走行性能と実用性、洗練性が見事にバランス
7代目フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIは、走行性と実用性、洗練性が見事にバランスした、秀抜なホットハッチだった。それが、最近の英国では1万ポンド(約195万円)ほどで狙える。相当にお買得だと思うのは、筆者だけだろうか。
【画像】頂点を極めた世代 7代目フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI 現行の8代目とRも 全137枚
2013年に発売された7代目は、当時のライバルへ対抗するため、歴代最高の性能が与えられていた。ホンダ・シビック・タイプRやフォード・フォーカス STといった、強豪と渡り合う必要があった。
シャシーは磨き込まれつつ、2.0L 4気筒ターボエンジンからは、マウントを押しつぶすような大パワーは引き出されていない。標準仕様の220psは、一般道では必要以上の馬力といえたが、手に負えないと感じるほどではなかった。
もっとパワーが欲しいというドライバー向けには、ゴルフ GTI パフォーマンスを設定。230psに大径ブレーキ、電子制御LSDが与えられ、一層ホットな走りを実現している。
郊外の一般道では、より鋭く上質。コーナーへ飛び込みアクセルペダルを踏み込んでも、粗野なアンダーステアやホイールスピンとは無縁だ。安定性が高く、大きな自信を与えてくれる。通常のゴルフ GTIと、中古車価格が殆ど変わらない点も魅力だろう。
最高峰の7代目をお考えなら後期型
7代目ゴルフ GTIのボディは、英国では3ドアか5ドアが選べ、MTかデュアルクラッチATのDSGを選択できた。ただしチューニングすると、MTのクラッチが追いつかなくなる。購入後に手を加えたいとお考えの場合は、DSGの方が賢明だろう。
2017年にアップデート。この通称Mk7.5は、英国では1万3000ポンド(約254万円)以上で取引されている。しかし、スタイリングにヘッドライト、インフォテインメントなど、改良範囲は多岐に渡る。
特に、ダッシュボードを飾る9.2インチ・タッチモニターは魅力的。モニター式のメーターパネル、アクティブ・インフォもモダンな印象を強めている。最高峰の7代目をお考えなら、追加予算で検討する価値はあると思う。
Mk7.5では、通常のゴルフ GTIが231psへ、パフォーマンス仕様では245psへ増強。お手頃な標準仕様でも、不満ない充足感を得られるはず。
運転体験で、もっと深い興奮を与えるモデルは存在するかもしれないが、オールラウンダーとしての能力で、7代目ゴルフ GTIを凌駕する例は稀有。プレミアムな雰囲気も、惹かれる要素といえる。現行のMk8.5が、超えるのに苦労しているほど。
新車時代のAUTOCARの評価は?
大幅な進化を遂げつつ、先代の6代目と特徴は殆ど変わらない。製造品質が高く安全性に優れ、強力・高速という強みは他に例がないといっていい。
走り好きの大人を満たす、不足ない速さを披露するゴルフ GTI。燃費に優れ、快適でもある。責め立てても、不安定に転じることは殆どない。(2013年7月10日)
オーナーの意見を聞いてみる
ポール・ウィルソン氏
「7代目ゴルフ GTIを購入して、1年半で3万2000kmほど走行距離を重ねました。早朝のワインディングでも、長距離クルージングでも、実力を発揮してくれています」
「一緒に暮らす犬のため、ステーションワゴン相当のクルマとして選びました。乗り心地は快適です。ただし、エンジンオイルの消費はかなり多いです。この個体は飛び石傷が多く、サイドシルカバーも割れていました」
「これまでの不調は、エアコンのコンデンサーとコンプレッサー。交換に1100ポンド(約21万円)もかかっています」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
エンジン付近からの異音やパワー不足、色の付いた排気ガス、エンジン警告灯の点灯などは、専らターボチャージャーの不調が原因。初期のMk7に組まれていたIS20ターボは、信頼性が高くない。
稀に破損し、排気系やインタークーラーを傷付ける場合もある。ゴルフ R用のIS38ユニットへの交換がベターだ。
エンジンオイルの消費が多い場合は、ピストンリングの摩耗の他、バルブシールやカムシャフトカバーシールの劣化などが疑われる。定期的にオイルの量は点検したい。ウォーターポンプの不調にも要注意。予防的な交換が吉といえる。
サーモスタットハウジングの下側から、ラジエタークーラントが漏れる場合がある。ただし、純正クーラントには漏れ防止材が含まれており、症状へ気付きにくい。アンダーカバーなどの残留物や、ハウジングの交換履歴を確かめたい。
ホイール
ダイヤモンドカットのアルミホイールは、傷付きやすく修理が難しい。腐食すると、表面がシミのように白くなる。
ボディとインテリア
フロント周りは、飛び石傷をもらいやすい。サイドシルは塗装が傷みやすく、サビることがある。
サンルーフは、シール材が劣化すると雨漏りにつながる。天井の内張りに、水漏れのシミがないか観察したい。雨水が車内へ侵入すると、様々な不調を招く。
知っておくべきこと
Mk7のゴルフ GTIには、クラブスポーツ40など、多くの特別仕様が投入された。際立つ1台をお探しなら、英国ではクラブスポーツSが好適。エンジンは310psへ強化され、リアシートが省かれ、専用サスペンションが組まれている。車重は1360kgと軽い。
史上最高のゴルフ GTIの1台といえるが、右ハンドル車は150台のみ。取引価格もお高い。また、Mk7.5の締めくくりとして、GTI TCRも追加されている。内容はクラブスポーツSには届いておらず、トランスミッションはDSGのみだった。
英国ではいくら払うべき?
5500ポンド(約107万円)~9999ポンド(約194万円)
走行距離が伸び、ボディやインテリアが時間経過を隠さないMk7 ゴルフ GTIが、英国では売られている価格帯。DSGよりMTの方が多く、状態の悪くない例もチラホラ。くまなく探す価値はある。
1万ポンド(約195万円)~1万4999ポンド(約292万円)
走行距離が許容範囲へ縮まる。フェイスリフト後のMk7.5も含まれる。
1万5000ポンド(約293万円)~1万9999ポンド(約389万円)
走行距離が短めの、状態の良いMk7 ゴルフ GTIを探せる価格帯。ワンオーナー車も少なくないようだ。
2万ポンド(約390万円)~2万4999ポンド(約487万円)
状態の良い、フェイスリフト後のMk7.5 ゴルフ GTIをお探しなら、英国ではこの価格帯。稀にクラブスポーツ系やTCRなども発見できる。
2万5000ポンド(約488万円)以上
良好な状態のGTI パフォーマンスがご希望なら、この価格帯から。クラブスポーツ系も多いが、チューニングされた例には注意したい。
英国で掘り出し物を発見
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI パフォーマンス(英国仕様) 登録:2019年 走行距離:7万7200km 価格:1万5099ポンド(約294万円)
これまで正規ディーラーで整備を受け続けてきた、走行距離が長すぎないGTIのパフォーマンス。タイヤは新品のコンチネンタル。3ドアのボディがスポーティで、トランスミッションはマニュアル。お買い得といえそうだ。
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