■世紀のフルモデルチェンジ
上陸したばかり、ナンバー登録したばかりのハーレーダビッドソン『スポーツスターS』に乗る機会をいただきました。大袈裟と笑われるかもしれませんが、これは歴史的瞬間です。
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1957年にレースや市場を席巻していた英国車に対抗するべく、軽量・コンパクトな車体に高出力のショベルヘッドエンジンを搭載し、誕生したスポーツスター。ハーレーダビッドソンのスポーツモデルとして長きに渡り人気を博し、1986年には心臓部をエボリューションエンジンに発展させるなど進化と熟成を繰り返してきました。
同年代には、あのホンダ・スーパーカブも。排気量こそ大きく異なりますが、いつの時代も多くの人に愛されてきたという意味では、日米を代表するモーターサイクル、両国が誇れる工業製品と言えるでしょう。
従来の空冷モデルの去就は明言されていませんが、今回の水冷化は、スポーツスター史上最大といえる大刷新。長きに渡って受け継がれてきた空冷OHV2バルブエンジンと決別し、水冷DOHC4バルブへ切り替わるのです。
まさに世紀のフルモデルチェンジであり、その新型のライドフィールをいま、初めて確かめるのですから、将来的にも忘れられない貴重な体験となることは間違いありません。
試乗できたのは、鮮やかな白(ストーンウォッシュドホワイト)の車体。他に黒(ビビッドブラック)、深紅(ミッドナイトクリムゾン)もあり全3色。価格は黒=185万8000円、白と深紅が188万7700円となっています。
■足つき性良好、車体も軽い
さぁ、乗ってみましょう! サイドスタンドを払って車体を引き起こすと、スッと軽い。車体重量は228kgで、アイアン1200(従来の空冷モデル)と比較すると28kgもの軽量化を果たしたことがわかります。
ワイドなハンドルを握ると、やや前傾姿勢となり、両腕は少し張り気味に。抑えの効く、アグレッシブなライディングポジションです。フットペグはフォワードコントロールながらライダー寄りにセットされ、位置も高い。旋回時のバンク角を稼いでいます。
身長175cmの筆者(青木タカオ)だと、ヒザが余裕を持ってゆったりと曲がり、くの字型の乗車姿勢もストレスはありません。ステップは純正オプションでミッドコントロールも用意されます。シート高は755mmと低く、両足カカトまでベッタリ地面に届き、足つき性は良好です。
■低中速トルク重視のエンジン
スポーツスターSではキーレスイグニッションが採用され、エンジンはセルスターターボタンを押すと元気よく目覚めます。シフトチェンジペダルを踏み込めば、ローギヤへスムーズに入る。クランクシャフト、メインシャフト、カウンターシャフトのエンジン主要3軸をコンパクトに三角配置した現代的なパワーユニット。空冷時代のプライマリーチェーンを介したトランスミッションでは、ガッチャンと金属音を立てますが、滑らかに1速へ入ります。
水冷60度Vツインエンジンは、30度位相クランクピンによって90度Vツインや270度位相のパラレルツインと同じ爆発間隔としています。そのため、ザラついたパルス感があって、トルクも明確に太い。可変バルブタイミング機構のおかげで、全域で力強く、扱いやすさも兼ね備えています。
このパワーユニットは先行発売した『パンアメリカ1250/S』にも搭載されていますが、名称を『レボリューションマックス1250T』と、末尾にトルク型であることを示す“T”を追加し、3000~6000回転域で最大10%のトルクアップを果たしました。専用のカムプロフィールやピストンなどで、セッティングの見直しが施されています。
常用回転域でのヒット感がより強く、タイヤのグリップ感もわかりやすい。スロットルを開けた瞬間に駆動輪が路面を掴み、加速が力強いのです。
■ハンドリングも軽快
フロントエンドは迫力があり、前輪は160mmとリヤタイヤのようにワイド。ハンドリングにクセがあり、ヘヴィではないかと身構えましたが、コーナーの進入では低いステアリングヘッドから車体がすんなりと寝ていき、そのまま拒まれることなく深いリーンアングルを安定してキープできます。
軽快さと安定感のあるステアリングフィールは気難しさがなく、小回りも効く。インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークもしなやかに動き、車体の挙動を掴みやすい。狭い場所でのUターンも苦にならなかったことも報告しておきましょう。
走行時のリーンアングルも検知する最新の6軸IMU(慣性計測ユニット)が搭載され、トラクションコントロールやエンジンブレーキコントロールといった電子制御も機能。不安なくアクセルを積極的に開けていけます。
ライディングモードは予め「スポーツ」「ロード」「レイン」の3種が設定され、さらに自在に味付けができるカスタムA/B、2つのモードも用意されています。
■幅広い層に人気が出る!
空冷時代のスポーツスターはハーレーの中でも基本設計が前時代的で、オーソドックスなところが味わい深いとファンに人気でしたが、『スポーツスターS』はライドフィールが現代的で、デザインや装備を含め何もかもが新しい。
そういった点では、慎重に様子を見ている既存ユーザーからではなく、これまでハーレーに乗ってこなかった新規層から先に支持されていくかもしれません。何はともあれ、人気を獲得するのは間違いないでしょう。
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