現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > コンパクトSUVの大穴は英国にアリ!──新型ジャガー・Eペイス試乗記

ここから本文です

コンパクトSUVの大穴は英国にアリ!──新型ジャガー・Eペイス試乗記

掲載 更新 7
コンパクトSUVの大穴は英国にアリ!──新型ジャガー・Eペイス試乗記

マイナーチェンジを受けたジャガーのコンパクトSUV「Eペイス」に小川フミオが試乗した。

最新ディーゼルの走りに感動

1年中使えるタイヤの価値とは? 新型ミシュラン・クロスクライメート2試乗記

ジャガーのコンパクトSUV「Eペイス」に、マイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせたディーゼル・エンジン車が追加されたのが、今年の2月18日だった。ちょうど半年後の8月18日にようやく試乗したところ、パワフルで、スポーティな走りを楽しめるのがよくわかった。

SUVといえば日・独それにスウェーデンのブランドが、日本での主流という感がなきにしもあらず……。そのいっぽうで、1970年の初代「レンジローバー」で、プレミアムSUVの市場を作りあげたランドローバーもがんばっている。

レンジローバーが欲しいけれど、ぜいたくな価格で二の足を踏んでいるひとにとって、姉妹ブランドともいえるジャガーのEペイスという手があることをお伝えしたい。じっさい、今回の「S D200」はわりとこなれた価格で、英国的な独自の世界観が味わえるのが魅力的だ。

搭載するのは、1997ccの直列4気筒ディーゼルターボ・ユニットだ。150kW(204ps)の最高出力と、430Nmというトルクを持つ。加えて発進直後など、エンジンが充分なトルクを出せない回転域で力をおぎなう目的で、電気モーターが補助的に動くマイルド・ハイブリッド・システムを採用したのも、特筆すべき点だ。

D200のパワーユニットはいい。軽くアクセルペダルを踏み込んだだけで、もりもりと力強くトルクを発生。並行して、速度はぐんぐんと伸びていく。

1000rpmを超えるあたりから、地面を強く蹴るように、車両は速度をあげていく。2000rpmもまわれば充分すぎるぐらいのトルクが発生し、エンジンが回転を上げていくときはスムーズで、自分が期待していたとおりの加速感が味わえる。「これがいまの2.0リッター・ディーゼルの実力か!」と、いたく感心した。

強めにアクセルペダルを踏んだときは、ディーゼル・エンジン特有のノック音が聞こえるものの、全体的に静粛性は高い。

いちど速度に乗ってしまえば、オプションである「メリディアン」のスピーカーシステムを搭載したオーディオで、室内楽を楽しめるほど、車内はしずかだ。

スポーツカーのような走り

以前、おなじディーゼル・ユニットを載せた別のモデルに乗ったときは、さほど感心しなかった。トルクはそれなりにあっても、エンジン・フィールや加速性などで、劇的なものは感じられなかったのだ。

それに対して、Eペイスでは、あきらかに楽しい。カーブでの身のこなしも、ボディの傾きは少なく抑えてあるため、スポーティなクーペのようだ。ステアリング・ホイールを操作したときのボディの反応もすなおである。

これこそ、ジャガーのSUVならではの持ち味かもしれない。私はこのEペイスのドライブでそう感じた。加速も、減速も、曲がるときも、ダイレクト感がつよい。

ドライバーと車両が一体化した印象すら受ける。スポーツカーメーカーとして出発したジャガーの名に恥じない仕上がりであると感じた。当初のEペイスよりはるかにキャラクターがはっきりしたのが、たいへん好ましい。

貢献度“大”なのは、オプションの「ダイナミック・ハンドリング・パック」というパッケージだろう。

ハンドリングと乗り心地、ともにうんとよくなったのは、電子制御連続可変ダンパーがいい仕事をしてくれているからであろうと思う。

内外装のアップデート

Eペイスは、電動化(ハイブリッド化も含む)に対応するという「PTA(プレミアム・トランスバース・アーキテクチャー)」を採用している。それによって、静粛性や乗り心地のよさが改善したとジャガーではしている。

スロットル・レスポンス、つまりアクセルペダルを踏み込んだときの加速感の改良も、PTAの目標のひとつだったようだ。活発な走りっぷり、と、感じたのは、中間加速がよりシャープになったことも関係しているのだろう。ドライバーの感覚に合うよう、うまくチューニングされている。

今回のEペイスでは、内外装のデザインも見直された。ヘッドライトのデザインや、フロントグリル、フロントバンパーロワーインサート、リアバンパーの形状を刷新。さらに、サイドベントにはジャガーの“リーパー”(跳びかかるようなジャガーの姿)ロゴを配し、新デザインのアルミホイールも追加、といったぐあいだ。

内装もいろいろ手が入っている。エンボス加工のジャガーリーパーロゴをレイアウトしたヘッドレスト、ステッチを施したシフトレバー、コンソールの小物用トレイ、11.4インチのタッチスクリーンといったものが、追加された。

試乗車のシートは、少々ざらっとした手触りに表面処理されたレザー張り。見た目はシンプルでありつつ、座り心地はよいし、おそらく長時間乗っていても疲れないのでは、と、思わせる快適なものだ。

「Pivi Pro」なる大型11.4インチのモニターがダッシュボードに据え付けられたのも、Eペイスがトレンドにちゃんとキャッチアップしている点。エアコンなどブラインドタッチで使う頻度が高い操作は、モニター内でなく、独立した物理的コントロールでおこなうのは、リアル・ライフでの使い勝手を考えてのことだろう。

試乗した「S D200」はリッターあたり14.3kmという燃費(WLTCモード)で、価格は576万円。さきに触れた「ダイナミックハンドリングパック」(22万9000円)や、パワージェスチャーテールゲートなどを含む「コンビニエンスパック」(18万6000円)は、どうしても欲しくなる。

いろいろ迷えるのも、プレミアム・ブランドならではの楽しさだ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

こんな記事も読まれています

GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
モーサイ
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
バイクブロス
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
月刊自家用車WEB
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
バイクブロス
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
日刊自動車新聞
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
くるまのニュース
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
VAGUE
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
motorsport.com 日本版
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
@DIME

みんなのコメント

7件
  • 今のジャガーとボルボは優雅でスタイリッシュ、品を感じますね。
    ジャーマン勢のようなアクの強さも嫌らしさもなくてお気に入りです。
  • これは良いですね!
    しかしディーラーが信用できない。
    定期点検後にボンネットを開けたら工具が出てきたり
    交換したと言ったエアエレメントは劣化したまま。
    高額な車検見積もりを出して来るのも嫌だ。
    そろさろ脱法行為を見直してくれないかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

764.0811.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

178.0558.0万円

中古車を検索
E-PACEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

764.0811.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

178.0558.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村