低μ路の雪上走行で各社4WDが発揮する豊かな個性を確認
SUVとひとくくりにしても最近はそれぞれのモデルの個性が強くなっている気がする。たとえばそれは見た目からしてそうで、スタンダードなSUVのカタチをベースにしたクーペスタイルもあれば、ステーションワゴンの背を高くしたクロスオーバー的なのもある。また、プリミティブなモデルは健在。メルセデス・ベンツGクラスやジープ・ラングラーがその象徴だが、ランクル・ファミリーやスズキ・ジムニーがこのところ注目を集めている。ジムニーノマドの注文停止には驚いた。アウトドアブームは下火になったとはいえ、まだまだこの手のモデルをほしがる人は多いようだ。
【九島辰也のカーガイ探訪記】ジープ・ワゴニアが好きな理由(2024年11月号)
それじゃ個性はカタチだけかといえばそうではない。実は走りにその傾向が見える気がする。このところ連続してスバルや三菱のSUVラインアップを雪上で走らせてそう感じた。SUVがマーケットに蔓延した今、各ブランドは走りでその個性をアピールしはじめた。
印象的だったのは雪上での制御方法とその加減。低ミュー路で走らせる機会の多いSUVだけに、そこに注力するのは必然なのかもしれない。重いボディをどうコントロールし、最終的にどう止めるのかというものだ。そしてそこに安全性を担保しながらクルマ好きにも納得してもらうだけの「技」を持ち込まなくてはならない。そうでなければ、単純にパートタイム4WDのような方式をとってアクセルを絞るだけの話になってしまうだろう。
では両者がどのように制御しているのかだが、スバルはXモードでそれを行う。彼ら独自のシンメトリカルAWDをベースにモードで制御を変える手法だ。ノーマルを基本にスノー/ダート、ディープスノー/マッドが用意されている。圧雪路を走るにはスノーで十分、細い道で路肩に積み上げた雪が倒れているような状況ではディープスノーが最適になる。タイヤの空転を予測したトルク配分とブレーキとの統合制御が、必要なタイヤに必要な分のトラクションをかけてくれる。 三菱はアウトランダーPHEVとトライトンを雪上で走らせたが、それぞれが異なる方式の4WDを採用する。ツインモーターAWDを使ったS-AWCと、センターデフを有するフルタイム4WDを基本とする制御システムだ。
アウトランダーPHEVは7種類のドライブモードを備えている。セレクターはダイヤル式で、切り替えはセンターコンソールにレイアウトされたそのダイヤルを回すだけ。今回はノーマルとスノー、それとグラベルで雪上コースを走ってみた。グラベルは整備されていない道を意味するダート向けの呼称。ターマックと合わせラリー競技で使うワードだ。かつてパリダカで活躍した三菱ならではのネーミングといえる。
面白いのは、グラベルモードの雪上での走り。スノーよりも制御が遅れるのを利用して雪道をスポーティに走れる。具体的にはコーナー入り口で早めにステアリングを切って鼻先をインに向けアクセルを踏み込んでいく。するとリアがいい感じに滑り出し、ドリフトぎみにコーナーを駆けることができる。「なにこの楽しさ」って感じだ。アウトランダーのイメージとはかけ離れた運動性能である。 これって前述した「技」のひとつだろうが、いってしまえば「裏技」に思える。いやはやこんなにスポーティとは知らなかった。
なんて発見があった雪上試乗。低ミュー路での安全性と、そこに隠された遊び心を感じた。なるほど、これも個性である。
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みんなのコメント
ちゃんとグリップしている、停まれる、そう確信できる速度から上げるにつれてジワジワと怪しくなっていって最終的にコントロール不能になるまで連続的に手応えが変化してくれないと、今いったいどのくらいの余裕があるのか、それが自分にとって安全なのか危険なのか、が判断できない。判断できないから怖い。
あえて滑らせて判断する、なんてこと普通の公道ではできないしね。
なんでもかんでも舗装路みたいに走れれば良いってもんじゃないと思うよ。