ほぼ同じ予算で選べたP5 BとXJ6 Mk1
1970年代の映画「悪魔の虚像」では、俳優のロジャー・ムーア氏がローバーP5 Bを運転している。物語には、宿敵が乗るランボルギーニ・イスレロも登場するが、ジャガーXJ6 シリーズ1でも画になっただろう。
【画像】混乱期に誕生した最高峰 ジャガーXJ6 S1とローバーP5 B 同時期の英国車 イスレロも 全122枚
P5 Mk1とXJ6の登場は、10年しか離れていない。しかし、英国の自動車業界へ到来した大変化が現れていた。保守的だった1950年代が終わると、先進性が好まれる1960年代へ突入していった。
ローバーもこの変化には気付いていたはずだが、3.0L直列6気筒から3.5L V型8気筒エンジンへ置換し、1958年発売のP5 Mk1は、P5 B 3.5リッターとして第二の人生を歩むことになった。ビュイック由来のV8エンジンを積んだ、初の英国車として。
新鮮味は薄れていたが、XJ6 シリーズ1の唯一の英国製ライバルになり得た。新エンジンは、その重要な役目を負っていた。当時の中間管理職へ就いていた人物に、ローバーの魅力は届いていたのだろうか。1972年式の2台を揃えて、振り返ってみよう。
今回用意したP5 B 3.5リッターは、上級仕様だった4ドアクーペ。3速ATが組まれ、当時の価格は2853ポンドだった。XJ6は2.8Lの直列6気筒エンジンを積み、オーバードライブ付きの4速MTが組み合わされ、2832ポンド。ほぼ同じ予算で選べた。
ビュイックから権利を購入したアルミ製V8
P5のスチール製エンジンを置換する計画は、発売直後から検討されていた。アメリカ・ウィスコンシン州のGM系列工場を訪れた、ローバーの社長だったウィリアム・マーティン・ハースト氏は、とあるV8ユニットへ注目していた。
それは、ビュイック215と呼ばれたアルミニウム製の3.5L。1960年から3年間、ビュイックとオールズモビルの量産車へ登用されたが、スチール製エンジンへ変更され、行き場を失っていた。
この可能性を見出したローバーは、権利を購入。金型が運ばれ、1965年からグレートブリテン島中部のソリフルで量産し、P5 Bへ搭載することが決定した。
135psを発揮した直6エンジンへ、滑らかさでは及ばなくても、91kgも軽かった。エンジンルームには大きな加工なしで収まり、ボルグワーナー社製の3速ATが組まれた。
レブリミットを4400rpmから5200rpmへ引き上げるため、吸排気系を改良。ツインUSキャブレターが与えられ、最高出力は153psへ向上し、最大トルクは27.7kg-mで5.7kg-mも太くなった。
0-100km/h加速は5.0秒以上短縮され、10.7秒に。最高速度は160km/hから180km/hへ上昇した。
落ち着いたスタイリングはデビッド・ベイチュ
V8のP5 B 3.5リッターが発表されたのは、1967年のロンドン・モーターショー。ロスタイル・ホイールとドライビングライトで飾られていたが、デビッド・ベイチュ氏が描いた、落ち着いたスタイリングはそのまま。見た目は、従来のP5と変わりなかった。
1962年に追加された、4ドアクーペも引き続いて提供された。ローバーの社内では、ハードトップ・スポーツサルーンと呼ばれていたらしい。
フロントとリアのガラスは、通常のサルーンより倒され、全高は64mmも低かった。ピラーレスドアが想定されていたようだが、剛性の低下が判明し、残されている。
サスペンションは、前がダブルウイッシュボーンにトーションビームで、後ろはリジッドアクスルにリーフスプリングという構成。パワーステアリングが標準装備され、P5シリーズとして最後の輝きを放っていた。
ジャガー新時代の幕開けを告げたサルーン
他方、XJ6 シリーズ1はジャガーにとって新時代の幕開けを告げたようなモデル。プロジェクトXJ4として開発は1964年に始まり、1968年に発売されている。4ドアのEタイプのような、スポーツサルーンとして構想は進められた。
革新的な部分はなかったかもしれないが、既存の技術は大幅に磨き込まれていた。モダンな見た目のボディは、衝突安全性にも配慮。主要市場だったアメリカの安全基準をクリアし、レースを戦える潜在能力も秘めていた。
エンジンは、既に20年モノとなっていた直列6気筒のXKユニット。排気量は2種類あり、2.8Lでは182psを発揮。4.2Lでは248psが主張された。トランスミッションは、オーバードライブ付きの4速マニュアルか、3速オートマティックから選べた。
XKユニットは、軽くないスチール製。確かに設計は古かったが、DOHCヘッドを載せ、技術的には高い水準にあった。
この続きは、ジャガーXJ6 S1とローバーP5 B(2)にて。
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