現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル試乗】アウディの精緻な世界観を見事に体現。エンジンが可能にした「Q5 TDIクワトロ」の圧倒的な完成度

ここから本文です

【最新モデル試乗】アウディの精緻な世界観を見事に体現。エンジンが可能にした「Q5 TDIクワトロ」の圧倒的な完成度

掲載 2
【最新モデル試乗】アウディの精緻な世界観を見事に体現。エンジンが可能にした「Q5 TDIクワトロ」の圧倒的な完成度

BEVシフトの中でも磨かれた実力

 ジャーマンプレミアム・ビッグ3のフル電動化路線は、それぞれ独自のアプローチであったものの、積極性という点でほとんど同じベクトルを向いていた。そりゃそうだ。それがEU政府の「お眼鏡」に適う「取り組み姿勢」であったからだ。

アウディの新世代プレミアムミッドサイズSUV「Q5」シリーズが日本デビュー

 もっともアウディの電動化姿勢は、その端緒となったディーゼルゲートの当事者のひとりだったこともあり、頭ひとつ抜けて強かったように見える。kWパワーのサブネームやBEV偶数/エンジン奇数、といったネーミング手法の採用と、結果の混乱はそのあからさまな証拠だろう。

 これでアウディ製BEVの完成度が「ほどほど」だったというのであれば、こちらとしてもシンプルに批判を繰り広げればいいだけ、だった。だがこれがまたよくできていたからややこしい。

 アウディは「技術による先進」をスローガンに強い意志で電動化を推し進めてきたのだから、その完成度が高くなっていたのは、ある意味当然だ。ひと言で表現すれば、アウディのBEVに乗れば電動モデルの最新事情がよくわかる、であった。

 そんななか、ドル箱モデルというべきエンジン車、ミッドサイズSUVのQ5が3代目へとフルモデルチェンジを果たした。BEVと比べると地味めのデビューだったが、重要なモデルであるという位置付けに変わりはない。むしろ電動アレルギーのある日本の市場と、昨今の世界的なBEVに対する逆風を考慮に入れたなら、その重要度はさらに高い。
 そんな思いを抱きながら新型Q5の主力であるMHEVプラスのディーゼルターボ搭載グレード、TDIクワトロに乗ってみた。

 第一印象は「あれ、これって新型?」というものだった。もちろんマスクデザインは違うし、ボディサイドも抑揚重視のシンプルデザインになって、違うことは一目瞭然である。

 だけれども、かもし出すオーラは新しいものではない。サイズ感も、従来モデルと変わらない(この点はうれしい)。SUVの見た目の個性を決定するサイドウィンドウのグラフィックも旧型とよく似ている。新採用のリアウィンドウのプロジェクションライトは新たな流行となるだろうか……。

 一方でインテリアは電動モデルとも通じる最新テイストだ。ただし運転支援系の操作はまだ旧態然としたレバー方式。使い勝手はともかく、全面刷新という印象は薄い。「プラットフォームも古いんだっけ?」と勘繰ってしまった。

 ベースとなっているのはエンジン車専用の新たなプラットフォーム「PPC」で、コンセプトそのものは先代用「MLBエボ」の発展系と捉えていい。

新型は「アウディらしい走り」を一段と鮮明化。すべての完成度が高い

 TDIは48VマイルドHV。「MHEVプラス」という名称のとおり、そのパワーフィールはエンジンの存在が強いながらもストロングハイブリッドによく似ている。2リッターのBSGディーゼルターボ(204ps/400Nm)にパワートレーンジェネレーター(PTG)と呼ぶ230Nmの電動駆動ユニットを文字どおり「加えた」。それゆえEVのように走り出したかと思えば、ドライバーが積極的に走らせようと思った時点でエンジンが主力になる。そして、そこまでの過程がとても滑らかだ。ターボディーゼルの欠点を見事に補っている。もちろん力強い。24psの電気モーターを上手く使い切っているのだ。

