現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマ界の禁忌に踏み込む… 旧型のほうが「シブイ」と感じるクルマ 8選

ここから本文です

クルマ界の禁忌に踏み込む… 旧型のほうが「シブイ」と感じるクルマ 8選

掲載 更新 42
クルマ界の禁忌に踏み込む… 旧型のほうが「シブイ」と感じるクルマ 8選

 モデルチェンジとは、さらなる進歩のために行うもの。旧型より新型のほうがよくなっているのは当然で、そうでなければいけない。

 しかし、新型にモデルチェンジしても、メカがそれほど進化していない割りに、デザインが「旧型のほうがよかったなぁ」と感じる場合もある。

よくこんなクルマ作ったな…マーチスーパーターボという傑作

 もちろん全体としては、新型が旧型より退歩していることはないはずだが、人それぞれが持つこだわりポイントをクローズアップすると、「旧型のほうがシブかった」と思うことがあるのは当然だ。今回は、そんなクルマたちを集めてみた。

文/清水草一
写真/トヨタ、日産、ホンダ、スズキ

[gallink]

■旧型のほうがシブイクルマその1:トヨタ編/ヴェルファイア、クラウン

 トヨタ車は、豊田章男社長の「もっといいクルマを!」の掛け声の元、あらゆる面で前進を続けている。それはもう本当にあらゆる部分におよんでいて、「旧型のほうがよかった」と思わせることはめったにない。そのめったにないレアケースを2つ取り上げよう。

■旧型ヴェルファイア(2008年5月~2015年1月)vs現行ヴェルファイア(2015年1月~)

初代ヴェルファイア前期型。この時代、アルファードよりヴェルファイアのほうがカッコいいという人が多かったように思う

2代目ヴェルファイア。この代になって完全に人気が逆転し、現行アルファードのオラオラ顔が大ヒット。今こうしてみるとグリルといい、ヘッドライト下のえぐいデザイン処理など、初代ヴェルファイアのほうがいいかも

 ヴェルファイアはアルファードとの比較の上に成り立つクルマ。メカはまったく同じなので、デザインの優劣がすべてだ。アルファードとどっちがカッコいいか? という点だけで評価される。

 先代ヴェルファイアは、2段ヘッドライトの威圧感と凶悪さ(当時の感覚)で、のっぺり旧態依然としていたアルファードを大きく上回っていた。それが販売台数に反映され、本家たるアルファードを超える人気を集めたのでした。先代ヴェルファイアの顔は、今見ると、当時感じた凶悪さもなく、すっきりサワヤカな二段ヘッドライト顔だ。

 が、2015年に現行モデルにチェンジされると、威圧的かつ凶悪に生まれ変わったアルファードの巨大銀歯顔に圧倒され、撃沈されてしまった。

 ヴェルファイアの旧型と新型を見比べると、旧型の上品なカッコ良さが目立つ。旧型ヴェルファイアはシブかった……。

■14代目旧型クラウン(2012年2月~2018年8月)vs15代目クラウン(2018年8月~)

先代クラウンアスリートに採用された稲妻型のフロントグリルは衝撃的だった。ピンクや若草色のクラウンも登場

先代モデルのクラウン・ロイヤル。現行型ではロイヤル/アスリートの種別が廃止されたため、クラウン・ロイヤルとしては同車が最終モデルとなった

現行15代目クラウン。クーペライクなCピラー、ロイヤル系の焼き直しのようなフロントマスクを採用し、若返りを図ったが、次期クラウンはSUVになるという話まで出てくる始末……。次期クラウンはどうなってしまうのか……

 旧型のアスリート系は、イナズマグリルと、ピンクなどのギョッとする大胆なボディカラーで賛否両論を巻き起こし、大いに話題になった。結局販売台数を伸ばすことはできなかったが、私は今でもあの強烈なイナズマグリルが好きだし、デザイン的にも優れていたと考えている。

