第110回インディアナポリス500マイルレースの予選が5月17日(日)に行われ、日本の佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は1回のアテンプトによるタイムアタックに臨んだものの、平均速度230.995mphで13番手となり、ポールポジション争いにつながる『トップ12』セッションへの進出をあと1台の差で逃す結果となった。
インディ500の予選は2日間にわたって行われる予定だったが、初日の16日は朝から雨となり、しばらくの間スタンバイしたままの状態が続いたものの好天が見込めず、日曜日の1日のみで行われることになった。
【インディ500予選現地レポート】パロウが不利を跳ね返しポールポジション。抜きんでた王者流ハイブリッド運用
これにより予選のシステムも変更となり、全33台が1回ずつのアテンプトを行い、その結果上位12台が『ファスト12』に進出。さらにその上位6台が『ファスト6』に進む形となった。
予選初日のキャンセルにレイホール・レターマン・ラニガンの佐藤琢磨は大いに失望していた。「日没までを考えても2時間30分あれば33台走れるので、17時に始めれば間に合うのに、その前に明日に延期という決定が出てしまいました。僕は26番手のアテンプトだから、遅く始まれば気温が下がって有利になるはずだったんですが、思った通りにはなりませんでしたね。明日(日曜)は12時に始まって、僕が出る時間が一番暑い時間帯になるので、大変だと思いますが、エンジニアと対策を練って明日に臨みたいと思います」。
琢磨がインディ500で2017年、2020年と勝っているのは、もうアメリカのファンにも十分浸透しているが、毎年予選でウォールギリギリまで攻める走りも、ファンの心を掴んで離さない魅力のひとつだ。スタンドのファンは歓声を上げながらモニターに釘付けになる。実際に日曜の朝のプラクティスで、予選用のセッティングの最後の確認を行った琢磨は、3周目にウォールに右側リヤタイヤを軽く接触させた。場内は大きく盛り上がったが、琢磨はすぐにマシンをピットに向け、大きなダメージもなくプラクティスを終えた。
限界ギリギリまで攻めなくては、インディ500のポールポジションは取れないということを象徴するようなシーンではあったが、琢磨とチームのトライ&エラーも見て取れた。琢磨のピットボックスの裏では日本から来た現役スーパーGT GT500ドライバーである大津弘樹と太田格之進のふたりも、琢磨とRLLの様子を見守っていた。
12時に快晴のなかで予選が始まった。26番目の琢磨は開始からおよそ2時間が過ぎようという頃に、予選のアテンプトに姿を現した。アテンプトの列にいるときにも、フロントウイング、リヤウイングともに須藤メカが調整し、タイヤの内圧も調整している。気温や路面温度、そしてライバルのアテンプトの様子を見ながら、最後の調整を施した。
琢磨はウォームアップ1周を終えると、1周目に231.901mphと好タイムを出す。しかし2周目230.672mph、3周目230.780mph、4周目230.623mphと、ペースが上がらず。アベレージ230.995mphで、この時点で11番手だった。
琢磨の後ろのアテンプトが7台残っており、琢磨を上回って来そうなのは、チップガナッシのアレックス・パロウぐらいだろうと思っていたが、同じくチップガナッシのキフィン・シンプソンがアベレージ231.095mphと健闘し、琢磨の前に割り込んで11番手に。琢磨はこれで12番手となりオン・ザ・バブルの状態でパロウのアテンプトを見守ることに。
昨年の覇者であり、プラクティスでも速さを持っていたパロウは、予選でもミスすることなく、アベレージで231.115mphをマークしてシンプソンの前に滑り込み、琢磨は13番手とファスト12圏外に弾き出されてしまった。スクリーンを見ていた琢磨も肩を落とした。昨年2番手でフロントロウを獲った琢磨でも、あっという間に後列に押しやられるインディ500予選の難しさである。
プラクティスを通じて1番気温が上がり、路面温度も高くなった。風向きも時々変わって、ドライバーとチームを大いに悩ませる予選だった。ファスト12に進んだドライバーたちを見ると、チップ・ガナッシとA.J.フォイトの2チームは全車ファスト12に進んでいたり、アンドレッティやレイホールのチームは1台もファスト12に進めず、ペンスキーのジョゼフ・ニューガーデンなども『トップ12』に進出できなかった。
『ファスト6』を終えるとアレックス・パロウがポールポジションを獲得し、2番手にペンスキーのデイビット・マルーカス、3番手にエド・カーペンターのアレクサンダー・ロッシとなってフロントロウを確定した。
予選を終えた琢磨は「もうショックで言葉になりません。ファストフライデーの最後にエアロを試して、さらに朝のプラクティスでもエアロのトライをしたし、下のディフューザーなどもトライしてデータ上は暑い中でもダウンフォースが出る計算だったんですが、いざ走ってみるとマシンもコーナーで安定しなかったし、ドラッグも大きくて全然直線も伸びていかない感じでした。ファストフライデーまではいい感じに仕上がっていたので、本当に残念です」とがっくり。
5列目内側13位というグリッドが決まったが、琢磨は月曜日と金曜日のカーブデーのプラクティスで決勝へ向けてマシンを仕上げて行くしかない。
(Photo & Text Hiroaki Matsumoto)
[オートスポーツweb 2026年05月18日]
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みんなのコメント
ほんのわずかな差だけれど同じ条件で絞り出すことができた結果のPP
あと問題は元々レースラップが上がっていない事なので、ここを本番までに仕上げ有られるかどうか
昨今のインディーは追い越しが非常に難しいみたいだから、荒れたレースになることを祈るしかないでしょう