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スイフト・スポーツ新型 英国編集部が試乗 1.4ターボで「21世紀の古典ハッチ」へ

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スイフト・スポーツ新型 英国編集部が試乗 1.4ターボで「21世紀の古典ハッチ」へ

もくじ

どんなクルマ?
ー 1.6ℓ→1.4ℓターボ それでもスポーツ?
ー 軽量化とともに剛性向上 演出も

新型スイフト・スポーツ(ZC33S)試乗 1.4?ターボ 6MTと6AT

どんな感じ?
ー 車重970kg 安全装備も充実へ
ー ハンドリング 安定しすぎなのか
ー 1.4ℓターボ トルク増の恩恵あたえる

「買い」か?
ー 21世紀の「古典」ホットハッチ

スペック
ー スズキ・スイフト・スポーツのスペック

どんなクルマ?

1.6ℓ→1.4ℓターボ それでもスポーツ?

新型スズキ・スイフト・スポーツのダッシュボードに収まる赤くふちどられたメーターの間に配置されるのは、このクルマの走行情報をカラーグラフィックで表示するマルチ・インフォメーションディスプレイだ。

ディスプレイには燃費、5分間の平均車速、アクセル操作、ターボのブースト圧と、アクセルとブレーキによる加減速Gが表示される。瞬間表示は日産GT-Rやスバルの高性能モデルの専売特許であったが、今やこのスモール・ホットハッチにも搭載されるようになったのだ。

さらにはストップウォッチ機能付き時計表示があり、ふたつの円グラフは一定時間内でのパワーとトルクの発生量を示す。しかし、パワーとトルクについては正確な測定値ではないため、その表示された値自体にほとんど意味は無い。ドライバーがこの1.4ℓターボ・エンジンに注ぎこむ情熱を測ることなどできないように、単なる目安と考えるべきだろう。

今回はAUTOCAR英国版編集部にとって、2018年春に上陸予定の新しいスイフト・スポーツがどんな出来栄えかを日本でテストする初めての機会である。

なかでも注目すべきは、活発なキャラクターが評判だった現行モデルの1.6ℓNAエンジンが、この新しいスイフト・スポーツでは、既にヴィターラS(日本名:エスクード)に搭載されているターボ付き1.4ℓブースタージェット・ダウンサイズ・エンジンに置き換わるという事だ。

スペック上の違いは4psの出力アップだけかと思うかもしれないが、最大トルクが、これまでのわずか15.2kg-mから22.4kg-mへと増したことによる恩恵は大きいに違いない。

軽量化とともに剛性向上 演出も

スイフトはバレーノと新プラットフォームを共有しており、軽量化を達成するとともに、前モデルに比べてボディも強化されている。

ボディ強化はハンドリングの安定性とレスポンスの向上を目指して行われたスポット溶接増し打ちの効果でもある。シャシーに関しては、その他にも改良が施されている。

このスポーツモデルを他と見分けるのは簡単だ。2色に塗り分けられた17インチ・アルミホイールが足元を飾り、フロントはアンダー・スポイラーによって、ノーマルに比べ迫力を増している。

リアにはルーフ・スポイラーと、ボディ両サイドに配置されたマフラーが顔を覗かせる。バンパーの黒い部分にはカーボンファイバー調の素材が使われており、それらしく見せる効果を発揮している。

さらに車高は15mm低められ、ボディは40mmワイドになった。インテリアはスイフトのスポーツ・モデルに乗っているということを意識させるデザインだ。

ダッシュボード、アームレストと、さらにはセンター・コンソールに施されたギラギラとした赤の装飾がヤル気にさせ、黒のバケットシートにも赤いステッチが入る。

どんな感じ?

車重970kg 安全装備も充実へ

最近では小型車クラスでも140psというのは決して驚くようなパワーではないが、それなりに重量も増えた他のクルマと違い、スイフト・スポーツの車重は970kgに留まる。これは前モデルの装備が簡略された車両よりも80kgほど軽い数値だ。

この軽さの恩恵により、低いギアでゆっくりとアクセルを踏みこんだ時でさえ、スイフト・スポーツは喜びをあらわに加速する。

このクルマのシンプルな情熱が、旧き佳き時代を知るものには、かつてインジェクション化される前のホットハッチを、そうでなくとも、キビキビとした走りの前モデルの再来を思わせるだろう。

一方で、この野性的ともいえる活気あふれたクルマの装備を調べてみればきっと驚くに違いない。

最新のスイフト・スポーツには緊急時自動ブレーキ、進路補正機能、運転者モニタリング機能(もし、このクルマにのって眠気を催すようであれば、相当疲れているに違いない)に、レーダー・クルーズコントロールと前方歩行者検知機能まで備わっている。

