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フェラーリがF1カナダGPで“大失敗”した理由とは? チーム代表が指摘。1-3達成メルセデスの仕事ぶりも教訓に

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フェラーリがF1カナダGPで“大失敗”した理由とは? チーム代表が指摘。1-3達成メルセデスの仕事ぶりも教訓に

 メルセデスのジョージ・ラッセルがポールトゥウィンを飾ったF1カナダGPで、フェラーリは苦しい戦いを強いられ表彰台を逃した。これを受けてフェラーリのフレデリック・バスール代表は、チームがレース週末の実行力を高めていく必要があると説明。そしてライバルからも学ぶべきことがあると示唆した。

 ざっとカナダGPを振り返ると、フェラーリは4番手チームだった。シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンは中団争いに飲み込まれることはなかったものの、表彰台争いに加わることはできずに5位と6位に終わった。

■ハミルトン、カナダGPで好結果期待も6位に終わる。大型ネズミとのクラッシュが影響「問題なければ4位になれたかもしれない」

 しかしカナダGPの週末を掘り下げていくと、フェラーリがみすみすチャンスを逃し、賢いレース運びができなかったことが見えてくる。

 ルクレールはフリー走行1回目でクラッシュを喫したことで、続くフリー走行2回目では走れなかった。予選では上位に食い込むかと思われたが、後方乱気流でマシンの挙動を乱して8番手。ハミルトンも5番手止まりだった。

 レースでもフェラーリは順風満帆とはいかず、ハミルトンはウッドチャックに接触して手負い状態。ルクレールはタイヤ戦略をめぐってチームと意見が対立した。

 ルクレールは1ストップ戦略でレースを走り切る自信があったものの、チームは2ストップ戦略を譲らず。結果的にトップ集団から大きく遅れることになり、ルクレールは不満を募らせたのだ。

「彼(ルクレール)の言う通り、集団から遅れたところで失うモノはそれほど多くはない」とバスール代表は認めた。

「リスクを冒すことはできるが、ハードタイヤで1スティント50周を走るというのは、タイヤライフという点では少し楽観的すぎた。それを見積もるための周回数が足らなかったのだろう」

 ルクレールとチームの意見の食い違いは国際映像で放送されて注目を集めたが、バスール代表曰く、フェラーリがカナダで不完全燃焼に終わった背景には、他の要因があるという。

「予選でシャルルがセクター1最速を出した時、我々にはペースがあるということを証明できたと思う」とバスール代表は言う。

「予選は週末を通しての課題だ。ポールポジションが獲れたとは言いたくないが、少なくとももっと良い形になっていたはずだ」

「FP1でのクラッシュ、予選でのミス、レースでウッドチャックが現れたこともあった。最初から多くのミスを犯してしまった。結局のところ、戦いは非常にタイトだ。完璧な週末を過ごすことができなければ、週末ごとになすすべなくポジションが入れ替わる」

「メルセデスからも良い教訓が得られた。ここ3週は全く振るわなかったのに、今回は2台を表彰台に乗せることができた。マシンが完璧に変わったとは思えない。金曜日の朝、1周目から彼らは上位にいた。準備において良い仕事をしたのだ」

 またカナダGPの予選では、ピレリの攻めたタイヤコンパウンド選択と高い路面温度に対応するため、ポールシッターのラッセルや2番手につけたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ソフトよりも安定するミディアムタイヤを選択した。フェラーリとしては、このトレンドに乗らないという選択がミスだったかもしれないとバスール代表は考えている。

「主な問題は、まずタイヤの使い方をよく理解し、予選で良いタイヤを学ぶことだ」

「そのプロセスは非常に難しい。マックスやメルセデスはマクラーレンや我々よりも良い仕事をしたと思う。しかし週末の最初から行なわれるタイヤ選択にも言えることだ。金曜日の朝から取り組まなければならない」

「タイヤを使うことで得られるパフォーマンスは、マシンの差よりも大きい。今回もモナコも、イモラでもそうだった。我々はもっと良い仕事をしなければならない」

「モナコでは前に出ることができた。ここでも予選ラップの前半では前に出ることができた。しかし決勝を1列目からスタートするためには、週末をとてもスムーズに走らなければならない。カナダでは、そこで大失敗してしまった」

文:motorsport.com 日本版 Filip Cleeren
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