ダンロップ(住友ゴム):次世代のモビリティタイヤ
ジャパンモビリティショー(JMS)2025でのタイヤ出展は3社。『ダンロップ(住友ゴム)』、『ブリヂストン』、『横浜ゴム』のみです。少なくて淋しいですが、内容は興味深く濃いものでした。
今回のJMSの全体テーマは『A unique opportunity to explore mobility’s future! (ワクワクする未来を探しに行こう)』。3社ともサステナブルで持続可能な社会実現をベースに、独自のブース展開になっています。
特に興味深かったのは、タイヤのリサイクルについてでした。各メーカーのテーマと見所を紹介してみたいと思います。
まず、ダンロップが次世代のモビリティタイヤとして展示したのが、アクティブトレッドとセンシングコアを融合させたタイヤです。
アクティブトレッドは、温度や水をトリガー(きっかけ)にゴムの特性を変化させる技術で、一部性能はすでにオールシーズンタイヤの『シンクロウェザー』に搭載されています。
センシングコアは、タイヤ自体をセンサーとして機能させ、車輪速センサーや車両のCANデータを解析して路面の状況を推測する技術。こちらはまだ未搭載ですが、ふたつの技術が搭載されると、クルマが路面の状況を読み取り、状況に即したグリップ性能を発揮するという、夢のような技術です。
しかし、それもシンクロウェザーの登場で決して夢物語ではなく、もしかしたらかなり近い未来に実現可能かもしれない、そんな近未来感のある技術展示でした。
もうひとつのテーマに沿った展示が、スーパーGTのGT300クラス用スリックタイヤです。このタイヤが使用するのは循環型カーボン。タイヤの廃材を破砕しゴム片を熱分解(燃焼させない)することで、オイルとガスと粗カーボンに分離。この粗カーボンを精製して作られるのが循環型カーボンです。
2025年スーパーGT第6戦菅生ラウンドでこのカーボンを使ったタイヤが60号車に装着され、GT300クラスで優勝。高性能を実証することとなりました。
このほか、ロシアンタンポポを使ったタイヤの展示も、個人的に注目しました。ロシアンタンポポは、温帯域に広く生息する1年草。この樹脂(他のたんぽぽではダメらしい)がナチュラルラバー(NR)の特性に近いそうです。熱帯地域に限られ、収穫には植樹して数年かかるゴムの木に対して、収穫しやすさに特徴があり、ゴムの木に代わる材料として研究が進められています。
このほか展示物として国産第一号タイヤや、ダンロップが世界で初めてハイドロプレーニング現象を解明したタイヤの展示もありました。
ブリヂストン:ヒトとモノの移動を支え続ける
ブリヂストン・ブースの中で最も目立っていたのが、空気を充填しないタイヤ『AirFree』です。樹脂スポークに空気のたわむ役割を任せた、ホイール一体型タイヤ。その発展型(?)として、第2世代の月面探査用タイヤも展示されています。
初代はワイヤーの束のような形状でしたが、2代目は腐食防止加工した金属製のAirFreeタイプになりました。鳥取砂丘の施設で走行実験も行われています。
もうひとつ展示物として目立つのが、直径約4mの大型鉱山6輪ダンプ用タイヤです。59/80R63というサイズで、タイヤ幅が59インチ、偏平率80%でリムサイズは63インチというもの。車両重量600トンだとして、タイヤ1本当たりの耐荷重は100トン以上にもなります。
技術的なトピックで興味深かったのは、水平リサイクルのコンセプトタイヤです。タイヤのゴムは、加硫による化学結合で架橋を形成し、加硫以前には戻らない(=不可逆的)というのが定説です。しかし、ブリヂストンは、使用済みタイヤを原料にして再びタイヤとして利用する『水平リサイクル』に成功しました。
廃タイヤを粉砕しチップにして、精密熱分解によって油化。この時できた再生カーボンを精製してカーボンブラックに。タイヤ分解油は一部をカーボンブラックに、一部は触媒を用いて精製・軽質化して、タイヤ由来のリサイクルオイル(ナフサ等)に化学品変換します。その後、使用済みタイヤ由来のブタジエンを製造するというものです。
不可逆的と言われていたタイヤを再生し、もう一度タイヤ(の材料)にしてしまったというのがこのプロジェクト。既に、岐阜のブリヂストン関工場において、使用済みタイヤの精密熱分解パイロット実証プラントが着工しており、2027年から稼働を予定しています。
横浜ゴム:持続可能な社会に向けた挑戦
横浜ゴムのブースで目を引くのはやはり、スーパーフォーミュラカーでしょう。このマシンはタイヤ開発用&テスト用のマシンですが、小学生以下の来場者はコクピットに乗り込むことができます。
なぜフォーミュラカーなのかというと、日本のフォーミュラレースの最高峰、全日本スーパーフォーミュラ選手権は、横浜ゴムのタイヤワンメイクとなっているのです。
そして、ここで使われているレーシングタイヤは再生可能・リサイクル原料46%。極限のレースシーンで技術開発に取り組んでいるというわけです。
展示されているスリックタイヤの横のオフロードタイヤは、世界初の水素燃料モータースポーツとして2025年に初開催された『FIA エクストリームHワールドカップ』に横浜がワンメイク供給したもので、再生可能・リサイクル原料38%を使用しています。
横浜ゴムでは『レースは実験室』の言葉どおり、最先端のモータースポーツシーンでサステナブルの課題に取り組み、その成果としてアドバンスポーツV107のサステナブル・コンセプトタイヤも展示。高い運動性能とウエット性能、軽量化、低転がり抵抗を実現しながら『再生可能・リサイクル原料80%使用』を実現しています。
また、技術展示として、タイヤの主要材料となるブタジエンを、植物由来のエタノールから高効率で生成する技術も紹介。これは日本ゼオンと国立開発研究法人産業技術総合研究所が共同で研究が進めており、2026年のベンチ設備稼働を経て、2034年の事業化を目指しているのだそうです。
住友、ブリヂストン、横浜ゴム3社の取り組みは国のSDGsの方針に沿ったものですが、絵に描いた餅どころか、実用化がすぐそこまで来ているのを実感できる展示になっていました。
自動車のSDGsは複雑すぎてなかなか実感しにくいのですが、タイヤの取り組みは目に見えるものということもあって、最先端技術への取り組みによりリアリティがあります。タイヤブースを訪れると、そんなことを感じてもらえるのではないかと思います。
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