ワンランク上のキャンプを目指すために
キャンプを始めたのは良いものの、アウトドア雑誌やYouTube動画のようにはいかずに困っている人も多いのではないだろうか。その原因のひとつとしてサービス過剰の家電製品に囲まれて生活していくことで人間の感覚は鈍くなり、シンプルな道具で楽しむキャンプとのギャップが生まれているのも否めない事実。とくにキャンプ初心者の場合には経験しなければわからないこと、体験しなければ覚えられない感覚に戸惑うことも多い。ここではキャンプ初心者が乗り越えなければならない“5つの壁”を例に挙げ、じっくりと解説していこう。
「アウトドア未経験」女子でも、一人でできる? 初めての「テント設営」何時間かかるのか
その1「収納袋に入らないテント撤収」の壁
キャンプを始めたとき、最初に直面するのがテント撤収の壁だ。壁を乗り越える方法はテントを広げていくと同時にスマホを使ってどのように収納されていたかを撮影しておこう。テントは広げるのは簡単だが、じつは収納するときに苦労することが多く「使用後に袋に入らない」と困惑する人も多い。テントやフライシートがどのように畳んであるのか、分割されたフレームがどこに収まっているのかを細かく記録し、自分だけの収納設計図を作っておけば、収納に慣れるまでのガイドになってくれる。
また、現地では収納袋に戻さず、使用後のテントやフライシートを大きなゴミ袋などに入れて持ち帰り、汚れを落としたあとに十分に乾燥させてから収納袋に戻すという達人の裏技も存在するので参考にしてほしい。
その2「薪や炭に着火できずに苦労する」の壁
キャンプのメインイベントといえば焚火やBBQ(バーベキュー)だが、初心者にありがちなのが着火できずに苦労することだろう。その原因はいきなり薪や炭に火を着けようとすることにある。焚火やBBQで火起こしする場合、まずは燃えやすい枯れ草や細い枯れ枝、落ち葉、軽く絞った新聞紙などをベースに着火剤で火を着け、少しずつ大きな薪や炭に火を移していくのが正解だ。
火が燃え移ったなら火吹き棒(ファイヤーブラスター)や団扇を使って空気を送り込み、燃焼高率を上げることで火を大きくしていくこともお忘れなく。先日、キャンプ場で薪にホワイトガソリンを振りかけている人に遭遇したことがあるが、火事や火傷などの事故をひき起こす原因になる非常に危険な行為なので、絶対に避けてほしい。
その3「BBQで外側が黒コゲ……中が生焼け」の壁
焚火台や炭を使ったBBQコンロでのあるあるが「外が黒コゲ、中が生焼け」の壁。その原因は薪や炭の火力が強いうちに食材を焼いてしまうこと。薪や炭を使った調理では着火直後の火が燃え盛っている状態ではなく、ある程度の熾火になってから食材を乗せていくことが上手に焼き上げるポイントだ。
初心者の場合、炎が上がっていないと火力が弱くなったと誤解しがちだが、じつは薪や炭が落ち着いた熾火の状態でも火力はしっかりと保持され、遠赤外線効果で食材の中までしっかりと熱を通すことができる。BBQコンロの上手な使い方は半分を薪や炭を多めに置いた焼き場、半分は炭を間引いて保温場所として分割すること。肉や魚の表面が香ばしく焼けたなら、炭の少ない保温場所へと移すことで芯までしっかりと火を入れることができるはずだ。
その4「背中が痛くて眠れない」の壁
テント泊で初心者が陥りやすいのが「背中が痛くて眠れない」という壁だ。キャンプ道具を選ぶとき、テントやシュラフは慎重に選ぶ人が多いのだが、テントマット(インナーマット)を疎かにしてはいないだろうか。キャンプのエキスパートたちは「寝袋よりもマット」という人も多く、快適な睡眠はマットによって大きく左右されるといっても過言ではない。
地面からの冷気や熱を遮断し、地面の凹凸や小石などの緩衝材になるマット選びはもっとも重要な要素となる。マットの善し悪しによって寝袋の性能が発揮できない場合もあるので、少しばかり値が張ってでも性能が高いモノを選んでほしい。また、初心者にありがちなのがいきなりテントを張ってしまうこと。テントを設営する前に地面の凹凸を整地し、小石や枯れ枝などの突起物を掃除してからテントを張ることもお忘れなく。
その5「キャンプ道具のお手入れ」の壁
最後はキャンプ道具のお手入れの壁だ。自然と対峙するキャンプではテントの底面が地面と接することで汚れが付着し、テントの中は結露によって湿気で濡れた状態になってしまう。そのまま保管してしまえばカビの繁殖や素材の劣化にもつながり、次のキャンプでテントがカビ臭くて眠れない……なんてことにもなってしまう。
カビや汚れは衛生的にも悪影響を及ぼし、小さな子どもや気管支が弱い人は咳や喘息の原因になることあるので、使用後は泥や土などの汚れを落とし、十分に乾燥させてから保管すること。使用後のお手入れはテントやタープだけでなく、カトラリーや包丁、まな板なども忘れてはならない。スタッキングした状態やケースに入れた状態では汚れが固着し、包丁などは錆びが発生する原因になる。コンロやバーナーなどもしっかりと汚れを落とすことで不完全燃焼などのトラブルを防止でき、道具の寿命も長くすることができるので使用後のメンテナンスまでが「キャンプ」であることを覚えておこう。
壁を乗り越えることで楽しさは倍増していく
キャンプの楽しさは自然と触れ合うことだけでなく、経験を積むことで自分自身の成長がリアルに感じられることだ。便利な日常生活と相反するキャンプではスキルの高さは快適さや楽しさに直結し、苦手だった壁を克服することも大きな喜びに繋がっていく。キャンプの達人と呼ばれる人たちでも誰もが最初は初心者であり、困った状況を何度も経験しその壁を盛り越えている。困った状況をどう乗り切るか、克服するかもキャンプならではの醍醐味なのである。
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マツダのETC取り付け位置に唖然……色々あってフツーの場所なったけど戻した方がよくね??
みんなのコメント
太い薪にいきなりライターでつけようとしたり
根っこのある所にテント建てようとしたり
考えれば分かることが出来ない人が中にはいるって話