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JKA日本カート協会が新たに設立。チェアマン就任の山本尚貴「業界の熱い想いに貢献できれば」

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JKA日本カート協会が新たに設立。チェアマン就任の山本尚貴「業界の熱い想いに貢献できれば」

 6月24日、東京・お台場にあるCITY CIRCUIT TOKYO BAYにて、一般社団法人 日本カート協会(Japan Karting Association=JKA)の設立記者会見が開催された。会場には、同協会の代表理事(チェアマン)に就任したプロレーシングドライバーの山本尚貴氏や社員代表の谷本勲氏、理事に就任したカート業界関係者も集い、競技の未来に向けた新協会の設立が発表された。

 主催のJKAは、「カートを通じて健全なモータースポーツ文化を未来に継承する」ことをビジョンに掲げ、次世代のレーシングドライバーや競技支援人材の育成、そしてカート競技の裾野拡大を目的に設立された団体である。

カートを通じて文化を未来に継承することを目指す一般社団法人日本カート協会が設立準備を開始。代表理事に山本尚貴が就任

 そして山本は、2024年まで全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦し、計3度のチャンピオンを獲得。現在は、これまで2度の王者経験を持つスーパーGT500で活躍している。

 その山本は、一般社団法人であるJKAの登記上は『代表理事』の役職となるが、すでに団体内では『チェアマン』と呼ばれているという。山本チェアマンは会見にて、「約半年ほど前に代表理事就任の打診をいただいて、今のカート業界が持つモータースポーツにかける熱い思いを聞きました」とし、新たに始動するJKAでの活動について思いを語った。

「自分はまだスーパーGTに参戦している身ですので、プロの現役選手としては代表理事就任を少しだけ悩んだ部分もありましたが、年齢も今年で37になりまして、新しいフェーズに来たのかなと思い、引き受けました」

「自分もカート競技からステップアップをしてきましたし、カート時代には運転技術のみならず、人間形成もなされてきたと言っても過言ではないと思っております。自分にとってカート競技がすごく大切なものであることは、今も変わりませんので、カート業界の熱い想いになんとか貢献できればと思っています」

 続いて山本チェアマンは会見内でカートに初めて乗った際のことに言及。今から30年以上前の6歳の頃だといい、当時の新聞折込チラシからカート場の存在を知ったのだと話した。

「6歳の時、祖母の家に遊びに行った際に、新聞の折り込みチラシで近所にレンタルカートコースがオープンしたことを知り、家族や親戚と一緒に遊びに行ったことがきっかけでした」

「そこで初めてエンジン付きの乗り物に乗ったわけですが、その時のインパクトはものすごく強烈なものでした。そこからは、父がF1好きだったこともあり、実際に鈴鹿サーキットでF1を自分の目で見て、『自分もレーシングドライバーになりたい』という思いを抱いたことを覚えています」

 そんな山本がチェアマンを務めるJKAは、8月18~20日にオートパラダイス御殿場で、『有望選手発掘夏合宿』の実施を予定している。具体的なプログラムについてはこれから検討するとのことで、カデットクラスにあたる10歳前後の子どもを対象に、走行タイムのみならず社交性や表現力などを見るためのさまざまなプログラムを用意し、複数人の審査員とともに実施するという。

 さらに、有望選手発掘合宿以外にも、各地のカート大会に赴いてのスカウティングも視野に入れることで、さらなる若手発掘の機会を広げていく方針とのこと。

 こうした若手選出以降に予定する育成プログラムについては、まだJKA内で検討中であるために細かい内容については伏せるとしつつも、「しっかりと個々の能力を伸ばしつつ、社会性や表現力においても、ここで培ったことがモータースポーツ業界を越えてしっかりと発揮できるような教養を身につけられるように」考えていると語る。

 そして山本チェアマンは、現在のカート業界への印象やヤマハの撤退にも触れつつ、JKAチェアマンとしての活動を意気込んで締めた。

「先日視察したイベントでは、パドックについては自分が参戦していた20年前よりもかなり華やかになったな、という印象でした。一方で、参加台数などの規模については、かなり減ってしまっている現状があります」

「ただ、カート業界の火を絶やさずになんとか復活させて、燃やそうとしている関係者の方の思いも確認できました。これからは、選手だけでなくメカニックさんなどのチームメンバーも含めて、若い層も取り込みながらカート業界の普及にもしっかりと手を打っていきたいです」

「最近のヤマハさんの撤退にも衝撃を受けましたし、本当に残念なことではあります。ただ、ヤマハさんとは今後も密に連携を取りながら、彼らの意志を我々が引き継いでいければと考えています。これから先、我々JKAのロゴと名前が業界関係者の皆さんにも信頼していただけるような活動を進めていき、カート業界を盛り上げられたらと思います」

 また、会見にともに出席した社員代表の谷本氏によれば、今後JKAはメーカーやチームなどとの連携を深めながら、今年展開するカデットクラスの若手選出合宿の次に、ジュニアクラスの育成プログラム、さらに先にはFIA-F4での活動を支えるスカラシッププログラムの展開を目指す方針とのことだ。

[オートスポーツweb 2025年06月24日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

1件
  • 高野進一
    一生カートを楽しむ人が、このクラス?レーシングドライバーにか、カートの世界へ戻るシステムもかな。年代別?年代差のカート遊び、交流でしょうかね。モータースポーツは、各地の零細なコースからかもよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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