリプス・クロス 見どころはS-AWC

スペシャリティ志向のSUV市場の拡大に対応して開発されたモデルがエクリプスクロスである。ただし、レジャーワゴンとしてのSUVの側面を蔑ろにしていないのが同車の特徴。それは後席周りの居住性や積載性を配慮したパッケージングにも現れている。

4名乗車のレジャーには厳しいが、プレ&ポストファミリーがタウン&レジャーで使いやすい実用的なSUVでもある。

もうひとつの見所が三菱4WD技術の走りである。前回の試乗では限られたコースながらオンロードでの素性のよさを確認できたが、今回は厳冬の北海道で4WDモデルの雪上性能を試すことができた。

4WDシステムは前輪を主駆動輪として走行状況に応じて後輪へのトルク伝達を電子制御カップリングにより制御するのが特徴。カップリングの締結力により前後輪のトルク配分は100:0(FF)~50:50でコントロールされる。

そこに4輪のブレーキを独立自動制御によってトルクベクタリングを行うブレーキAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)等が加わり、各輪の駆動制動力を車両運動性能向上に最適化。

これがS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)であり、エクリプスクロスは同システム搭載の最新モデルでもある。

どんな感じ?

ASC(横滑防止装置)オフで雪道へ

試乗に用意された特設コースは雪路としてもかなりタフな設定。一般道でも雪路は除雪と轍で通常舗装路よりも凹凸が激しいが、特設コースは部分的に大きなギャップもあり、荒れたダート路のようである。

多くは適度に柔らかな圧雪だったが、部分的にはアイスバーンとなっている。それでもエクリプスクロスの地上高や4WDシステムを考えれば、慎重に速度を抑えている限り何の苦労もなく踏破できる。

それでは詰まらないし、せっかくのクローズドコースなので、ちょっと限界を探ってみる。

先ずはシャシーやS-AWCの按配を確かめるべく、というか路面の滑り具合のチェックもあってASC(横滑防止装置)を切ってのコースインする。

激しい凹凸の圧雪でも直進安定は良好。もちろん舗装路のようにカチッと収まった感じはなく、速度を上げれば微妙に滑る。しかし、ギャップで大きく方向性を乱すこともなく、穏やかな補正操舵で直進を維持してくれる。

コーナーは速度を適切に抑えていれば、減速から綺麗に回り込む。コーナリング限界近くなら前輪に呼応してコリンを滑らせる感じでラインに乗る。

そのままアクセルを開いて、4輪ドリフト気味に立ち上がらせるのもそう難しくない。軽いフェイントで振って入る等々のスノードラテク使い放題のフットワークなのだ。

痒いところに手が届くと言うか、運転が上達したように思わせると言うか、とにかく自在に操っているような感覚が楽しい。きっと裏ではS-AWCが大活躍して適切にトルク配分制御しているのだろうが、その介在を意識させないのも巧みである。人車一体の運転感覚だ。相当走り込んでまとめたに違いない。

次いでASCオンで走る。

一般的なASCオンのふるまいは?

進入で大きく振り込む、立ち上がりでパワーで滑らせる、という状況では即ASCが介入して自動減速やトラコン、ブレーキによる方向修正を行いグリップ状態に引き戻す。

何だか「冷静になりなさい」と諭されているような感じだが、過剰にお節介という訳でもない。

コーナーへのアプローチで舵をインに切り込んだ状態で緩やかに後輪が滑っている状態ではASCが介入しない。舵角と車速とヨー(自転角速度)が適切に保たれていれば見守ってくれるだけ。

と考えると優しく頼もしいお父さんのような存在にも思えてしまう。お釈迦様も掌で暴れる孫悟空と言ったほうが適切かもしれないが。

もうひとつ、雪上で気がついたことのひとつがパワートレインのコントロール性。滑りやすいから微妙な加減速制御が必要といっても、その程度なら今時のターボ車のふつう。

エクリプスクロスで感心したのは小技にも付いてきてくれたこと。氷雪上路ではちょん踏み即オフで、わずかなプッシュアンダーステアからタックインさせて回り込ませるような小技も多用するが、エクリプスクロスの1.5ℓターボとCVTは思ったとおりに反応してくれた。

ブレーキのタッチも同様で、加減速制御精度のよさも小技大技交えた走りの妙味の下支えになっている。心理的な余裕や安心感にも効いてくる長所である。

「買い」か?

「パリダカパジェロのノウハウ?」

日本自動車ジャーナリスト協会の理事でもあるSH氏試乗時にSS氏が同乗するというので便乗。さらに編集氏も加わって4名乗車での試乗。

ラリー走行もどきの走行で、大きなギャップでは一気にフルバンプ。ふつうなら相当跳ね上げられるはずなのに、それほどの衝撃もなく、激しい方向性の乱れもない。

1名乗車時と比べて200kg以上重くては、さすがに減速はままならないが、1名乗車時のバランスを維持している。「これってパリダカパジェロのノウハウ?」と思えた。

そんな走り方はふつうはしない。ただ、スリップ事故にしてもスタックにしても、ふつうじゃない時に起こる。ある種の極限状況での扱いやすさは危険回避の能力でもある。

とくに今回の試乗では普段の運転の延長で限界近い、時として限界を逸脱した状況でコントロールできたことが極めて重要。安全向上に役立つファントゥドライブと言ってもいいだろう。

付け加えるなら、初北海道初雪上走行の本誌編集氏が楽しそうに運転していたのもとても印象的だった。

四季を通して行きたい所に出掛けたい。遠くも近くも目的地も道程も楽しみたい。つまり、走りもエクリプスクロスのコンセプトそのまま。タウン&レジャーの大本命となるのは間違いない。

三菱エクリプス・クロスのスペック

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