お金持ちはなぜ新車ではなく、3年10カ月落ちの中古車を買うのか? 「1号車を持ってこい!」という新車が出たらすぐ欲しがるお金持ちもいるだろうが、一方で3年10カ月落ちの中古車を買うお金持ちも多い。それはなぜなのか、解説していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
お金持ちは損をしない!? なぜ経営者は新車のベンツではなく3年10カ月の中古車を選ぶのか? その心は?
【画像ギャラリー】3年10カ月落ちのクルマはなぜお得なのか? お金持ちが狙うワケ!(5枚)
ポイントになる減価償却と耐用年数
なぜ新車よりも3年10カ月落ちの中古車が狙い目なのか?(tamayura39@Adobe Stock)
クルマはいったん購入すると、資産価値が時間とともに下がっていくが、その下がった分の価値損失分を費用として経費計上することができる。それを減価償却という。
この減価償却は、購入した資産の代金を複数年度に分けて費用計上していくが、減価償却をするうえで重要なのが法定耐用年数。購入したクルマが何年間使用できるか、という考えがもとになっている。
国税庁が定めているクルマの法定耐用年数は普通乗用車が6年、軽自動車は4年と規定されている。つまり税法上では法定耐用年数のそれぞれ6年、4年で1円の価値もなくなるということ。自動車検査登録情報協会が発表している13.32年といわれるクルマの平均年数と比べると、税法上では意外に短く感じるハズだ。
減価償却は新車と中古車は異なる。個人事業者や法人が固定資産であるクルマを取得した場合、クルマの購入にかかった費用(取得価額)は一括で費用として計上されず、毎期減価償却費を計算し、前述した法定耐用年数にわたって按分(比例配分)して費用を計上していかなければならない。
中古車を取得した場合も、減価償却により毎期の費用を計上していくことになるが、中古で購入した固定資産の法定耐用年数は、新車の場合よりも短くなり、1年あたりに経費として計上する金額が大きくなるのだ。
国税庁が定めている法定耐用年数
クルマの減価償却の計算方法は、定率法と定額法の2種類あり、個人事業主の場合は、定額法、法人の場合は定率法が基本となる。
例えば500万円の普通乗用車の新車を購入した場合、定率法では500万円×0.334(定率は法定耐用年数6年)=167万円、定額法では500万円×0.167(法定耐用年数6年)=83万3333円となる。
一方、中古車の場合は耐用年数の求め方が変わり、新車よりも法定耐用年数が短いため、早期に費用として計上できる額が新車に比べて大きくなる。
中古車の耐用年数の計算は、新規登録から何年経過しているかだ。計算方法は、中古車の耐用年数=(法定耐用年数―経過年数)+経過年数×0.2となる。
ただし、1年未満の端数は切り捨て、例外として1年超え~2年未満の場合は 2年としている。そのため、中古車の耐用年数は最低2年ということになっている。
例えば4年落ちの普通乗用車の中古車の場合、法定耐用年数6年ー4年(経過年数)+(4年経過年数×0.2)となり、2年+0.8年=2.8年。1年未満の端数は切り捨てだから4年落ちのクルマの耐用年数は2年となる。
3年10カ月落ちのベンツを購入するのが節税対策の最適解といわれるのはなぜ?
2021年8月に登場したランクル300も視野に入ってくる?
耐用年数で中古車を購入するのであれば、普通乗用車は46カ月(3年10カ月落ち)、軽自動車は16カ月(1年4カ月落ち)が狙い目だ。
3年10カ月落ちの普通乗用車の中古車の場合、残りの耐用年数は2年11カ月だから端数ギリギリの期間となり、2年に満たない場合は一律2年になるので、3年10カ月落ちの中古車は”最短期間”で償却できることになるので、それが狙い目とした理由だ。
軽自動車の場合は16カ月経過していると計算式の結果は2.936となり、1年未満は切り捨てなので新規登録から16カ月(1年4カ月)が経過し、最短期間で償却できる中古車が狙い目となる。
耐用年数が2年の普通乗用車の場合、定率法の減価償却率は1.000となるので、購入した年度初めに購入すれば全額費用をその年度の減価償却費として計上できる。
つまり、個人事業主や法人が、購入費用を減価償却費として損金扱いとなり圧縮できる最も効率的に短期に償却できるのが3年10カ月落ちの中古車というわけだ。
気を付けなければいけないのは、事業年度最終月に中古車を購入した場合には1カ月分の経費計上となってしまい、残りの11カ月分は次年度の経費となってしまうので、事業年度初めに中古車を購入するとよい。
2年で減価償却した後は、帳簿上は1円の価値もない資産となるので、もしそのクルマにプレミアがついていた場合、売却した時に利益が出るとメリット倍増ということになる。もちろん利益が出た雑収入分の税金は支払わなければいけないが……。
よく3年10カ月落ちのベンツがいいといわれる所以はこういうことなのだ。いまではベンツの買い取り額は一概に高いとはいえないが……。
3年10カ月というと、昔の日本車ならば4年ごとにフルモデルチェンジするので型落ちとなるが、現在ではフルモデルチェンジサイクルは長くなっているので狙いやすい。
その点、輸入車のフルモデルチェンジサイクルは6~8年と長く、ランクル300(14年)やアルファード&ヴェルファイア(6年)といった超人気車も視野に入ってくるだろう。
2021年1月に登場したベンツSクラス。現行モデルであることがポイント
ではメルセデスベンツはどうか? まず3年10カ月落ちに該当する2021年式~2022年式ベンツSクラスの中古車相場を見ると、S400dが700万円前後~、S500が750万円前後~、S580が1000万円前後から。新車価格は標準ボディのS400dが1293万円、S500 4マチックAMGラインが1540万8000円だったからお買い得に思える。
現実的な路線のベンツCクラスの2021年式をみると、中古車相場ではC200アバンギャルドAMGラインが450万~500万円、C220dアバンギャルドAMGラインが430万~450万円。新車価格は654万~715万円。こちらも現行モデルだからあまり負い目を感じることはないだろう。
ちなみにローン、現金、両方でも減価償却は同じようにできるので節税として考えた場合にはローン(金利の低い場合だが)ほうが月々の支払利息が経費として計上できるので有利。またフェラーリやポルシェ911など趣味性の高いクルマは税務署に認められないケースもあるので注意したい。
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