消えかけていた国産FRスポーツカーの火を一気に燃え上がらせたのが、2012年2月に登場したトヨタ86/スバルBRZだ。
2011年に「FT-86IIコンセプト」として参考出品された東京モーターショーでは60分という長い行列ができるほどの人気を博した。
5年振りに世界販売首位奪取!! トヨタ 世界で売れてる車 ベスト10【2020】
デビューから8年が経過しBRZは生産を終了。その一方で新型の外観デザインも公開された。搭載されるエンジンは2.4L自然吸気になるという。
ここで俄然注目されるのがお手頃価格となった中古車だ。今回は86/BRZの変遷を振り返るとともに、両モデルの狙い目グレードを検証する。
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※本稿は2021年1月のものです。流通台数の★マークは★:10台以下、★★:30台以下、★★★:50台以下、★★★★:100台以下、★★★★★:100台以上を表します。流通量、相場ともに取材時のものとなります
文/萩原文博、写真/TOYOTA、SUBARU、ベストカーWeb編集部
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号
■2012年に誕生、2016年7月のマイナーチェンジで大幅進化!
2012年2月に発表され、4月から販売開始されたトヨタ86/BRZ。2ドアノッチバックのボディに最高出力200ps、最大トルク20.9kgmを発生する2L水平対向4気筒NAエンジンを搭載。
ミッションは6速MTと6速ATを採用し、駆動方式はFRのみというピュアスポーツカーだ。
デビュー当初のグレード構成は価格の高い順に86はGTリミテッド、GT、G、RCの4グレードに対して、BRZはS、R、RAの3グレードと異なる。
86RCとBRZ RAは6速MTのみのレース用車両だが、RCはバンパーも未塗装というこだわりようだった。
2016年7月のマイナーチェンジで、86は外装のデザインを変更。エンジンや足回りも改良
デビュー当初のグレード構成が異なっているように、86/BRZは兄弟車ながら、独自の進化を遂げていく。
まず、BRZは2013年1月にRAをベースにトルセンLSDや6点式ロールゲージを採用したRAレーシングを追加。
BRZも86と同様、2016年7月に大幅なマイチェンを実施。同年10月にはブレンボ製ブレーキなど装備のGTを追加した
そして8月には、ワークスブランドのSTIが手がけたコンプリートカーの「tS」を発売する。
一方の86は2014年10月に高性能実験車両「グリフォンコンセプト」の技術をフィードバックしたコンプリートカー「14R-60」を限定100台で発売。
販売価格は630万円という超高額なモデルだ。また86は独自のエクステリアデザインを纏った「スタイルCb」を発売。そして2016年1月には86最強と言われているGRMNを限定100台で発売。販売価格は648万円だ。
86にはハイパフォーマンスなGRMNも2015年に設定され、100台限定発売された
2016年7月には86/BRZは初のマイナーチェンジを行った。内外装の変更に加えて、リアピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性の強化。そしてサスペンションなど足回りの改良を実施した。
加えて、6速MT車は吸排気系の部品を改良し、最高出力は207psと7psアップ。最大トルクは0.7kgmアップした。
その後は2017年10月にBRZはSTIが開発したパーツを装着した最上級グレードの「STIスポーツ」を設定。
一方の86は専用のボディカラーを纏った特別仕様車を次々と発売しバリエーションが豊富となっている。
2020年11月、北米で新型BRZの外観デザインが公開された。水平対向4気筒エンジンは現行型の2Lから2.4Lへと排気量アップ。おそらく正式発表は日米ともに2021年後半、発売は2022年ではないかと思われる
●トヨタ86の主な改良年月
2012年4月 発売
2014年6月 一部改良
2015年4月 一部改良
2016年7月 マイナーチェンジ
2017年10月 一部改良
2017年12月 GR追加
2018年7月 GRスポーツ追加
2019年4月 一部改良
●スバルBRZの主な改良年月
2012年4月 発売
2013年8月 一部改良
2014年4月 一部改良
2015年4月 一部改良
2016年7月 マイナーチェンジ
2017年10月 一部改良、STIスポーツ追加
2018年9月 一部改良
■中古車相場はどうなのか?
