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フランス車が「禅」を意識? 新型シトロエンe-C3 廉価、でもおしゃれなクロスオーバーEV

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フランス車が「禅」を意識? 新型シトロエンe-C3 廉価、でもおしゃれなクロスオーバーEV

コンパクトなクロスオーバーEV

フランスの自動車メーカーであるシトロエンは、小型EVの新型e-C3を欧州で発表した。

【画像】安くても遊び心を忘れない新しいフランス車【新型シトロエンe-C3の内外装を写真で見る】 全19枚

新型e-C3はBセグメントのクロスオーバーで、2万3300ユーロ(約370万円)からと同クラスのEVとしては比較的安価な設定となる。欧州市場への参入が相次ぐ中国車ブランドに対抗する狙いだ。

取材で得た情報によると、右ハンドルの英国での価格は2万2000~2万3000ポンド(約400~420万円)からになるという。現在市販されている最も安価なEVであるBYDドルフィンの2万5490ポンド(約465万円)を大きく下回る価格設定だ。

2025年には、小型のバッテリーを搭載したさらに廉価なバージョンもラインナップに加わる予定で、欧州向け価格は1万9990ユーロ(約315万円)を予定している。

シトロエンの関係者は取材に対し、一部の他社製EVとは異なる5人乗りであることから、同市場で最も手頃で「適切」なEVになると考えていると語った。

このような積極的な価格設定を実現する鍵となったのは、コスト効率の高いスマートカー・プラットフォームの採用だ。このプラットフォームはもともと、インドとラテンアメリカで販売される「CC21型」のC3用に開発されたものである。

欧州向けの新しいC3はEVとして構想されたが、内燃エンジンにも対応可能であり、フロント部分にガソリンエンジン用の十分なスペースを残している。

スマートカー・プラットフォームは欧州安全規制を満たすために改良され、より強固な衝突構造(CC21型C3はラテンNCAPの安全性テストで「星ゼロ」を獲得したことで悪名高い)を導入し、また快適性を向上させるべく多くの微調整が施された。

航続距離320kmでも「十分」

容量44kWhのLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーが搭載され、1回の充電での航続距離は約320km。2025年登場予定の廉価バージョンは航続距離200kmとされる。

LFPバッテリーは製造コストが安く、寿命が長く、コバルトを含まないという利点がある。しかし、NMC(ニッケル・マンガン・コバルト)バッテリーほどエネルギー密度が高くないため、航続距離を確保するためには重量がかさばりがちだ。さらに、一般的に外気温の影響を受けやすく、寒冷条件下では充電効率が大幅に低下する。

プロジェクトマネージャーのギヨーム・ノエル氏は、比較的短い航続距離でも十分だと説明する。

「Bセグメントでは、シンプルでありたいのです。当社のお客様のほとんどが、平均して1日あたり80km以下しか走りません。寒冷地であっても、要件を満たせると革新しています」

コストを抑えるため、ヒートポンプは装備されない。

e-C3は、長時間の移動でも使用できるよう、最大100kWの急速充電に対応しており、26分で20~80%の充電が可能だ。

乗り心地は開発時の優先課題の1つとされ、シトロエンのアドバンスト・コンフォート・サスペンションと、新しいアドバンスト・コンフォート・シートが採用された。この組み合わせは初だという。

最高出力112psの電気モーターをフロントに搭載する前輪駆動方式で、0-100km/h加速を約11.0秒で駆け抜ける。最高速度は135km/h。

e-C3のボディサイズは全長4.01m、全幅1.76m、全高1.57mと、現在のC3と大きな差はないが、全高が100mm高くなったことでヘッドルームが拡大されている。後席のニールームもクラストップの広さを誇るという。

「禅」を意識したインテリア

デザイン責任者のボリス・ラインメラー氏によれば、インテリアの空間は「禅の感覚」を再現することが目標だったという。「デザイン面では可能な限りシンプルにしたかった」と話している。

ヘッドアップディスプレイが標準装備され、上位グレードには10.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが搭載されるが、エントリーグレードの「You」ではスマートフォン固定用ドックが装備される。

専用のスマートフォンアプリが開発され、携帯電話から音楽、ラジオ、通話、ナビゲーションが可能になる。その他の主要な操作はすべて、物理的なスイッチやボタンで行う。

エクステリアに関する目標は、現行型C3のソフトな曲線から脱却することだったとラインメラー氏は述べた。

「初期のシトロエンはかなり遊び心があり、わたし達の好みからすると遊び心がありすぎるくらいでした。もう少し成熟させたかったのです」

「筋肉質な一面を引き出したかったのですが、少しソフトで優しく仕上げました。プジョーではないからです! 表面処理という点ではまだフレンドリーな感じですが、より明確になっています」

とはいえ、ボディにアクセントカラーを加えることができるなど、e-C3のデザインには遊び心が残されている。

欧州での発売当初はオレンジ、ネオングリーン、ホワイトの3色がボディカラーとして用意されるが、今後種類を追加し、最終的には国旗などのグラフィックも選べるようになるかもしれないという。

C3は現在、シトロエンの乗用車販売の40%を占めている重要なモデルである。シトロエンのブランドCEOであるティエリー・コスカス氏は、新型e-C3と現行型C3のプロポーションは似ているが、後継車になるわけではないと認めた。ただし、C3エアクロスはスマートカー・プラットフォームをベースとした7人乗りの電動SUVになるという。

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みんなのコメント

6件
  • もはや価格革命あるのみ、新車30万円のシトロエンを待つ!
  • これ売れそうだ。なんでもかんでもゴミみたいな装備を付ける中韓車よりこちらがスマートに見える。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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