 ところが新型は、せっかくのイナズマグリルを捨て、旧型のロイヤル系の焼き直しのようなフロントマスクになった。乗り味は、よりドイツ車を意識したものになり、クラウンらしいおおらかさを失った。結果的に販売台数は低迷。モデルチェンジは失敗に終わり、次期クラウンはSUV風になるといわれている。

 クラウンは、新型より旧型のほうがシブかったというよりも、ズバリ「よかった」のではないだろうか? 新型が旧型を明らかに上回っている部分はひとつもない、という印象すらある。まぁ、ニュルブルクリンクを攻めれば、新型のほうが速いんでしょうが、そんなのクラウンにはカンケーねぇと思うんだけどなー。

■旧型のほうがシブイクルマその2:ホンダ編/N-BOX、シャトル

 スポーツモデルの消滅などで、クルマ好きから批判されているホンダだが、通常のモデルチェンジに目を移すと、デザインをシンプル化し、正しい方向に向かっていると感じさせる。

 ただ、デザインのシンプル化はまだ始まったばかりなので、数年前のモデルチェンジでは、失敗を感じさせるものも存在した。

■先代N-BOX(2011年12月~2017年8月)vs現行N-BOX(2017年9月~)

2011年12月に発売した初代N-BOX。フロントフェンダーの張り出しが特徴

初代N-BOX大ヒットを受けてキープコンセプトで登場した2代目N-BOX。変わっていないようで細かいところが変わっているデザイン

 相変わらず国内販売で快走を続けているが、ことデザイン面だけを見ると、旧型のほうが明らかに上だった。旧型は、真四角なハコでありながら、前輪のフェンダー形状がフロントマスクに食い込んだような造形で、強い踏ん張り感があった。

 グリルやライト類などのディテールでも、旧型のほうがシンプル。旧型N-BOXは、販売的にも大成功だったが、そのデザインはユニクロや無印のシンプルデザイン路線そのもので、歴史的な傑作とすら言える。

 ところが新型は、その傑作のいいところを削いで、細部を複雑にしただけ。基本的にはキープコンセプトなので、それほど悪くなったようには見えないが、明らかにデザインの純度は落ちている。

 メカ的には着実に進歩しているし、ホンダセンシングも標準装備になったが、デザインを比較すると、明らかに旧型のほうがシブかった。私なら、旧型の中古車を狙います!

■フィットシャトル(2011年6月~2015年3月)vs現行シャトル(2015年5月~)

2代目フィットをベースとしたステーションワゴンで、実質エアウエイブの後継車

ホンダシャトル。2011年6月登場のフィットシャトルから、2015年5月のフルモデルチェンジの際に車名を変えシャトルとなった

 旧型も新型も、フィットをベースにステーションワゴン化したモデルだが、ハイブリッドのメカは、旧型のマイルドハイブリッドから、新型はDCTを採用した新型ハイブリッド(それも旧型になっちゃった……)になり、大幅に進化している。その点ではまったく比較にならないのだが、デザインに関しては逆の評価になる。

 旧型は、先々代フィットを真っ当にステーションワゴン化していて、特にステキではなかったけれど、どこかヒョーキンでバランスは整っていた。「モテないけどイイ人」みたいな感じですね。

 一方、2015年に登場した新型は、当時のホンダデザインの悪癖がすべて集約されたような、複雑なものだった。エッジラインは不必要に折れ曲がりまくり、いったい何を目指したのかサッパリわからない。「モテようとして失敗したイタい人」のようだ。

 中身は断然新型がいいが、見た目は断然旧型のほうがヨカッタ。

■旧型のほうがシブイクルマその3:日産編/マーチ、エクストレイル

 日産のラインナップは、まるでダメなモデルの廃止によって、かなり整理されている。それでも残っているダメ男君の筆頭はというと……。

■先代マーチ(2002年3月~2010年7月)vs現行マーチ(2010年7月~)

2002年3月~2010年7月まで販売された3代目マーチ。2003年時点では平均で月1万台ほど売れていた。2003年10月にはスポーツモデルの12SRがラインナップに加わった

