この記事をまとめると
■2026年になってノア&ヴォクシーがアルファード以上に売れている
ノアヴォク・セレナ・ステップワゴンの熾烈な争いは海の向こうでも勃発していた! インドネシアでついにステップワゴンe:HEVが登場
■ノア&ヴォクシーは絶妙サイズと圧倒的な商品力でファミリー層を獲得している
■ハイブリッド性能や安全装備の充実でライバルを圧倒する
じつはアルヴェルの影でバカ売れ中
ここのところのトヨタ・アルファードの超人気はいわずと知れたもので、増産の予定があるとの情報もある今日このごろだが、じつは2026年に入り、ノア&ヴォクシーのほうがバカ売れしているのだ。具体的に説明すると、2025年通年の新車販売台数を見ると、1位のヤリス(16万6533台)、3位のシエンタ(10万6558台)はともかくとして、高価格帯にもかかわらず7位にアルファード(8万6959台)、22位にヴェルファイア(3万3031台)がつけていた。一方、ノアは8位(8万8065台)、ヴォクシーは9位(7万8760台)というランキングである。つまり、ベスト10にトヨタのミニバンが4台もランクインしていたというわけだ。
が、2026年に入るとどうだ。直近の2026年2月の新車販売台数では1位ヤリス、2位シエンタ、3位カローラ、4位ライズとトヨタ勢が1~4位を独占し、なんとヴォクシーが前年同月比127.5%の爆売れで6位に浮上(ノアは9位)。アルファードは12位に落ち着き、ヴェルファイアは26位となっている。ヴォクシーとアルファードの販売台数はそれぞれ8196台、6206台と、ヴォクシーが圧倒するに至っているのだ。
ちなみに、トヨタ・ノア&ヴォクシーには日産セレナ、ホンダ・ステップワゴンというガチなライバルが存在するが、2025年通年ではセレナが11位、ステップワゴンが15位。2026年2月期ではセレナが8位、ステップワゴンが16位となっている。
ではなぜ、同じMクラスのボックス型3列シートミニバンのなかで、そこまでヴォクシーの人気が爆発したのだろうか。
ひとつは、ヴォクシーの圧倒的な商品力、そしてスタイリッシュさにあると思われる。フロントグリルの迫力はヴェルファイアにも通じるものだし、リヤの横一直線のコンビランプはドイツのスポーツカーも採用するデザインで後ろ姿のカッコよさを印象付け、サイドビューもまたクセがなく万人受けするデザインではないか。アルファードまでの価格、大きさ、室内の豪華装備、広さは必要ない……、しかしミニバンのもつファミリー臭さはノーサンキューであくまで押し出し感やスタイリッシュさは欲しい……というミニバンユーザーにとって、ヴォクシーは最適解の選択になりうるというわけだ。
そもそも2022年に登場した、8年ぶりにフルモデルチェンジを行った4代目ノア&ヴォクシーの進化はライバルを震撼させるほどの、想像を遥かに超えたものだった。新たにGA-Cプラットフォームを採用するとともに、ボディサイズは全長、ホイールベースともに先代同一としつつ、全幅は幅広過ぎない1730mmの3ナンバーサイズに統一(先代のエアロモデルは1735mm)。ちなみに、駐車性にも影響する全長はノア&ヴォクシーが4695mm。セレナは4810mm、ステップワゴンが4800mm。全幅はノア&ヴォクシー1730mm。セレナ1715mm(ハイウェイスター)、ステップワゴン1750mm。Mクラスボックス型ミニバンに大きすぎないサイズ感を求めるならノア&ヴォクシーになるだろう。
パワーユニットは2リッターダイナミックフォースエンジン(170馬力、20.6kg-m)と10速CVTの組み合わせ(先代は7速)でWLTCモード燃費は14.8km/Lだった。そしてハイブリッドモデルは先代ノア&ヴォクシーが第三世代、最新のプリウスが第四世代と呼ぶならば、この新型ノア&ヴォクシーのシリーズパラレル式ハイブリッドは、トヨタの他車に先駆けたまったく新しい第五世代を採用。モーター16%、バッテリー15%の出力アップを果たすとともに、Xグレードで23%もの燃費向上が計られ、WLTCモード燃費はこちらもクラストップの最高23.0km/Lをグレードを問わず達成している。 ※セレナe-POWER最高20.3km/L。ステップワゴンe:HEV最高19.8km/L。いずれも2WD車
パッケージング、室内空間、居住性も大きく進化している。運転席に座れば、巨大なフロントウインドウ、極細Aピラーと大型三角窓、すっきりとしたインパネデザインによって、前方、および斜め前方の視界は極めてルーミー。パノラミックな視界が広がり、運転席に座った瞬間から運転のしやすさを実感できるのだ。
インパネセンターにはコネクテッドナビ対応の8インチのディスプレイオーディオ、そして上級の10.5インチのディスプレイオーディオ+(プラス)を用意。+(プラス)のナビにはリアルタイム情報機能もあり、ガソリンスタンドのガソリン価格(口コミによる)、駐車場料金、空車情報(特定のパーキング)、食べログのレストラン評価など、これまでわざわざスマホで検索していたような情報もナビ画面上での表示が可能となる。
エージェント機能もあり「ヘイ・トヨタ」と呼びかけてから、行ってほしいことを発声すれば、目的地設定はもちろん、ウインドウの開閉、エアコンの温度調整(後席エアコン含む/2度単位で上下してくれる)などのさまざまなエージェント操作が可能だ。マイクは運転席、助手席それぞれの頭上にあるため、たとえば運転席で「窓を開けて」と発声すれば、運転席側の窓だけを開けてくれるのだから、機能はかなり高度だ(助手席の人が発声すれば、助手席の窓を操作できる)。
