2011年6月、日産のミニバン「ラフェスタ ハイウェイスター」がフルモデルチェンジして登場した。当時話題となったのが「マツダ プレマシーのOEM」として誕生したこと。日産の狙いはどこにあったのか、ラフェスタはどんなモデルだったのか、プレマシーとはどう違ったのか。Motor Magazine誌ではデビュー間もなく試乗テストを行い、その真意を探っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。なお初代ラフェスタのエントリーモデル「ラフェスタJOY」はしばらく継続販売されていた。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年9月号より)
マツダ プレマシーとはまったく違う日産のオリジナルテイスト
ラフェスタと言えば日産が国内で量販を狙うべきコンパクトサイズのミニバンである。そんな大切なモデルをなぜ「マツダからのOEMで済ますのか」と思う人がいるかも知れないが、ここに今の日産の戦略が見て取れる。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
日産の本社は確かに横浜にあるが、そこから見通しているのは日本だけではなく、世界なのである。当たり前と言えばそうなのだが、時にそうした事実を頭に入れずに物事を理解しようとすると違和感を覚えることがある。
6月末に発表された新中期経営計画の「日産パワー88」によれば、グローバル成長モデルとして「ティーダ、アルティマ、ティアナ、キャシュカイ」の4車が挙げられている。要は「今後、成長が見込めない日本市場のみをターゲットにするニューモデルは、そう簡単には投入できない」ということなのである。世界を舞台にして成長を目指す企業としては健全な判断であり、このこと自体にとやかく言う気はないが、そういう背景の下、新しいラフェスタが登場したということは知っておくべきだろう。
さて、このラフェスタ、軽自動車にありがちなバッジのみが違うOEM車とは違う。そうした点には日産の大いなる意気込みが感じられる。具体的にはフロントグリル、バンパー、左右4枚のドアを日産オリジナルとすることで、元のマツダ プレマシーとはまったく違う、いかにも日産のミニバンというテイストに仕上げられている。サイドのキャラクターラインについては、どうやらマツダからもオリジナルにして欲しいという要望があったようだ。
独自のエアロパーツを纏い、ダイナミックなスタイリングに
スタイリングではすべてが「ハイウェイスター」であることも特徴のひとつ。2WD、4WD合わせて5つのグレードを用意するが、どれもハイウェイスターだ。すなわちエアロパーツを纏っている。スタイリングについてはこれまでのOEMの常識を覆すほど手が入れられており、日産車として誰もが認知するレベルに仕上がっていると言っていいだろう。
一方、インテリアは基本的にプレマシーと同じ。シート地が変更されている程度なので、当たり前だが日産車らしくない。充実した収納スペースや多彩なアレンジが可能なフレキシブルシートなどもそのままだ。
走行性能についても、もちろんプレマシーとまったく同じだ。プレマシーの走りはそもそも評価が高いので、ラフェスタについても不満はない。ミニバンとはいえ着座姿勢はさほどアップライトではなく乗用車感覚、それでいて上から見渡すような視界の広がりがある。150psの2L DOHCエンジンは、1520kgのボディには必要にして十分とは言えないが、平坦路ではそこそこスポーティな走りを提供してくれる。
さて、この日産ラフェスタはマツダ プレマシーに対しておおよそ16万円高となっている。エアロパーツが装着されていることと、その他の差別化にかかったコストによるそうだ。このクラスのクルマで16万円の差は大きいと思うのだが、受注は計画どおりで順調とのこと。あの見ていてちょっと気恥ずかしくなる「イケダン」のCM効果も大きいのだろうが、一番の成功要因は思い切ってコストをかけてスタイリングを日産テイストにリファインしたことだろう。今後、日本市場でのOEMに対する考え方は、変わっていくことになるかも知れない。(文:Motor Magazine 編集部)
ニッサン ラフェスタ ハイウェイスターG FF仕様 主要諸元
●全長×全幅×全高:4615×1750×1615mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1520kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:110kW(150ps)/6200rpm
●最大トルク:186Nm(19.0kgm)/4500rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:226万8000円(2011年当時)
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変えたくて変えたのではなく、枯山水のようなラインの個性が強すぎたせいで変えざるを得なかったのでは?