現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 燃料計が動いて見えるほど大ガス喰い……でも楽しすぎる走り屋泣かせの国産スポーツ車5選

ここから本文です

燃料計が動いて見えるほど大ガス喰い……でも楽しすぎる走り屋泣かせの国産スポーツ車5選

掲載 更新
燃料計が動いて見えるほど大ガス喰い……でも楽しすぎる走り屋泣かせの国産スポーツ車5選

 燃費よりも走りを重視した潔いモデルが登場

 クルマのエンジンというのは、早い話、吸入空気量が多ければ多いほどパワーが出る。大排気量車やターボ車がパワフルなのも、その理屈があるため。吸入空気量が多いということは、それに見合ったガソリンが必要になるので、ハイパワーと燃費は通常トレードオフの関係がある。

レーシングドライバーでも操れない! 運転が難しすぎる市販車3選

 猫も杓子も、エコ、エコと燃費を気にする今と違って、ひと昔前のハイパワー車が好きな走り屋たちは、「パワーがあれば燃費上等」、「ハイパワー車に乗っているヤツが、燃費を気にしていたら男が廃る」と豪語するツワモノたちがけっこういた(半分、やせ我慢も入っていたが)。

 そんな時代の、燃料計の動きが目視で確認できるほど(!?)、大ガス喰いの国産スポーツを何台か振り返ってみよう。

 1)マツダRX-7(FD3S型)

 燃費が悪いスポーツカーとして真っ先に頭に浮かぶのは、RX-7(FD3S)。FD3Sの実燃費は4~6km/Lというレベルだ。

 燃費が悪いのは、ロータリーエンジンの宿命といっていい。というのも、混合気に着火をすると、火炎は着火点を中心に球状に広がろうとする。したがって、燃焼室は球体に近ければ近いほど燃焼効率がいい(レシプロエンジンのペントルーフ型)。

 しかし、ロータリーエンジンの燃焼室は、平べったく縦長で、燃焼室の隅の方まで火が行きわたりにくい。そこで点火プラグを2本にしてなるべく燃焼を良くしようとしているが、混合気を完全に燃やすのは難しい……。そのため、どうしても燃費は犠牲になっている。

 マツダにもう一台、恐怖のリッター3km/L台(実燃費)のユーノス・コスモ(3ローター+ターボの20Bエンジン)もあるが、あれはスポーツカーとは言い難いので、ランク外扱いに。余談だが、NA(自然吸気)のロータリーを積んだRX-8も実燃費は7km/L前後だった。

 2)スバル・インプレッサWRX STI、WRX STI

 2リッターターボのハイパワー4WDで一時代を築いたインプレッサWRX STI、WRX STIも燃費をウィークポイントとするクルマ。

 インプレッサWRX STI、WRX STIの心臓部、EJ20型エンジンはボア(内径)92.0mm、ストローク(行程)75.0mm、ボアストローク比0.81の、典型的なショートストローク型=高回転型エンジンなので、基本的には回してナンボ。つまり燃費は期待できないというわけで、実燃費は8km/Lぐらい。

 3)日産スカイラインGT-R(R32型・R33型・R34型)

 第二世代GT-Rの象徴ともいえる、RB26DETTエンジン。このエンジンで考えられていたのは、パワーと耐久性で、燃費は二の次、三の次。

 ボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)73.7mm、ボアストローク比0.86のショートストロークの高回転型エンジン。レッドゾーンは8000rpmで、全開まで回すと、1本444cc/minのインジェクター×6本が、勢いよくガソリンを噴射するので、燃費なんていいわけがない。街中の実燃費は、じつに5~6km/Lといったところ。

 ターボ車の場合、ノッキングを防ぐために、わざと混合気が濃くなるように多目のガソリンを噴射して、ガソリンが気化する際の潜熱(気化潜熱)で燃焼室を冷やす、いわゆる“ガソリン冷却”も利用していたので、高負荷・高回転になればなるほど、燃費が悪化するのは避けられなかった。

 意外なライトウエイトオープンカーも悪燃費

 4)トヨタ・スープラ(A80型)

 次期スープラ=GRスープラが発表されて話題になっているスープラ。3リッターツインターボの2JZエンジンは、GT-RのRB26より排気量は400ccも大きいが、その分(?)レッドゾーンが1000回転低いので、GT-Rよりは燃費が良かった。それでも実燃費は8km/Lちょっと……。

 ちなみに2JZエンジンは、ボア(内径)86.0mm、ストローク(行程)86.0mm、ボアストローク比1.00、つまりボアとストロークが一緒のスクエア型エンジン。

 ショートストロークの高回転型と、ロングストロークのトルク型の両方の性格をいいとこどりした(?)、トヨタらしいエンジンだった(同じトヨタの3S-Gもスクエア型エンジン)。

 5)マツダ・ロードスター

 意外に思うかもしれないが、日本が世界に誇るライトウエイトオープンカー、ロードスターも燃費はイマイチ。とくに初代のNAとNBは、普段乗りで、ギリギリ10km/Lに届かないパターン。

 NAとNBには、1600ccのB6エンジンと、1800ccのBPエンジンが積まれていたが、いずれもDOHCのスポーツエンジンとしては非力な部類。

 初代のNA6型でいえば、車重は940kgと軽く、軽快な走りに魅了されたわけだが、エンジン自体はファミリアからの流用で、120馬力……。つまりリッター75馬力。

 NA同じ平成元年に登場した、ホンダのシビックSiR(EF)は、VTEC付きのB16A型で、1600ccでリッター100馬力=160馬力を達成。燃費もロードスターより断然よかったし、少し古いトヨタのAE86(レビン・トレノ、エンジンは1600ccの4A-G)だって、10km/Lはクリアしていた。

 ちなみに、B6型エンジンはボア(内径)78.0mm、ストローク(行程)83.6mm、ボアストローク比1.07のロングストロークのトルク型エンジン。こうしたスペックで、パワーも燃費ももうひとつということは、燃焼効率とフリクションロスに難があったということになる……。

 番外編

 インプレッサのライバルだった、ランエボの4G63型エンジンは、スバルのEJ20と好対照。4G63のボア(内径)は85.0mm、ストロークは(行程)88.0mmだったので、ボアストローク比1.03のロングストローク型=トルク型のエンジンになる。燃費もちょっと有利で、9~10km/Lぐらいは走ってくれた。

 燃費が悪いクルマといえば、アメ車というイメージがあるが、アメ車のスポーツカーの燃費がどれくらいかというと、ダッジ・バイパー(7.9リットルV型10気筒OHV 450馬力)で4~6km/L。また、アメリカンマッスルといえば、やっぱりV8エンジンだが、フォード・マスタングGT 5.0 V8でも、6~7km/Lも走り、イメージに反して、いまのアメ車の燃費はけっこう悪くない。

 その代わり(?)、あの名車、ACコブラは、2km/L以下だったりする。

 そして米国EPA(環境保護局)の「燃費ガイド」で、市街地3.4km/L、高速5.53km/Lと紹介され、4年連続ワースト1位(2007~2010年)になったのは、ランボルギーニ・ムルシエラゴというのも有名な話だ。

こんな記事も読まれています

韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
AUTOCAR JAPAN
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い  1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い 1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
乗りものニュース
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
AUTOSPORT web
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
くるまのニュース
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
WEB CARTOP
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
AUTOSPORT web
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
くるまのニュース
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村