■軽自動車「スバル360“復刻版”」に反響殺到!
日本のモータリゼーション黎明期において、国民車構想を具現化し「てんとう虫」の愛称で親しまれた「スバル360」は、間違いなく自動車史に輝く金字塔です。
【画像】超カッコいい! これが「スバル360“復刻版”」です!(11枚)
そのDNAを色濃く受け継ぎ、世紀末の1997年に開催された「第32回 東京モーターショー」においてスバルが提案した一台のコンセプトカーが、今なお熱い視線を集めています。
そのモデルの名は「エルテン」。
5ドアハッチバックの軽自動車として提案されたこのモデルは、単なる懐古趣味のリバイバル車ではありませんでした。
丸目のヘッドライトやクラシカルな曲線美といったエクステリアは、確かに偉大なる先祖であるスバル360を彷彿とさせますが、その内側には当時のスバルが持てる技術の粋を集めた、極めて先進的なハイブリッド機構が搭載されていたのです。
エルテンのパワーユニットは、フロントに搭載された最高出力46馬力の660cc直列4気筒エンジンに加え、プロペラシャフトの途中に41馬力のモーターを配置するという独創的なレイアウトを採用していました。
さらに驚くべきは、コンデンサーバッテリーとマンガンリチウムバッテリー、そして駐車中の充電を担うソーラーシステムという3つの電源を統合制御していた点です。
これにCVTとスバルのお家芸であるシンメトリカルAWDを組み合わせることで、低燃費とアクティブな走りを高次元で両立させることを目指していました。
現在でこそ軽自動車のマイルドハイブリッド化は珍しくありませんが、20年以上も前にこれほど凝ったメカニズムを構築していた点に、スバルの技術者魂を感じずにはいられません。
※ ※ ※
出展から四半世紀以上が経過した現在も、SNSなどではこのエルテンを高く評価する声が見られます。
「これ今発売しても絶対に売れる」「売ってくれたらすぐ買うよ」「スーパーハイトワゴンだらけの軽市場を変えてくれそうな一台!」といった切実な願望は、効率優先で画一化が進んでしまった現代の軽自動車市場に対するアンチテーゼとも言えるでしょう。
また多くのユーザーが「スバル360の雰囲気を継いだデザイン」や「個性的でありながら懐かしいスタイリング」を求めており、中には「普通のガソリンエンジン仕様でいいから、このデザインのままで市販してほしい」という意見さえ見られます。
これは、スペックや燃費競争だけでなく、クルマが本来持っているべき「愛でる対象」としての価値を、ユーザーが求めている証ではないでしょうか。
しかし、冷静に現状を分析すれば、スバルの軽自動車開発はすでに終焉を迎えており、現在ラインナップされる「ステラ」や「シフォン」などはすべてダイハツからのOEM供給に切り替わっています。
生産効率やコスト管理が最優先される現代の自動車産業において、スバルが独自設計の軽自動車を復活させることは極めてハードルが高いと言わざるを得ません。
それでもなお、エルテンが放つ輝きが色褪せないのは、そこにある種の「失われた未来」を見るからでしょう。
「もし、スバルが自社開発を続けていたなら、今の軽自動車市場はもっと多様で豊かなものになっていたかもしれない」
エルテンに寄せられる数多の称賛は、そんな叶わぬ夢への憧憬とともに、現代の自動車メーカーに対する「もっとワクワクするクルマを作ってほしい」という、ユーザーからの無言のメッセージなのかもしれません。(くるまのニュース編集部)
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