 複雑な機構に頼らずとも充実した走りと環境性能とを両立するという点で、ひとつの完成されたハイブリッドパワートレーンである。おそらくアウディは「これで内燃機関系は最後になるかもしれない」というつもりで開発した。結果的にはこのMHEVプラスパワートレーンが近々のアウディラインアップにおける世界的な主役になると思われる。

 なぜならこのパワートレーンを源泉に「素晴らしくアウディ」な走りを実現していたからだ。長らくアウディ特有のドライブテイストだった「筋のきっちり通った軽快な動き」は、もはやフル電動モデルでは表現できないものだった。しかし3代目Q5ではそれを磨きに磨き抜いた、という印象がある。走り出した瞬間に、「そうそう、これがアウディだよね!」とひざを打つ。

 試乗コースは市街地と山岳路、そして短いながらも高速道路だった。それなりに舗装の荒れた路面も多かったが、そんなことなど先刻承知とばかりリズムを崩すことなく走り抜く。アシの懐が深く、それでいて動きは軽やかさを保つというあたり、アウディらしい走りの真骨頂だろう。高速道路の継ぎ目や微妙なアンジュレーションにもびくともしない。実に体幹の強いクルマだ。

 体幹の強さはハンドリングにも現れる。ワインディングロードでは視点の高さと相まって実に安心感の高いトレーサビリティを見せた。しかもコーナリング中は外的な変化を見事にいなしながら、その姿勢をキープする。ドライバーにとってこれほど安心できるドライバビリティはない。

 試乗車両は標準仕様のサスペンション(コイルバネ+パッシブダンパー)だった。もちろんこれでも十分、なのだが、個人的にはもう少し「きめ細やかさ」がほしいところ。おそらくオプションのアダプティブエアサスペンション仕様(op35万円)がそれを叶えてくれるだろう、と想像している。

文:カー・アンド・ドライバー 西川淳
【キャンペーン】毎日機械洗車が50%オフ!お得に愛車をピカピカに(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