しかし、これら電子的な自動修正アシストは、このクルマのドライバーとっては歓迎できないものだろう。例えばレーンキープ・アシストは、東京の臨海地区にある珍しく空いた道路でしか試すことができなかったが、いきなりステアリングが軽くなったかと思うと、進路が緩やかに修正され、(このクルマの場合)せっかくの運転に水をさされたように感じた。

64km/h以下の速度では、雑なステアリング操作はハンドルの振動とともに拒否される。そして、それ以上、160km/hまでは、スイフト・スポーツのステアリングは自動的に車線に戻ろうとして反力を発生させるのだ。

せめてもの救いは、この機能はオフにすることができるということだろう。でなければ、折角のこのクルマのシンプルさが損なわれてしまう。さらには折角高めたスポーツ性をも台無しにしてしまう。

きちんと走らせた際のハンドリングはどうだろう?

ハンドリング 安定しすぎなのか

スイフト・スポーツのハンドリングは非常にダイレクトかつ、重さも常に一定であり、優れたドライビング・ポジションにマッチしたものだ。コーナーでは低速から中速までフラットな姿勢を保つ。

コントロールが容易で、さらに責めこむ気にさせてくれるもの。ほとんどの場面で不満を感じることなどないだろう。

タイトなコーナーを激しくせめるとそれなりのロールはするが、グリップはドライ路面であれば相当な速度でもアンダーステアを抑えこむに十分であり、中速コーナーで突然スロットルを閉じても、不安定になる事はない。

しかし、一方で安定し過ぎとも言えるそのハンドリングに不満を漏らすドライバーがいるかもしれない。

スイフト・スポーツはまさにコンパクトで俊敏なボディを持つ、アクセルを使って活発に走らせることのできるクルマであり、進路補正やレーンキープ・アシストさえ無ければ、そのステアリング操作をさらに十分に楽しむ事ができたはずだ。

今となってはそんなシンプルさは懐かしくさえある。欧州市場での発売までにまだ数カ月の猶予があることを考えれば、スズキはさらにこのクルマを熟成してくることだろう。

熱心なドライバーであれば、このクルマのレーンキープ・アシストと、限界でのコントロール性を喜んで交換するだろうが、この電子制御は消去が難しいほどシステムの奥深くに埋めこまれている。

少なくとも、レーンキープ・アシスト機能はトラクション・コントロール同様オフにできるが、スイフト・スポーツはアクセル・オフで、オーバーステアに転じるようにはセッティングされていない。

エンジンを見ていこう。

1.4ℓターボ トルク増の恩恵あたえる

80kgの重量増加と引き換えに、ヴィターラ由来の直噴1.4ℓターボ・ブースタージェット・エンジンは、7.1kg-m増えたトルクを2500rpmから3500rpmの間で発生させる。

ギアは6速だが、シフトの感触はその他のコントロール系の小気味良いものとは異なり、ゴムのような抵抗が感じられる。そしてバック・ギアは驚くほど入れにくい。

しかし、これら些細な点を除けば、2500rpmから最大トルクを発生させる新エンジンを手に入れたスイフト・スポーツは、コンパクトで実用的。そして手頃な価格のクルマを求める熱心なドライバーにとって、優れたパッケージを持つ選択肢であることに間違いはない。

活気とともに洗練されてもおり、巡航速度ではエンジンは静かで、乗り心地に関しても常にスポーツカーに乗っている事を思い出させるような硬いものではない。

シートのホールディング性能も良好である。ソフト素材はシート、フロアマットとヘッドライニングに限定されるが、硬い感触のダッシュボードも、その色使いと、メーターとインフォテインメント・ディスプレイの明るいデザインが印象を良くしている。

さらにはスタイリッシュな本革巻きステアリングとアルミペダルも用意される。

装備は驚くほど整っている。

タッチスクリーン式7.0インチ・インフォテインメント・システムにはApple CarPlay、Android AutoとMirrorLinkに加え、エアコンとカメラ、様々なドライバーアシストに必要なレーダーまで含まれる。

レーダーシステムによるアダプティブ・クルーズコントロールは標準装備であり、バックカメラも付いてくる。

「買い」か?

21世紀の「古典」ホットハッチ

小さく俊敏、かつ長距離運転にも対応でき、維持も容易だろう。装備とその作りの精巧さにおいて、スイフト・スポーツは相当に熟成されている。

これほどの充実ぶりにも関わらず、軽量化も達成しており、もしアクセルワークでもう少しコントロールできるようになれば、このクルマは21世紀の電子技術を盛りこんだ、素晴らしく古典的なホットハッチと言える。

スズキ・スイフト・スポーツのスペック

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