2012年にトヨタ86/スバルBRZが登場した時に、「ドリキン」こと土屋圭市氏は「86/BRZはまずお金を持っている大人が新車を買って充分に楽しんでもらって、数年後に手放して、その中古車を若者が楽しむようになってもらいたい」と話していた。
AE86ほどではないが、86/BRZも登場から8年が経過し、さまざまなアフターパーツが登場し、自分の好みに合わせたチューニングが楽しめるようになっている。
これが中古スポーツカーの楽しみ方のひとつであり、AE86のように時代を超えて多くの人に愛され続けるモデルとなる要素だと考えられる。
それでは、そのチューニングやカスタマイズカーのベースとなるトヨタ86/スバルBRZの中古車の最新事情を見てみよう。
まず、中古車の流通台数からだ。スポーツカーは売れていない! と思われがちだが、86の中古車の流通台数は約956台。
これは国産スポーツカーの現行モデルのなかでは、マツダロードスターに次ぐ多さとなっている。一方のBRZは約269台で、86の中古車の3割以下となっている。
トヨタ 86(新車時価格:303.71万~310.53万円)…中古車相場:約82万~745.2万円/「GT」中古車相場:110万~434万円・流通量:★★★★★
これだけ差が付くのは、トヨタとスバルのディーラー網の差だけでなく、スバルファンはWRX STIなどの4WD車を好む傾向があるためと言える。
続いては中古車の価格帯だが、86の価格帯は約82万~約745.2万円。一方BRZは約85.9万~約398.9万円だ。
86のほうが価格帯が幅広くなっているのは、GRMNや14R-60といった新車時価格600万円を超える超高額モデルが中古車となって、その希少性からプレミアム価格となっているからだ。
スバル BRZ(新車時価格:302.5万~308.55万円)…中古車相場:約85.9万~398.9万円/BRZ「S」中古車相場:86万~346万円・流通量:★★★★★
そして中古車の平均価格は86が約209万円、BRZが約195.5万円と高価格車が多い86のほうが約14万円高い。
中古車の価格分布を見てみると、86は100万円以下の中古車は約4台。185万~204万円が約136台、205万~224万円が約137台とメインの価格帯となっており、年式では2016年式までの前期型が中心だ。
MT車の出力が向上した後期型を狙うには約265万~約300万円が目安となる。
一方のBRZは100万円以下の中古車は1台しかなく、最も多い価格帯は170万~189万円の約52台。次いで150万~169万円の約48台で、BRZの中古車のほとんどは前期型となっている。
後期型は絶対数が少ないが、予算の目安は約250万~約270万円と86よりわずかに割安となっている。走行性能が向上した後期型を狙うのであれば、流通台数ならば86、価格の割安感を考えればBRZと言える。
■今、お薦めのモデルは?
狙い目のグレードは流通台数の多い86は「GT」、BRZは「S」を中心に探すのが気に入ったクルマを見つける近道といえる。
86に設定されている特別仕様車は中古車の流通台数が少ないので、根気よく探す必要がある。なお、86のGRMNや14R-60、BRZのtSといったコンプリートカーは高額で推移しており、なかなか値落ちが進まない状況だ。
86(左)とBRZ(右)の相場価格と流通量(取材時)
■86/BRZは新車もまだ買える!?
現行モデルは2020年12月下旬現在、86は新車もまだ販売中。GRモデルは終了しているが、カタログモデルは約3カ月の納期がかかっている。
一方、BRZはホームページで生産終了をアナウンスしており、都内販売店では在庫もすでにないとのこと
86は新車もまだ販売中! なおさら迷う!
【番外コラム】こっちも気になる!86GRMN&BRZ tSの中古はいくら?
86/BRZともにサーキットで培ったノウハウをもつワークスブランドを手がけたコンプリートモデルが存在している。
まずは2016年1月に発表された86GRMNだ。限定100台で販売され、新車時価格は648万円。パワートレーン、サスペンションそしてCFRP製のパーツを採用したモデル。
この86GRMNの中古車は約3台流通していて、価格は298万~535万円となっている。
トヨタ 86GRMN
一方の、BRZは2013年8月と2015年6月に発売されたtSだ。エアロパーツをはじめ、ブレンボ製ブレーキを装着し戦闘力をアップしたモデル。2回で800台が販売されたが、現在中古車は約20台流通していて、価格は240万~335万円となっている。
スバル BRZ ts
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