2010年7月に登場した現行型4代目マーチ。エンジンは新開発のHR12DE型1.2L、直3DOHC。現行型より生産拠点が神奈川の追浜からタイに切り替わった

 なぜこれをまだ売っているのでしょう。本当に最初から最後まで(まだ生きてるけど)、まるでダメなクルマでした。

 デザインの安っぽさはもちろんのこと、乗り味すら旧型に負けていた新型車(11年前の登場ですが)って、現行モデルではマーチくらいじゃないか? あらゆる面で旧型が光り輝いて見えます! あくまで新旧マーチの比較内の話ですが。

■2代目エクストレイル(2007年8月~2015年2月)vs現行エクストレイル(2013年12月~)

角々した初代エクストレイルの大ヒットを受けてデビューした2代目エクストレイルはキープコンセプト

欧州や北米では2代目ローグとして販売。ルノーと共同開発したプラットフォームCMFを採用した初めての車種となる

 2022年春頃にモデルチェンジを控えていて、「エクストレイルが角型に戻る!」と評判だが、やっぱり現在の欧州車的なコロンとしたフォルムはねぇ……。

 特に悪くはないものの、我々日本人には刺さらなかったッス。カクカクしていた旧型を今見ると、なんかいいなぁ、シブいなぁと感じる。やっぱ日本人はタンスみたいな形がオフクロの味ですかね?

北米や中国ですでに発売されている新型エクストレイル。ボディサイズは全長4670×全幅1840×全高1690mm

■旧型のほうがシブイクルマその4:スズキ編/ハスラー、スイフト

 スズキはスバラシイ。あらゆる意味でスバラシイ。ただ、ものすごく小さい部分で、旧型のほうがシブかったモデルが存在する。

■初代ハスラー(2014年1月~2019年12月)vs現行ハスラー(2020年1月~)

デビュー当初は衝撃的でしばらく納期は半年以上という人気ぶりだった

ほぼキープコンセプトながらよりアグレッシブに攻めてきた印象

 やっぱり新型の6ライト(横から見るとサイドウィンドウがリアドアからはみ出して、3分割になっている形状)は、なんかちょっと重たいし、あんまりかわいくない。旧型を見ると、「やっぱり傑作だったな」と思います。旧型ハスラー。見れば見るほどいいんですわ!

 新型はメカもそれほどの進化を感じないし、インパネの「3つの輪っか」みたいのも、ちょっとウルサイ感じ。あらゆる意味で旧型は自然体で、今見るとシブく感じる。

現行ハスラーのコクピット。3連のインパネガーニッシュが特徴


■先代スイフト(2010年9月~2016年12月)vs現行スイフト(2016年12月~)※スイフトスポーツを除く

3代目スイフト。切れ長のヘッドライトが特徴

現行スイフト。キープコンセプトながら凝ったデザイン

 スイスポは、旧型の1.6L、NAから1.4Lターボになり、大幅にパンチがアップ! 日常域でも実に楽しいクルマになりました。

 でもね、デザインに関しては、旧型のほうがシブかったんですよ! 特にお尻! 旧型のリアの曲線は、いい女のお尻のようにキュッと引き締まりつつふくよかで、実にエロい。本当に美しいです。新型のデザインは全体に複雑になり、そういうウットリする部分がなくなりました。

 スイスポは、メカの進歩がデザイン面のマイナスを補って余りあるけど、それ以外のスタンダードモデルは、そんなに進歩を感じないので、「旧型のほうがシブかった」という感想になるのでした。

清水さんの評価が高かった先代スイフトのリアスタイル

現行スイフトのリアスタイル

[gallink]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web

みんなのコメント

42件
  • ほとんどの車はモデルチェンジするたびに「旧型の方が渋い」と感じるのではないだろうか。
    どの車も新型になるほどゴチャゴチャした落ち着きのないデザインになっていき、相対的にシンプルな旧型が魅力的に見えてくる。
  • 全くそのとおり。
    これらの車は残念なチェンジばかり。

    中身は良くてもね…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村