1万7500人のファンが集い会場は大盛り上がり!
秋晴れの好天に恵まれた2019年11月10日(日)、ツインリンクもてぎではHonda Racing THANKS DAY 2019が行われました。サーキットサファリ&グリッドウォークに始まり、レーシングドライバーとレーシングライダーが争うHonda Racing Kart Cup、開発車両を含め6台のHonda NSXによるSUPER GT Honda Grand Prixや7台のマシンによるSUPER FORMULA FINAL BATTLEなど、これまでもお馴染みだったコンテンツに加えて鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)の卒業生によるSRS-Formula Cupなど新たなコンテンツも追加。ドライバーやライダー、監督とともに、1万7500人のファンが心行くまで楽しんでいました。
最初の走行コンテンツはハローウッズのレーシングカート用のコースを使ったHonda Racing Kart Cupでした。例年はレーシングドライバーによるレースとレーシングライダーによるレースの2部制で行われてきましたが、今回はそれぞれがコンビを組み、2人1組のリレー形式で行われるものとなりました。トロ・ロッソで活躍中のF1ドライバー、ダニール・クビアト選手は全日本タイトルを7連覇中のトライアルライダー、小川友幸選手とコンビを組み、スーパーGTでも活躍しこの日が国内でのラストランとなるとも言われる元F1チャンピオンのジェンソン・バトン選手はMoto2で活躍するソムキャット・チャントラ選手と、スーパーGTで活躍する武藤英紀選手はMoto-GPで活躍中のカル・クラッチロー選手とペアに。ファンにとっては夢のような顔触れが登場しています。
まずはレーシングドライバーが予選のタイムアタックと前半のパートを担当、全日本モトクロスのIA1クラスでチャンピオンに輝いた山本 鯨選手とコンビを組むWTCRで活躍中のエステバン・グエリエリ選手がポールを奪いました。決勝ではバトン選手が追い上げてトップに立ちチャントラ選手に交代しましたが、トップを快走中に後続の数台と絡んで後退。漁夫の利を得る格好でクラッチロー選手がトップに立ってそのままチェッカー。コンビを組む武藤選手は「レースは最後まで諦めちゃいけない。そんな典型だったね」とコメントしました。
午前10時30分から今年初開催となったSRS-Formula Cup。今年、プリンシパルに就任した佐藤琢磨(第3期生)選手から17年に首席で卒業し今シーズンはFIA-F3を戦った名取鉄平選手まで、8名のSRS-F卒業生によるスクールカーを使ったエキシビジョンレースです。8名全員が現役のレーシングドライバーで、しかも使用するスクールカーはFIA-F4に匹敵するレーシングフォーミュラだけに、レーシングカートを使ったHonda Racing Kart Cupに比べても、より本物感に溢れていました。
ポールポジションからスタートすることになった佐藤“校長”が、フォーメーションスタートのタイミングを勘違いしてしまったのはご愛嬌でしたが、正規のスタートではほぼ一団で好スタートを決めると、エキシビジョンとは思えない迫力で バトルを展開します。そして佐藤選手をパスした野尻智紀選手が中盤からは独走を続けました。その後、佐藤選手は塚越広大選手にも先行を許して3位でチェッカー。「周回数を勘違いしていました」という野尻選手が最後のストレートでスピードを緩めたのを見逃さず、後方から塚越選手が急接近。コントロールライン手前で野尻選手をかわすというハプニングもあり、最後の最後まで観客席のファンを沸かせるエキシビジョンレースとなりました。
スーパーフォーミュラ・マシンによるバトルも!
正午前からはホームコースを使って、この日参加したドライバーやライダー、監督が勢ぞろいするHonda Racing THANKS Ceremonyが行われました。太鼓と三味線が演奏されるなか参加者が次々に登場し、これを迎えるHondaの八郷隆弘社長と握手を交わしたあと、赤じゅうたんの上に並んでいきます。全員が勢ぞろいしたところで八郷社長が挨拶し、ライダーとコンストラクターの2冠を達成したMoto-GPや好調の兆しを見せ始めたF1GPから、惜しくもタイトルを逃したSUPER GTなどの国内レースまでを総括。詰めかけたファンのシーズン中の応援に感謝するとともに、来シーズンは連覇と王座奪回を約束。これに続いて2輪のライダーを代表してワークスチームのLCR HondaカストロールからMoto-GPに参戦しているクラッチロー選手、4輪のドライバーをしてレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングでインディカーを戦っている佐藤琢磨選手の2人が挨拶に立ち、それぞれファンの熱い応援に感謝しているとコメントしていました。
引き続いてロードコースでは、SUPER GT Honda Grand Prixが行われました。これはSUPER GTで活躍してきたHonda NSX-GTによるエキシビジョンレースで、シリーズに参戦した5台に加えて開発車両も登場する6台のHonda NSXが出走。シリーズに参戦した5台は、シリーズ中と同じドライバー・コンビで、開発車両の#99号車にはF1ドライバーのダニール・クビアト選手とインディ500マイルで優勝経験を持つ佐藤琢磨選手という豪華なコンビがドライブする夢の競演となりました。99号車も途中ピットインしてはドライバー交代を行いましたが、シリーズに参戦する5台はピットインしてドライバー交代に加えタイヤ交換も行い、レースの雰囲気は満点でした。
11名のプロライダーがそれぞれの愛機、Moto-GPからスーパーバイク、さらにはモトクロッサーやトライアルバイクまで、さまざまなレーシングバイクを使ってコース上でパフォーマンスを展開するHonda Riders パフォーマンスを挟んで、午後2時前からは7台のスーパーフォーミュラ・マシンによるSUPER FORMULA FINAL BATTLEが行われました。最終戦までドライバーチャンピオンを争っていた山本尚貴選手と着実にポイントを重ねてチームタイトル獲得に貢献した福住仁嶺選手(ともにDOCOMO TEAM DANDELION RACING)の2台を筆頭に計7台のマシンが参加。エキシビジョンであることを忘れさせるようなバトルを繰り広げて観客に、迫力と醍醐味が満載されたスーパーフォーミュラの魅力をアピールしていました。
さらにHonda Racing 60th Anniversaryとして1965年シーズン用のHonda RA272を始めとする5台のF1マシンと66年シーズン用のHonda RC181など4台のグランプリ・ロードレーサーをピットロードに展示。また佐藤琢磨、カル・クラッチロー、小椋 藍の各選手が、88年シーズンに16戦15勝とこの年のF1GPを圧倒したマクラーレンMP4/4・HondaやNSR500、RC213V、NSF250RWなどの名機のデモランを行いました。
グランドスタンド裏のプラザではドライバーや監督によるトークショーが行われ、またハローウッズの特設コースではトライアル・スペシャルが行われるなど朝から晩まで盛り沢山のプログラムが繰り広げられ、ドライバーやライダー、監督とともに、1万7500人のファンはHonda Racing THANKS DAY 2019を楽しんでいました。
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