この記事をまとめると
■新型CX-5にディーゼル設定がないことが判明し現オーナーが乗り換え先を模索している
8年間に渡ってマツダの屋台骨を支えたコンパクトSUVが全面刷新! 新型CX-5は待望のストロングハイブリッド「SKYACTIV-Z」 を携えて日本上陸予定【ジャパンモビリティショー2025】
■乗り換え先候補はラージ商品群へのベースアップかFFベースのダウンサイジングが有力
■マツダは現行型CX-5の最終モデルにも「XDドライブエディション」を用意する
CX-5のディーゼル難民どうする問題にマツダが徹底回答
この春にいよいよフルモデルチェンジ版が登場するCX-5。次世代モデルのパワートレインの選択肢にはディーゼルの設定がないこともアナウンスされている。そこで、中古市場でもCX-5のスカイアクティブD 2.2リッター搭載車が人気車種となって、値落ちも抑えられ下取りも期待できるぶん、現オーナーからはうれしい悲鳴とも恨み節ともつかない声が上がっている。いわく、「次に乗り換える車種がないじゃないか?」というものだ。
いや待て、確かに現行CX-5は生産終了となるが、マツダのクリーンディーゼルそのものが終わるわけではない。それに現行CX-5が登場したころとマツダのラインアップロジックはかなり変化している。クリーンディーゼルで理想的な高効率を発揮するには大排気量、すなわちストレート6の3.3リッターと、FRベースのラージ商品群が担うという方向性だ。
一方で、マツダ3とCX-30を皮切りに用いられだしたスモールプラットフォームことFF系のプラットフォームは、第7世代と呼ばれる最新鋭のもの。現行CX-5は第6世代プラットフォームに基づくが、次期フルモデルチェンジ版は第7世代をもとに電子アーキテクチャごとエボったプラットフォームであろうと予想されている。
つまり、クリーンディーゼルをまだまだ楽しみたいのであれば、確かにサイズ的にも手頃でオールマイティなCX-5から、より高級感を求めてラージ商品群へ行くか、あるいはグランドツアラー志向は諦めずに、より引き締め方向で小まわりも利くFFベースの選択肢もあるんじゃないか、というわけだ。
かくしてマツダの現行ラインアップ中の5車種に、クリーンディーゼル搭載の追加グレードとして昨秋から現れた最新モデルが、「XD ドライブエディション」だ。
横浜にあるマツダの研究所で行われたプチ試乗会で、まずは「CX-60 XDドライブエディション」に乗り込んでみた。これまではPHEVやディーゼル+48V MHEV仕様でしか選べなかったナッパレザー内装と、ドアミラーやグリル、ガーニッシュ、ホイールが黒で統一された点が特徴だ。4740mmという全長は現行CX-5より16.5cm長いが、握り拳ふたつぶんが正味として長くなっている程度なので、実質的に駐車場サイズ以外で取りまわしに困ることはない。
むしろ異なるのは、2870mmとCX-5より17cmも伸びたホイールベースゆえの動きの鷹揚さ、そして500Nmのトルクから繰り出される、直6ならではのスムースなエンジンフィールだろう。
4WD仕様で1.9トン近い車重もあって、確かに貫禄は感じさせる。でもセンターコンソールまわりもキチンと柔らかい素材で覆われ、静的質感の点でもFFベースの商品群とは確かに差別化されている。実際、メルセデス・ベンツも直6回帰を始めたいま、マツダのラージ商品群+直6クリーンディーゼルは強弁どころか理にかなった先駆であることが証明され始めている。
発売当初、ネガティブな話題だったリヤの乗り心地も、ずいぶんと改善された。低速域でのピックアップや中間加速のレスポンスは48V MHEVに譲るところがあるだろうが、多気筒エンジンならではの余裕あるパワー感を、ディーゼルならではのビッグトルクで統べる快感は、ラージ商品群のなかでも基本のキ、CX-60ならではといえる。
マツダ3も乗り換え先としては有力候補となる
続いて乗ったのは「マツダ3ファストバックXDドライブエディション」。ショルダーラインからCピラーにかけての美しい面処理は、相変わらずマツダ3の個性であり、ドイツ勢が得意としていた凝ったプレス&キャラクターラインに引導を渡したとは思う。
プラチナクォーツメタリックの外装色は、そうした優美な面処理を際立たせる。ホイールやドアミラー、シグネチャーウィングまわりも、従来のブラックセレクションが廃された代わりにこちらで装着されている。地味ハデで締まった外観といえる。
CX-5から乗り換えると、「さすがに実用ボリューム面で厳しいんじゃないの?」という声もあろう。マツダ3のトランク容量は334リットルで、505リットルを誇るCX-5からしたら確かに3割強も減る感覚。でもホイールベースは2725mmとわずか25mmとはいえCX-5より長く、後席の足もとスペースや座り心地ではまったく引けをとらない。当然、前面投影面積はハッチバック/ファストバックである分だけ小さいし、1.8リッターディーゼルの車格に対して必要以上に十分なトルク&パワーも手伝い、高速巡航は風切り音の少なさから燃費まで、優位ですらある。
つまり、デイキャンプ程度の荷物で、後席に人を乗せることも多い、ロングツーリングをいっぱいこなす人なら、全然アリという選択肢なのだ。
しかもXDドライブエディションには、外装装備に加えてディープレッドのナッパレザー内装が設定されるなど、ラグジュアリー感が増されている。加えて10.25インチのモニターディスプレイでアップルカープレイにもアンドロイドオートにも対応、かつタッチパネル機能が追加されるなど、マツダコネクトの操作性が向上している。乗り方として、高速ツアラー性を求めるなら、マツダ3のFF仕様は前向きな乗り換え候補となるはずだ。
このほか、CX-80やマツダ3セダンにも、おおむね同じロジックの装備仕様が追加されたXDドライブエディションは登場しているので、オールマイティなCX-5から、「さらに自分が求めるものは何か?」と考えてみるのも一興だ。
それでも軽快なピックアップやハンドリング、適度に鷹揚な乗り心地から日常性の高さまで、CX-5の丁度よさは余‘車’をもって代えがたい、そんな心の声は抑えきれないかもしれない。いざ乗ってみるとその完成度の高さに確かに説得されてしまう、黄金の中庸ともいうべきバランス感がある。ならば最終モデルに乗り換えるのも妙手だ。
CX-5にも新たに登場した「XDドライブエディション」は、ピアノブラック仕立てのドアミラーと縦基調のフロントグリルで、シグネチャーグリルもブラッククローム。さらに足元には19インチのブラックメタリック塗装によるホイールを採用と、引き締まった外観でありながら、それでもなお車両価格は395万6700円と、目いっぱい感謝仕様のお得さを漂わせる。
悩むならいま、決めるのもいま。そんな春がやって来そうだ。
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