4気筒エンジンはトライアンフの派生版
強いこだわりを持っていたスウェーデンのサーブだが、自社でエンジンを設計はしていない。初の量産モデル、92に搭載された0.8Lの2ストローク・ユニットは、ドイツのDKW譲り。後継モデルの96には、フォード製のV型4気筒エンジンが載っていた。
【画像】生粋のスウェーデン車:サーブ900 ブランド末期の9-3と9-5 同時期のボルボも 全118枚
その後の99と、進化系となる初代900に搭載されたエンジンは、本来はトライアンフ・ドロマイト用。英国のリカルド・エンジニアリング社が設計した、2.0L 4気筒だ。
ドロマイトと同様に、45度傾けられてエンジンルーム内に縦方向へ収まり、クラッチは前側。この配置のおかげで、クラッチ交換は驚くほど簡単に済ませることができた。オルタネーターは、後方のバルクヘッド側に位置している。
このエンジンは、2009年までスウェーデンの工場でライセンス生産が続いた。サーブの手で、多くの改良が加えられて。
成功を導いたターボ技術 1984年に最高潮
900の発表は、1978年のドイツ・フランクフルト・モーターショー。当初から好評で、初年度の1979年式は6万3400台が売れている。1984年に最高潮を迎え、年間8万8188台がラインオフし、ミドルクラスでBMWなどに並ぶ地位を掴み取った。
ちなみに、その祖先となる99は1984年まで生産されている。V型4気筒エンジンを積んだ96も、1980年まで提供された。
900の成功を導いたのは、高い安全性や個性的なスタイリングだけではない。99の世代から培われていた、ターボチャージャー技術が与えられ、賢明な選択肢としてのイメージが醸成されていった。
147psと24.4kg-mを発揮する2.0L 4気筒ガソリンターボは、自然吸気エンジンより最高出力が23%高く、最大トルクは45%も太かった。サーブは高度な安全性だけではなく、興奮を誘う走りも提供したといえる。
6気筒エンジンへ迫る粘り強さと滑らかさ
ただし、パワー特性は高域ではなく、中域での力強さを重視したもの。粘り強さと滑らかさは6気筒エンジンへ迫りつつ、燃費効率は悪くなく、排気ガスも充分環境へ優しかった。スポーツカー以外にもターボを普及させた、立役者といっていい。
不要なブースト圧を抜く、ウェイストゲート技術もひと足先に採用。同時期のドイツ製ターボモデルより、耐久性が確保されていた。後年にはブースト圧を調整しノッキングを防ぐ、APCシステムも導入されている。
900には自然吸気エンジンも用意され、同じ1985ccで119psを発揮するインジェクションが上位ユニット。グレードは、GLEとEMSを名乗った。その下に、シングルとツインキャブレターのGLとGLSが続いた。
ボディスタイルは、大きなテールゲートを背負った3ドアか5ドアのリフトバックでスタート。後者には、リアピラー部分にオペラウインドウが備わり、開放感が高められていた。後に、2ドアと4ドアのサルーンが加わっている。
戦闘機へ影響を受けたフロントガラス
大きくサイドへ回り込んだフロントガラスは、戦闘機のキャノピーへ影響を受けたもの。広い視界が確保されている。クラムシェル・ボンネットも特徴といえた。
1980年代に入ると小改良が続き、スチールホイールやアルミホイールの種類は12種類以上が提供されている。フロントグリルの仕上げも、数え切れないほど存在した。パワーステアリングは標準で、衝突時に力を逃がすステアリングコラムも備わった。
初期型はフラットノーズと呼ばれるフロントで、1987年式からはスラントノーズへ進化。177psの16バルブエンジンを積み、豪華装備を得た900 エアロは、1984年に追加されている。
2万5000ポンドと高額だった、187psエンジンにローダウンサスが組まれたカールソン仕様の900は珍しい。リムジンといえた、ロングホイールベースの900 CDも存在する。
この続きは、生粋のスウェーデン車:サーブ900(3)にて。
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