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スバル復権のために…初代レガシィ誕生。伝統のフラット4+4WDを継承[driver 1989年3-5号より]

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スバル復権のために…初代レガシィ誕生。伝統のフラット4+4WDを継承[driver 1989年3-5号より]

自動車雑誌ドライバーが過去に取り上げた記事が今に蘇る「DRアーカイブズ」。今回は1989年3-5号の「NEWモデル スバル レガシィ」を振り返る。

◇◇◇

【日産ローレル vs トヨタ マークII】高級パーソナルカー対決[driver 1989年2-20号より]

その名のとおり、スバル伝統のフラット4+4WD技術を伝承、かつ熟成・発展を図ったNEWブランドの誕生だ。世界中のあらゆる道路を実際に走破することで造り込んだというレガシィこそ、“走りのスバル”復権のための強力兵器だ!

■スバル新世代を担う主力モデル

レガシィは、スバルが総力を結集して完成した上級サルーン。排気量は1.8Lおよび2Lで、実質的にはレオーネの発展継承モデルというポジションだ。LEGACY(伝承物)という名称もその間の事情を端的に表わしていると同時に、水平対向エンジン、乗用4WDシステムなどのスバルならではのテクノロジーを伝承し熟成、集大成したクルマという意味が込められている。

もちろん、単にレオーネの遺産を受け継いだだけのクルマではない。実質的な機能やクオリティが強く求められるであろう1990年代を見据えて、「2Lクラスとして世界に通用するすぐれた基本性能、品質」「走りにおいて主張性のあるクルマ」「スバルの伝統あるハイメカニズムの継承、発展」をテーマに開発、各車がしのぎをけずる2L市場に参入したわけだ。なお、レオーネは1.6Lシリーズのみ継続生産される。

レガシィのボディは4ドアセダンとツーリングワゴンの2タイプ。ホイールベースは2580mmとレオーネより延長され、全長、全幅はドライビング性も考慮しつつサイズアップ、インテリアはゆとりある居住空間を確保している。そのスタイリングは、ローノーズ・ハイデッキの基本フォルムを持つ正統的なもの。ボディの前後は絞り込まれ、スリークなブリスターフェンダーと張り出しの強いサイドシルがアクセントをつけている。キャビンはサッシュレスドア、ブラックアウトピラー、ラウンドしたリヤウインドーなどによるグラスラウンドキャビンを構成。スポーティな印象だ。RSはエアダム一体フロントバンパー、フロントグリル、スカート埋め込みハロゲンフォグランプ、フードエアダクト、リヤスポイラー、エアロアンダースカートなどを装着、15インチアルミ+205/60タイヤなどにより、他グレードとは一線を画す個性的な外観が与えられている。

インテリアは「信頼のおける、心おちつくヒューマンデザイン」がテーマ。ラウンドしたインパネや乗員を包み込むようにデザインされた室内空間を持ちながら、操作性や機能性も両立。シートはRS、VZ、その他のグレード用の3タイプがあり、RSはモモ社製の4スポークステアリングと革巻きシフトノブも備え、スポーツモデルらしいコックピットを形成している。

■1.8Lは2カム16バルブ

レガシィで注目されるのは、なんといっても全面新設計された3種の16バルブ・パワーユニット。スペックは2L4カム16バルブインタークーラーターボのEJ20が220㎰/6400rpm、27.5kgm/4000rpmと強力そのもの。ノンターボ4カム16バルブのEJ20も、可変吸気システムなどによって低速トルクを確保しつつ、150㎰/6800rpm、17.5kgm/5200rpmを、OHC16バルブのEJ18も110ps/6000rpm、15.2kgm/3200rpmのハイスペックを達成。レガシィは1.8~2Lのパワーリーダーとなった。

この3種のニューエンジンは、水平対向を知りつくしたスバルならではのもの。従来の3ベアリングを改めて5ベアリングにすることによりスムーズな高回転特性と優れた振動騒音レベルを達成。さらに、水平対向だからこそ可能なビッグボア&ビッグバルブ化とセンタープラグ配置により高能率急速燃焼を実現するなど、ボクサーエンジンのメリットを最大限に追求している。

この強力なエンジンと組み合わせられるミッションはATがオールレンジ電子制御4速のE-4AT。ノーマルとパワーの2パターンを自動選択するシフトパターン自動切り替え機能を備え、変速ショックが極めて少ないなどの特徴を持つ先進のATだ。4WDのAT仕様は、E-4ATと電子制御MPTによる無段階トルク配分のアクティブトルクスプリット方式。5速MT仕様は、ビスカスLSD付きセンターデフ方式で、RSは大パワーに対応してプルタイプクラッチを採用、限界付近での後輪駆動力を高めるリヤデフ・ビスカスLSDも装着されている。

サスペンションは、フロントがLアーム、リヤがデュアルリンクによる4輪ストラット。大幅に引き上げられたボディ剛性をベースに、サス&ステアリングパーツの最適配置とチューニングを実施。ステアリングのリニア感を損なうヒステリシスやフリクションを最小限に抑え、ドライバーズセダンにふさわしい操縦安定性と乗り心地を達成している。開発段階においては、ベンツ190EやBMW325i、フォード・トーラスなどとともに走らせ、それらを超えるレベルを目指したという。

ボディ剛性はヨーロッパでの200km/hレベルの走行を前提にして大幅に高められているほか、表面処理鋼板を重量比で62%も採用、長寿命防錆ボディとしているのも特徴だ。

ハイパワーエンジンに合わせてブレーキも強力なものを装備。2L車は4輪ベンチレーテッドディスクとし、さらにRSはフロントに強力な2ポットキャリパーの専用15インチタイプを装着している。RSと4WD・VZには4チャンネルABSもオプション設定されている。

■パワーユニットは全タイプ新開発!

EJ型エンジンは、いずれもオーバースクエアタイプだ。バルブ径はEJ18がIN31mm/EX27mm、EJ20系が36mm/32mmと大きく、4バルブと相まって高い吸気効率を達成。さらに全エンジンが点火タイミングを積極的に最適制御するノックセンサー付き電子点火時期学習制御機構を搭載、とくにNAのEJ18とEJ20DOHCでは9.7の高圧縮比により高い燃焼効率を達成している。

EJ20系は、デスビ・高圧コードレスのダイレクトイグニッションやプラチナ電極プラグを採用する。ベーシックなEJ18は、狭角バルブのコンパクトな燃焼室を持つ実用域重視エンジン。燃料供給はエアフローメーター、インジェクターなどを一体化したスロットルボディインジェクションだ。EJ20は可変吸気コントロールにより低速トルクと高速域パワーを両立。ターボ付きは無鉛ハイオク仕様。タービンローター径52.5mmの高速大容量ターボと水冷インタークーラーによって強力な性能を実現している。

■4WD VZは充実装備でシリーズの頂点に立つ

装備面では、全車がパワステ(RSは2モード切り替えが可能な車速感応型油圧反力電子制御)、イグニッションキー連動ライトオフ、リヤウインドーデフォッガー、前席アジャスタブルショルダーベルトアンカー、サブトランク(容量約18L)、半ドア図形表示モニターなどを装備。上級のVZには、赤外線リモートコントロールドアロックのほか、暗証コード式キーレスエントリー、車速感応オートドアロック、電動格納ミラーなどが採用されている。

〈まとめ=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

5件
  • やっぱ壊れないからだろうが、この型のレガシーも街でたまに見かけるな。
    しかもあまり古さを感じない気がする。
  • 初代レガシィが出てなければ今のスバルは無い
    スバルを少しはメジャーなメーカーにしてくれた存在。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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