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2+2の上級FRスポーツクーペ ロータス・エクセル 英国版クラシック・ガイド 前編

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2+2の上級FRスポーツクーペ ロータス・エクセル 英国版クラシック・ガイド 前編

突出した操縦性にしなやかな乗り心地

トヨタとの提携で、ロータスは信頼性の高い部品を利用できるようになった。1975年の先代、エクラとは比べ物にならないほど、1982年のエクセルは優秀だった。

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トランスミッションとデフ、クラッチ、ディスクブレーキ、ドアハンドル、ヒーターとエアコンなどは、すべてトヨタ社製。コストダウンにもつながり、新車価格はエクラより1100ポンドも安かった。初期型では、エクラ・エクセルと呼ばれていたが。

スタイリングを手掛けたのは、オリバー・ウィンターボトム氏とピーター・スティーブンス氏。ウェッジシェイプでありながら、滑らかな面構成で空力特性も磨かれ、Cd値は0.36から0.32へと減少。リアシート側の空間にもゆとりが増えている。

洗練性も大幅に高められていた。突出した操縦性と、感触の良いシフトフィール、しなやかな乗り心地が組み合わされ、高速クルージングも快適にこなせる能力を備えていた。

シャシーバランスも優秀で、前後の重量配分は50:50。ドライビングを心から楽しめるFRの2+2クーペとして、短距離の気晴らしにも長距離の休暇旅行にもピッタリ。ただし、後方視界は褒めにくいけれど。

1986年、182psを発揮する高性能版のエクセル SEが登場。洗練性や乗り心地が犠牲になっていたものの、動的能力でエクセルを当時のクラストップに位置づけた。

状態が良ければ手を掛ける価値がある

高性能な上級スポーツとしてエクセルを捉えたドライバーには、オートマティックとエアコンが標準装備されたSAが、最適グレードとしてハマった。レッドトップと呼ばれた、赤いヘッドカバーのSE用エンジンも搭載されていた。

レザー内装とクラリオン社製の高級オーディオが、エクセル SAの訴求力を高めた。ZF社製のATは、エンジンのパワーバンドに合わせてチューニングも受けていた。

ロータスらしく、シャシーはスチール製のバックボーン・スタイル。亜鉛メッキされ従来より遥かに錆びにくいものの、今探すなら状態確認は不可欠。シャシー本体以外のスチール部分は、錆びていておかしくない。

ロータスの912ツインカム・ユニットは、想像以上にパワフル。信頼性は低くないが、定期的なメンテナンスは不可欠だ。

洗練された4シーターを巧みに設計し、スーパーカーのようにダイナミックなスタイリングとハンドリングで仕上げたロータス。鋭い回頭性でコーナーを処理しつつ、数時間の高速移動も快適にこなせる。サーキットを攻め立てれば、能力を存分に発揮できる。

全高は同時期のライバルより30cmほど低く、眺めているだけで嬉しくなるデザインも大きな魅力。多くのドライバーにとって、状態の良いエクセルは手を掛ける価値のあるクルマといえるだろう。

オーナーの意見を聞いてみる

「27年前にも、ロータス・エクセルを所有していました」。と話すのは、オーナーのショーン・ワップシェア氏。「2台目を停められるガレージがなく、実用性の不十分さを理由に手放しました。売却してから深く後悔した、唯一のクルマです」

「何より走りが素晴らしい。アクセルレスポンスの鋭さ、ステアリングのダイレクトさ、低いドライビングポジション、エンジンのサウンドなど。スポーツカーとして乗り心地は驚くほど良く、サーキットでも楽しめます」

「諦めきれず、11年前に5000ポンドで2台目のエクセルを買いました。パシフィック・ブルーのボディにマグノリア・レザー内装で仕立てられた、唯一のクルマのようです」

「購入時はあまりお金をかける必要がないのでは、と想像していましたが、結局1万3000ポンドも出して調子を整えました。ボディの塗装は、殆どオリジナルのままですが」

「ヘッドライナーとステアリングラック、ウォーターポンプ、ショックアブソーバーとスプリング、ドアのビームとヒンジなどを交換しています。ブレーキとラジエター、エグゾースト系はアップグレードしてあります」

「多くを自分で直していますが、軽量フライホイールとクラッチの交換は、専門ショップへお願いしました。狭いガレージに作業する空間がなかったので」

英国で掘り出し物を発見

ロータス・エクセル SE

登録:1990年 走行:8万2250km 価格:1万5995ポンド(約267万円)

モナコ・ホワイトのボディがきれいなエクセル。状態は悪くなさそうで、年式としては短い走行距離に、不満のないメンテナンス履歴を備えている。

インテリアは30年前らしい、ブルーのレザーとノーフォーク・ツイードで仕立てられている。天井の内張りもたるんでいないという。パワーステアリングとパワーウインドウ、電動ミラーが備わり、マルチスポークのOZ社製アルミホイールが自慢だ。

ボディパネルのフィット感も良好で、エンジンルーム内の状態も良い。売り手によれば、走りも見事だという。

ロータス・エクラ・エクセル

登録:1985年 走行:9万6350km 価格:5995ポンド(約100万円)

初期型のエクラ・エクセルで、軽いレストアが必要とのこと。メタリック・ブルーのボディに、ブルーのハーフレザーとベロアのインテリアでコーディネートされている。

走行距離は10万km以下と短いものの、エンジンは始動しないという。タイミングベルトがコマ落ちしているそうだから、内部状態が怪しい。

自分で直す技術があり、立ち向かう勇気があるなら、お買い得なエクセルかもしれない。オススメしにくいが。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

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みんなのコメント

3件
  • この車はハンドリングが最高だった。
    ただ、ブレーキがワンテンポ遅れて、更に効かないので手放すことに。
  • 表計算!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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