マイナーチェンジ直前も好調だったノアヴォクの新車販売
実用機能の充実ぶりも目を見張るものがあった。スライドドアにはレクサスNXから新搭載された降車アシストが備わり、停車中、車内からスライドドアを開けようとした際、常に後方を監視しているBSM(ブラインドスポットモニター)によって後方から接近する自転車や車両を検知。ブザーと音声による注意喚起に加え、スライドドアのオープンを途中で停止させ、安全を確保。この機能は、じつはフロントドアにもあり、不用意に開けようとすると、アラームで注意喚起してくれるのだから、安心・安全だ。
現行ノア&ヴォクシーはミニバンの特等席である2列目席も優秀だ。先代もリラックスキャプテンシートによるロングスライドが可能だったのだが、後方にロングスライドさせるとシート外側とリヤホイールハウスが干渉し、左右のシートを内側に中寄せスライドさせる必要があった(2席が接近する)。が、現行型では、2列目キャプテンシートのリクライナーを内側に寄せた設計とし、中寄せスライドなしにストレート超ロングスライドを可能にした結果、両席が独立したまま、超ロングスライド時でもUSBソケットをふたつ完備した折り畳み式テーブルが使え、また2-3列目席スルー(車内移動)が可能となるメリットをもたらしている。
なお、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で、2列目リラックスキャプテンシートを最後端までスライドさせたときの膝まわりスペースは、実測で先代と同じ、足がゆったり組めるどころじゃない広さの600mmに達する。合わせて、3列目席の格納もワンタッチで行えるから便利すぎる。
バックドアの操作性もピカイチだ。ボックス型ミニバンのウィークポイントのひとつが、縦開きの巨大なバックドアを全開にする際、車体後方に約1mものスペースが必要になるのだが、ノア&ヴォクシーの場合、任意の位置で止められるパワーバックドアじゃないほうの手動バックドアでもからくりのフリーストップバックドア機構によって任意の位置で固定でき、車体背後にスペースのない場所でも荷物の出し入れは容易。
さらに、パワーバックドアではスイッチが車体側面にあり、パワーでドアを開ける操作をした際、バックドアが身体に当たることを防げるアイディアまで盛り込まれているのだから、使い勝手は文句なしといっていい。
先進運転支援機能をトヨタ最新、最先端のものにいきなりアップデート。歩行者の横断、飛び出しを先読みしてステアリングとブレーキ操作をサポートするリスク先読み機能や、ライバルにないレーダークルーズコントロール=ACCを使っていないときでもカメラで先行車やカーブを認識して作動する先行車&カーブ減速支援機能のプロアクティブドライビングアシストまで搭載。トヨタ最新のアドバンストドライブから、スマホでノア&ヴォクシーをラジコンのようにも扱える先進の駐車支援システム、車内Wi-Fiなどをフル搭載。
つまり、ライバルを青ざめさせるに十分といっていい内容で登場したのである。そうした商品力がノア&ヴォクシーの人気に直結しているに違いない。
ここまでのノア&ヴォクシーの内容だけでも、Mクラスボックス型ミニバン選びでライバルを退けるに足りるかも知れないのだが、2025年9月の一部改良が、いまに至るノア&ヴォクシー人気、爆売れ状態を加速させていることは間違いない。その大きな理由が、それまではメーカーオプション扱いだった装備が標準装着されるようになったこと。
ノア&ヴォクシーのS-Z、S-Gについては、ETC2.0ユニット、ブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)、先ほど触れた安心降車アシスト(ドアオープン制御付き)。ノア&ヴォクシーのS-Zではディスプレイオーディオ、バックガイドモニター、ノアのXではスマートエントリー&スマートシステム(ガソリン車)、ワンタッチスイッチ付きパワースライドドア(助手席側)が標準装備となったのだ。さらに、ノア&ヴォクシーのS-Z(ハイブリッド車)に標準装備されるAC100V/1500Wコンセントに外部給電アタッチメントが追加されるなど、装備の充実度が大幅にアップしているのである。
最大26万円の価格アップも、納得できる人は納得できる内容といっていい。
2025年9月に一部改良したばかりだというのに、5月にも一部改良を実施したノア&ヴォクシー。エクステリアデザイン、ディスプレイまわりの変更とともに、ガソリン車を廃止。売れ筋の2モーターのストロングハイブリッドのみとなる。加えて、納期短縮のために増産の秘策(すでにノア&ヴォクシーを生産している台湾工場生産車から一部グレード? 秋から?)もあるというのだから、ノア&ヴォクシーの爆売れ状態はさらに加速しそうだ。
もちろん、2025年9月に続き、価格アップは避けられないはずだが、それでもアルファードに比べれば依然、絶妙なボディサイズを含め、商品力に隙はなく、なおかつお手頃だ。セレナ、ステップワゴンはいままで以上にウカウカしていられない……。
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週末は贅沢に家族で丸亀製麺だ。