【車中泊旅行におススメ! RVパーク最新情報】なおえつ海水浴場までは徒歩約3分という好立地。マリンレジャーの拠点として最適なRVパーク『新潟県上越市/RV-PARK テラ・ロウリュ なおえつ海水浴場』
【車中泊旅行におススメ! RVパーク最新情報】なおえつ海水浴場までは徒歩約3分という好立地。マリンレジャーの拠点として最適なRVパーク『新潟県上越市/RV-PARK テラ・ロウリュ なおえつ海水浴場』
月刊自家用車WEB
鈴鹿サーキット、F1日本グランプリでのドライバー応援のぼりのチャリティ抽選販売売上を日本赤十字社に寄付
鈴鹿サーキット、F1日本グランプリでのドライバー応援のぼりのチャリティ抽選販売売上を日本赤十字社に寄付
AUTOSPORT web
難敵は「カレーうどん」!?海上自衛隊“白い夏制服”が抱えた宿命 2020年にベージュ制服が誕生しても白を着る人が多い理由とは
難敵は「カレーうどん」!?海上自衛隊“白い夏制服”が抱えた宿命 2020年にベージュ制服が誕生しても白を着る人が多い理由とは
乗りものニュース
第46話 事故後初の超短距離ツーリング 【連載マンガ】初心者バイク女子の「全治一年」から始める起死回生日記
第46話 事故後初の超短距離ツーリング 【連載マンガ】初心者バイク女子の「全治一年」から始める起死回生日記
モーサイ
ファビオ・クアルタラロがホンダへ移籍。HRCと2027年からの2年契約を締結
ファビオ・クアルタラロがホンダへ移籍。HRCと2027年からの2年契約を締結
AUTOSPORT web
最新のZに竹やりマフラーとチンスポ?日産「フェアレディZ」を昭和の旧車風にする衝撃
最新のZに竹やりマフラーとチンスポ?日産「フェアレディZ」を昭和の旧車風にする衝撃
Auto Messe Web
「うっかり違反」への対策はこれで万全!?  新型取締機に対応したセルスターの最新レーダーが新発売!
「うっかり違反」への対策はこれで万全!?  新型取締機に対応したセルスターの最新レーダーが新発売!
ベストカーWeb
アストンマーティンのアップデート版パッケージがハンガリーでいよいよ登場。ホンダF1折原GM「FP1はより重要なセッションとなる」
アストンマーティンのアップデート版パッケージがハンガリーでいよいよ登場。ホンダF1折原GM「FP1はより重要なセッションとなる」
motorsport.com 日本版
【最高峰インカムが当たる】デイトナ「RESO」の日本語ボイスコマンド開発に協力して『RESO Pilot PRO』をGETしよう!
【最高峰インカムが当たる】デイトナ「RESO」の日本語ボイスコマンド開発に協力して『RESO Pilot PRO』をGETしよう!
WEBヤングマシン
オーバーテイクを許したTEAM MUGENの2台。野尻、岩佐陣営の課題とライバルとの差/第7戦決勝
オーバーテイクを許したTEAM MUGENの2台。野尻、岩佐陣営の課題とライバルとの差/第7戦決勝
AUTOSPORT web
カーボンボンネットでクルマはどう変わる? 軽量化だけではないメリットと落とし穴~カスタムHOW TO~
カーボンボンネットでクルマはどう変わる? 軽量化だけではないメリットと落とし穴~カスタムHOW TO~
レスポンス
アストンマーティンが軍用車を手がけた!? と思ったらゲームのなかのクルマ! ただし夢物語とは言い切れない本気すぎる中身だった
アストンマーティンが軍用車を手がけた!? と思ったらゲームのなかのクルマ! ただし夢物語とは言い切れない本気すぎる中身だった
WEB CARTOP
納車初日にワイパーから火! 夜の山道で電装系全落ち! それでも好きと言い切れるトラブルだらけの「マセラティ・ビトゥルボ」の魔力を元オーナーが語る
納車初日にワイパーから火! 夜の山道で電装系全落ち! それでも好きと言い切れるトラブルだらけの「マセラティ・ビトゥルボ」の魔力を元オーナーが語る
WEB CARTOP
ミツビシのコンパクトSUV『エクスフォース』にHEVモデルが登場。インドネシアで生産・販売開始
ミツビシのコンパクトSUV『エクスフォース』にHEVモデルが登場。インドネシアで生産・販売開始
AUTOSPORT web
V12グランドツアラーの完成形 フェラーリ12チリンドリ・スパイダー(2) 角を丸めた性格が生む総合力 予想超えの敏捷性
V12グランドツアラーの完成形 フェラーリ12チリンドリ・スパイダー(2) 角を丸めた性格が生む総合力 予想超えの敏捷性
AUTOCAR JAPAN
名古屋の大動脈国道「通行止め」解除へ 2週間続いた渋滞 上り線も高架橋OKに
名古屋の大動脈国道「通行止め」解除へ 2週間続いた渋滞 上り線も高架橋OKに
乗りものニュース
全長・全高・全幅にホイールベースをみればクルマのポテンシャルがわかるって本当? レーシングドライバーが語る現代スポーツカーのディメンション論
全長・全高・全幅にホイールベースをみればクルマのポテンシャルがわかるって本当? レーシングドライバーが語る現代スポーツカーのディメンション論
WEB CARTOP
クラシカルな趣を深く堪能 フェラーリ12チリンドリ・スパイダー(1) 「スピードにフィットする」リトラクタブル・ハードトップ
クラシカルな趣を深く堪能 フェラーリ12チリンドリ・スパイダー(1) 「スピードにフィットする」リトラクタブル・ハードトップ
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

2件
  • カバの怪物みたいな顔面。
  • ucx********
    大したスペックでもないのにこんなに馬鹿デカいグリル(に見えるデコレーション)のついたいかにも熱効率が悪そうなデザイン。大袈裟で古臭くてアウディのクールなイメージに合わない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

760 . 0万円 919 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

43 . 0万円 772 . 1万円

中古車を検索
アウディ Q5の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

760 . 0万円 919 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

43 . 0万円 772 . 1万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村