ドリフト競技「ドリフトキングダム」で優勝する実力!
ほぼ自作で製作された異端なるロータリーロケット!
「ロータリーエンジン搭載シルビア(S15)見参!」速いドリフトを求めてSR20DETから13B-REWにスイッチ!
全国のロータリー使い達が集結したイベント『ロータリー魂2019』の走行会に参加していた1台のS15シルビア。「なんでロータリーのイベントにレシプロエンジン搭載車が走ってるんだろう」と、しばらくドリフト走行を見ていたらサウンドが明らかにSR20のそれではない…。
ん? この音は13Bロータリー⁉️ まさかと思って走行後にエンジンルームを確認しに行ったら、本当に13B-REWが搭載されているではないですか!
このS15シルビア、じつは競技ドリフトシリーズ「ドリフトキングダム」に参戦中という本気のドリフトマシンなのだ。そして、心臓部の13B化も奇をてらったわけではなく、速いドリフトを求めた結果の選択だったりする。
「13BエンジンってSR20DETよりも単体で20キロ以上軽いんです。その軽さは武器になるんですよね。現状450馬力くらいなんですが、それでも600馬力クラスの相手とも勝負できるし、フロントの動きもクイックになる。良いこと尽くしだと思います」とは、ドライバーでありながらマシン製作も行う斎藤さん。
13B本体はネットオークションで中古を10万円で購入し、チューニングショップ『フルブラスト』でオーバーホールと同時にポートチューンも敢行した。
エンジン換装はそこまで大変ではなかったそうだが、S15シルビアのサスメンバーに13Bのオイルパンが干渉してしまうためワンオフで製作する必要があった。通常は純正オイルパンを溶接加工して成型するのだが、このマシンにはなんとアルミ削り出しのスペシャル品が奢られているではないか! こんなマニアックなシロモノ、一体どこで売ってるのかと尋ねてみると「仕事がマシニングセンターを主体とした精密加工業なんですよ。宮精密という会社です。なので、このオイルパンはCADを使って自分で製作しました」とのこと。
タービンレイアウトも独特で、オリジナルEXマニを介してGTW3884をエンジンの前方にマウントしている。この理由は、ずばり重量配分。13B-REWのターボレイアウトは排気(マフラー)も含めて右側(運転席側)だ。それをそのままシルビアに当てはめると、右側ばかり重くなってしまう。そこでオルタネーターを移設した上で、タービンをセンターに配置して排気は左側から出すように改造。左右の重量バランスを最適化しているのだ。
ラジエターは、昨今の競技ドリフト車両で定番になりつつあるリヤマウント式を採用。トランクからフレッシュエアを導入し、ラジエター裏の引き抜き用ファンでリヤアンダーへと強制排出する仕組みとなる。もちろんこれも自作だ。
そして足回り。サスペンションはDG-5(F7kg/mm R5kg/mm)車高調でアーム類はイケヤフォーミュラ製に全交換。そしてドリフトの切れ角に重要なナックルは、斎藤さん自身が時間をかけて製作したオリジナルを装着。自分の走りに合わせたアッカーマンアングルで設定しているが、より高次元の走りを目指して、間もなくワイズファブ製のキットに交換予定とのこと。
一方のリヤは、M35ステージア用サスメンバーを移植して、ドラシャは自作アダプターでGT-R用をドッキング。合わせてナックルも、トラクション性能に長けたGT-Rに変更されている。
タイヤはサポートを受けているヴァリノの265/35-18を通しで履く。ホイールはプロドライブGC-05N(9.5J+15)のゴールドをセット。
室内はレギュレーションに準じた競技仕様となる。シートはブリッドのフルバケットシートを2脚、ロールケージは斎藤さんの自作だ。サイドブレーキは油圧式に変更され、ミッションは軽量&コンパクトなTTI製のシーケンシャルドグミッションが奢られている。
戦闘的なエアロパーツは、ワイドボディまで含めてマチュア製で統一。鮮やかなボディカラーもまた、マチュアで塗ったスペシャルブルーだ。
このマシンが完成したのは2018年。それからドリフトキングダムに参戦しながら各部のセットアップを煮詰めていった結果、2019シリーズの開幕戦で見事に優勝(プロクラス)! 異端すぎる13B仕様のS15シルビアが、大会でも勝てるマシンであることを証明したのである。
●取材協力:宮精密 TEL:028-665-0391
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