ポルシェ タイカンを上回るスペックで注目の中華EV「ジーカー001」。その恐るべき性能を日本の超有名メーカーが支えている

ジーカー 001はスペックでポルシェ タイカン4Sを上回る

ボルボやロータスを傘下に持つことで日本でもその名が知られ始めた中国の大手自動車メーカー「ジーリー（吉利汽車）」グループ。最近は電気自動車に力を入れていますが、たった5分で120km相当の電力をチャージできる急速充電や、200万kmまでバッテリーの寿命が持つ技術でも話題を集めています。

そんなジーリー・グループの電動プレミアムブランドが「ジーカー（ZEEKR）」。第1弾モデルとなる「ジーカー 001」はデュアルモーターの4WDモデルとシングルモーターの後輪駆動モデルを用意していますが、パフォーマンスが圧倒的なのはAWD仕様です。

前後モーターのトータル最高出力は400kW（543ps）、最大トルクは768Nm、0‐100km／h加速は3.8秒と、スペック上で言えばポルシェの電気自動車「タイカン4S」よりもパワフルで、加速性能も勝っています。

さらにバッテリー総電力量は、86kWhと100kWhの2タイプを設定。100kWhの後輪駆動モデルであれば航続距離は712km（NEDC・新欧州ドライビングサイクル）に達します。

駆動モーターには日本電産の最高級ユニットが使われている

全長 4970×全幅 1999×全高 1560mmという立派な体躯も、中国ではタイカンの強力なライバルという風に見られています。これから電気自動車を出していくと宣言している日本メーカーも蹴散らされてしまいそうな勢いで、こうした中華EVを見ていると、日本車の未来に不安を感じてしまうのではないでしょうか？

とはいえ、そんなZEEKR 001には日本由来の技術も入っています。例えば駆動モーターは前後とも同仕様のモーターが採用されていますが、これは日本電産製で、「Ni200Ex」というeアクスルシリーズの最上級グレードです。

eアクスルはモーター・インバーター・駆動ギアを一体化したユニットで、出力に対して小型軽量、効率面でも有利な設計となっています。電気自動車の駆動モーターで世界シェアの半分近くを獲得するという目標を掲げる日本電産の自信作です。

サウンドシステムはヤマハの12スピーカー＆8chアンプ

ジーカー 001に採用されているもう一つの日本の技術はカーオーディオです。ヤマハがフルカスタムで開発を担当したサウンドシステムは、センタースピーカーやサブウーファーを含む12個のスピーカーで構成されで、ヤマハ製プロセッサを載せた8系統のアンプシステムも搭載され、音響チューニングや電気自動車の走りを演出する加速音なども演出。ヤマハのノウハウが詰め込まれたフルシステムとなっています。

こうした日本発の技術が搭載されていると知ると、ジーカー 001に俄然興味が湧いてくるのではないでしょうか。しかしながら、ジーカーは欧米での販路開拓は計画していますが、日本での展開については未発表です。

日本電産のモーター、ヤマハのサウンドというアピールポイントがあれば日本でもプレミアムブランドとしてキャラクターを確立できる可能性があります。右ハンドルの開発にリソースを割きたくないということなのかもしれませんが、是非とも日本導入を検討して欲しいと思います。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

トヨタのEVより数百倍格好良いな。
トヨタ車にはない「品」がある。
いい加減、トヨタもデザイン勉強しろよ・・・

電気自動車だと何時か日本は負ける
パソコンや液晶テレビ、スマホの様に...
それなりに走れて安ければ...
最後はトップバリューの電気自動車でるかも...