8月2日に静岡県の富士スピードウェイで2026スーパーGT第4戦『FUJI GT 300km RACE』の決勝が開催された。GT500クラスポールポジションからスタートした太田格之進/大津弘樹組の8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTは同じホンダ陣営の100号車STANLEY HRC PRELUDE-GTに逆転を許し2位フィニッシュとなった。レース後のドライバーふたりは開幕2戦の苦戦からの表彰台獲得には喜んだものの、2位という結果には悔しさをみせた。
第1スティントを担当した大津は「リスタートのタイミングがよくなく、(100号車STANLEYに)後ろでスリップストリームにつかれてしまいました。本当にそれが今回の敗因のすべてかなと思います」とレース後のトップ3囲み会見の場で間口一番に言い、その表情に笑顔はなかった。
100号車STANLEYがプレリュード初勝利。山本が首位奪取で牧野が太田を防ぎ号泣チェッカー【GT500決勝レポート】
ホンダ/ホンダ・レーシング(HRC)が今季からスーパーGT GT500クラスに投入したプレリュードGT。ホンダ陣営のなかでも8号車はARTAと無限のダブルネームにHRCも関与した実質的なワークスチーム、太田と大津という速さと強さを兼ね備えたドライバーふたりがステアリングを握るということで注目されていたが、開幕2戦はまさかのノーポイントに終わっていた。
迎えた第4戦富士では逆襲を期す予選ポールポジションを獲得した8号車ARTA。決勝は大津が最前グリッドからスタートを切ったものの、64号車Modulo HRC PRELUDE-GTが宙を舞う大クラッシュにより赤旗中断に。その後のリスタートではハードめのコンパウンドを履く2番手の100号車STANLEY山本尚貴が、ソフトコンパウンドタイヤを履く大津を1コーナー進入で捉え、8号車ARTAはそこからジリジリと引き離されてしまった。
冒頭の言葉に続いて大津は「最初のスタートでは赤旗中断がありましたけど、そのときはセーフティカースタートでも雨スリックの状況だったのでかなり難しかったですね。再開後はドライコンディションだったのですが、他車のピットタイミングで3番手に順位を落としたなかでも、太田選手が追い上げてくれたのでペースはかなりあったはずです。そういった意味でも、非常に悔しいレースでした」と第4戦富士を総括した。
選択タイヤについては100号車STANLEYとは異なるコンパウンドとのことで、大津のスティントでも「序盤は相性が良いかなと思ったのですが、後半は路面温度に対してレンジが低かった」と続ける。一方で太田にドライバーを交代したレース終盤は路面温度が下がっていたため100号車STANLEYより有利に進められたが「うまくリスタートさえできていれば……」と大津は悔しさを吐露した。
■太田が追い上げも届かず2位。それでも感じた手応え
また、第2スティントで8号車ARTAのステアリングを握った太田は「予選後にひとつのタイヤが使うことができなくなり、決勝では本命のタイヤを使うことができませんでした。本来はもうひとつ硬いコンパウンドを使用したかったのですが、どうしてもソフトに変えざるを得なくなってしまい、レースペースをセーブしていました」と明らかにする。
「やはり気温が高いのでかなり厳しくて、本当にフラフラの中で何とか離されないように頑張って走っていました。タラレバですけど予選と同じ硬めのタイヤを使えていたら、また違う展開があったかもしれないです。本当は雨が降ってほしいくらいに思っていたんですけど降らなかったし、途中にはがっつり日差しも出てしまいました。天は僕たちに味方しなかったですね」
100号車STANLEYに逆転を許したとはいえ、太田はピットストップで先行された37号車Deloitte TOM’S GR Supraをダンロップコーナーでかわして2番手に再浮上。そのままチェッカーフラッグを受けて今季初ポイントの表彰台を獲得した。
「ペース的には全体でも一番速いくらいで終盤ずっと走っていたと思います。追い抜いて勝っていれば最高のレースでしたけど、ギリギリで足りなかったので悔しいですね。でも、37号車を追い抜くときもあそこしかチャンスがなかったですし、そこまでは横に並べないくらい彼らは速かったです。本当に一発で仕留める強さを見せることができましたし、ロスを最小限に抑えられたので良かったです」
パートナーの大津もプレリュード3戦目での表彰台に「HRCとチームの皆さんが努力した結果ここまで来ることができました。僕たちとしては、かなり低迷していたところから、いきなり表彰台に乗れるくらいのポテンシャルを引き出すことができました」と述べ、ホンダのホームコースである第5戦鈴鹿以降の後半戦を見据える。
「ただ、チームとしては精度をどんどんと上げていかないといけない時期でもあります。もちろん優勝したかったのは山々ですけど手応えを感じることができました。まずは今回の2位をひとつのきっかけに、これからはワークスチームとして強いレースをすることができるのではないかと思っています」
大注目のニューマシンとして2026年にデビューしたホンダHRCプレリュードGT。HRC渡辺康治社長も2日間現地でレースを見守る御前試合でワン・ツーフィニッシュを飾ったことはホンダ陣営にとって後半戦への自信にもなったはず。ここからプレリュードの逆襲がスタートするかもしれない。
[オートスポーツweb 2026年08月02日]
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