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ワゴンなのにサーキットレベルの走りを楽しめるBMW「M3 コンペティションM XDriveTouring」の矛盾に満ちた魅力

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ワゴンなのにサーキットレベルの走りを楽しめるBMW「M3 コンペティションM XDriveTouring」の矛盾に満ちた魅力

 現行の「3シリーズ」は2019年1月に6代目へと進化し、その後2022年と2024年に一部改良モデルが投入されている。「M3コンペティションM XDrive Touring」が加わったのは2023年1月。BMW M社が開発する高性能マシンのMモデルにはサーキット走行を可能にしたMハイパフォーマンスモデルと、サーキットで得られた技術を取り入れ、走行性能を高めたMパフォーマンスモデルがある。「コンペティションM XDrive Touring」は前者だ。

「コンペティションM XDrive Touring」の矛盾に満ちた魅力

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 しかし、その成り立ちは、いくつかの点でこれまでのMハイパフォーマンスモデルは異なっている。まず、ボディー形状がステーションワゴンタイプのツーリングがベースという点。これまでもワゴン車がレースに出場したケースはあるが、BMWツーリングでは前例がない。さらに高性能3眼カメラ&レーダーと高性能プロセッサーによる高い解析能力の最先端運転支援システムの「ハンズオフ機能付渋滞運転支援機能」が装備されている。



これは一定の条件下でハンドルから手を話しての走行が可能という機能。サーキットを走るレーシングモデルには、必要とは思えない装備が標準で付いているのだ。さらに2024年9月の一部改良では、アダプティブLEDヘッドライトを採用している。これもレースには直接、関係ない。コネクティビティーもApple CarPlayへの対応、スマートフォンで事前に検索した目的地をクルマに送信できたり、デジタルキーの標準装備化で、キーを持たずとも、スマートフォンでドアのロック解除/施錠、さらにエンジン始動もできるという。これもコンペティションマシンの性能に関係しているとは思えない。



 つまり、M3コンペティションツーリングは、サーキットではなく、一般公道を快適、安全に走ることができるコンペティションカーということ、と勝手に解釈をし、サーキットではなく、公道での試乗に引っぱり出した。しかし、そのスペックは恐ろしいほど強烈だ。2024年9月の一部改良時にM社は、直列6気筒3.0Lガソリンターボの出力をさらに20PS向上させ、530PSにした。駆動は後輪駆動をベースにしたインテリジェント4輪駆動システム。これに8速ATが組み合わされている。

 外観もブラックのキドニーグリル、ライトシャドウライン、赤くペイントされたブレーキは標準装備。そのブレーキは軽量化された6ポットMコンパウンドブレーキが標準で、カーボンセラミックがオプションで設定されている。試乗車を調べてみると、ゴールドキャリパーのカーボンセラミックブレーキが装着されていた。144万4000円のオプションだ。カーボンセラミックブレーキは、サーキットレベルでは頼もしいのだが、それほどブレーキを使用しない街中では、ディスクが冷えてしまうので、低速では足に力をこめないと停止しない。高速でも初期制動は甘めなのだ。結局、今回の試乗中でカーボンセラミックブレーキが本領発揮することはなかった。

 同じように使いこなせなかったのが、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)オフ時に選択可能な「4WDモード」「4WDスポーツモード」「2WDモード」だ。「4WDモード」はバランスのよいコントロールとトラクションが得られ、「4WDスポーツモード」ではリニアなハンドル特性と力強いトラクションが体感できる。「2WDモード」では挙動を制御するシステムの介入を断ち、操る楽しみが味わえるという。



赤いMスイッチを押した瞬間、世界が変わる

 しかし、20PSアップし、530PS、650Nm、車両本体価格1480万円+376万円ものオプションを装着しているセミレーシングを、公道で試す勇気も貯金も持ち合わせていなかった。それでもハンドルスポーク左右に備え付けられた赤いMスイッチは楽しく使い分けることができた。このスイッチは、エンジン/シャーシ/ステアリング/ブレーキ/Mドライブの各項目をコンフォート/スポーツ/スポーツ+モードにセットすることができる。

 走りながら、赤いスイッチを押すと、すべての項目が同時に切り変わり、走りを換えられるのだ。このモードを操作しながら公道を走るだけでも「M3コンペティション Touring」を楽しむことはできる。それでも動力性能は0→100km/h加速がDレンジで4秒台。直列6気筒DOHC、ガソリンターボエンジンは、レッドゾーン入口の7000回転まで、きれいに吹け上がり、加速していく体験は小気味よい。マニュアルモードで5000回転まで引っぱれば、1速45、2速65、3速で100km/hに達する。この領域だけを使っても、痛快なドライビングが楽しめる。

 腕試しをしたくなったら、サーキット走行を秘かに楽しむのもよいかもしれない。そのときは、リアシートを倒し、広くなった荷室にレーシングタイヤを積みこむことができるツーリングが役に立つ。本格的なサーキット走行でもこのスペシャルワゴンはM3セダンと同じパフォーマンスを体験させてくれるはず。M3ツーリングは世界で最速のタイヤキャリアカーだ。



■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/bmw-3-series-m-models/bmw-m3-touring.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

文:@DIME

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