日本に上陸したフォルクスワーゲンの新型「ID. Buzz」に、いち早く『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキが乗った!
新型フォルクスワーゲンID. Buzzの特徴
トヨタ アルファード&ヴェルファイアとは違う──新型フォルクスワーゲンID. Buzz試乗記
1.運転席まわり2.走行性能3.価格&まとめ1.運転席まわり
試乗車は新型フォルクスワーゲンID. Buzzのうち「Pro」と呼ぶ、ノーマルホイールベース仕様だ。日本仕様は、ノーマルホイールベース仕様&ロングホイールベース仕様それぞれProのみだ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの乗降性は良い。身長170cmの筆者は、スッと乗り込めた。インパネまわりは、シンプル。センターには、新設計のMIB4システムと12.9インチの大型タッチスクリーンを設置。エアコンや音量など頻繁に使う機能は、ディスプレイ下部のバックライト付タッチスライダーバーでスムーズに操作可能だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proには、純正ナビゲーションシステムがオプションでも用意されない。もし、ナビゲーション機能を使いたいのであれば、スマートフォン接続機能を使えばOK。スマートフォン内の地図アプリは表示可能だ。
山間部といった電波の弱い場所こそ、純正ナビゲーションシステムは役立つが、フツーの道あればスマートフォン内の地図アプリで十分。検索も容易だ。筆者も、最近はスマートフォン頼みだ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの「ドライバーインフォメーションディスプレイ」と呼ぶデジタルメーターは、シンプルな表示内容で視認性に優れる。サイズもコンパクトゆえ、前方視界はかなり良い。どこまでも見渡せる。
電動調整式シートをセットすると、トヨタ「ハイエース」のようなドライビングポジションに驚く。近年、乗用モデルのミニバンでは味わえない感覚が新鮮だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proにはオプションで、リラクゼーション機能付シート(運転席/助手席)も用意。シートの背もたれが空気圧で膨張・収縮することにより、乗員の体を押圧する。3種類の押圧パターンを好みや気分に合わせて選択可能だ。
フォルクスワーゲン自慢の装備で、新型「パサート」などでも選べる。ほどよい圧で、身体をほぐしてくれるから、癒やされる。ミニバンで、2列目シートにこういった機能を装備するモデルはあるが、フロントシートにはほとんどない。ドライバーのこともしっかり考えられたミニバンだ。
2.走行性能
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの運転感覚は、ナチュラル。ピュアEV(電気自動車)ではあるものの、“電気感”はよく抑えられている。従来の内燃機関モデルのような乗り味だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proが搭載するモーターは、最高出力210kW (286ps)、最大トルク560Nmを発揮。2.5t近くある車両重量を意識させない、パワーを後輪に伝達する。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの重量を活かした乗り心地はしなやかで、高級感たっぷり。見た目はポップだが、乗り味は重厚だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proのコーナリングは、安定志向。新型トヨタ アルファード&新型トヨタ ヴェルファイアと比べると差がはっきり。ロールがよく抑えられているので、不安がないのだ。交差点の右左折でも、安定性の高さを実感。電気モーター&トランスミッションをリヤアクスルに搭載したRRレイアウトの効果だ。
RRレイアウトによって、モーターならではの瞬時に湧き上がる豊かなトルクを余すことなく路面に伝える。新型トヨタ アルファード&新型トヨタ ヴェルファイアが前輪駆動ベースの一般的なレイアウトを採用するのとは対象的だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proのプラットフォームは、電気自動車専用の「MEB」を使う。100%電気自動車専用として開発されたため、大容量バッテリーの搭載を可能とし、航続距離の向上に貢献する。また、低重心化や最適な前後重量バランスにより、優れた走行性能の基盤となると謳うが、まさにその通りで不快な印象は皆無。フロアからの微振動もなく、スーッとクルマが進んでいくのが爽快だ。
新型フォルクスワーゲンID. Buzzのバッテリー容量は、ロングホイールベース仕様が91kWh、ノーマルホイールベースが84kWh。140kW~150kWのDC(直流)急速充電受け入れ性能を有する。一充電走行距離は、WLTCモードでロングホイールベースモデルが554km、ノーマルホイールベースが524km(いずれも国土交通省審査値)だ。
充電は「普通充電(200V)」と「急速充電(CHAdeMO規格)」に対応。90kWの急速充電器を使った場合、約40分でバッテリー残量20%から80%までの充電が可能だ。6kW普通充電器では約14時間30分で満充電となる。
新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの全幅は1985mmもあるが、視界が広いうえに最小回転半径が5.55mに抑えられているので取り回しは想像するよりイイ。狭い道ではアラウンドビューカメラ “Area View”が威力を発揮。4台のカメラを駆使して、運転席から確認しづらい周囲の状況をディスプレイに表示する。
3.価格&まとめ
試乗した新型フォルクスワーゲンID. Buzz Proの価格は、¥8,889,000~。新型トヨタ アルファード&新型トヨタ ヴェルファイアの価格は500万円台からスタートするものの、これはエントリーモデルだ。電動モデルのうち、ピュアEVに近い電動走行が楽しめるプラグインハイブリッドは最上級の「Executive Lounge」のみの設定で、1000万円オーバーだ。
というわけで、新型フォルクスワーゲンID. Buzzの価格は、決して高価ではないように思う。ちなみに、メルセデス・ベンツのVクラスは¥9,400,000~。高級車の代名詞でもあるメルセデス・ベンツのミニバンと約50万円しか価格差がないのは、やや悩ましい。
もっとも新型フォルクスワーゲンID. Buzzは、ピュアEVだからクリーンエネルギー自動車導入補助金の対象モデル。地域によっては、ほかにもピュアEV購入に関する補助金を用意する。というわけで、実質的な購入金額は¥8,889,000~より安価。それゆえ、価格競争力はそれなりにある。
ピュアEVがネックになるユーザーは多いはず。特に充電設備のない集合住宅住まいのユーザーは、超悩ましいだろう。
が、この個性は唯一無二。ほかに替わりとなるモデルもないので、欲しいと思ったユーザーはすぐにでも購入すべし。
価格だけ見ると、「実用車のフォルクスワーゲンなのに高っ!」と、思うかもしれないが、内容を考えれば決して高価ではないのだ。
次ページ:「トヨタ アルファード&ヴェルファイアとは違う」
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みんなのコメント
そうか、112円値引きして、キリ良く8,888,888円にする作戦か!
これは一本取られたよ。