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「TomTom Traffic Index 2025が示す世界都市の交通実態──ロンドン・ニューヨーク・東京の比較分析と日本の都市別渋滞傾向」

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「TomTom Traffic Index 2025が示す世界都市の交通実態──ロンドン・ニューヨーク・東京の比較分析と日本の都市別渋滞傾向」

地図情報技術とナビゲーションシステムの世界的リーダーであるTomTomは2026年5月15日、2月に発表した世界の交通状況レポート「TomTom Traffic Index 2025」のデータを活用した地域別分析や、このデータを利用した新製品について説明する記者説明会を開催した。

プレゼンテーションを行なったトムトム・シニアアカウントマネージャー 石橋紀彰氏(左)、日本営業責任者 田中秀明氏(中)、プロジェクトマネージャー 長尾淳史氏(右)「TomTom Traffic Index」は、トムトムが2011年から発表している、世界主要500都市の交通・渋滞状況を分析したレポートだ。2025年版はその15回目の発表となる。

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このレポートは詳細地図データをベースに、時間帯や曜日ごとの道路交通状況、渋滞レベルなどを数値化したもので、交通データの収集には、コネクテッドカーから取得した走行情報をはじめ、大手運輸企業の運行データ、個人のスマートフォンから得られる位置・移動データなどが活用されている。

【関連記事】2025年版「TomTom Traffic Index」

これらの生データをもとに、グローバルで総計3.65兆kmに及ぶ走行データを分析し、総合的な交通調査データとしてまとめている。

こうした「TomTom Traffic Index」は、政府機関や自治体、企業向けに提供されており、地域ごとの交通変化や人々の移動による影響を分析するために活用されている。また、都市計画を担う行政機関にとっては、交通課題の改善策を検討するうえでの重要な指針にもなっている。

今回の説明会ではロンドン、ニューヨーク、東京の3都市における交通状況の分析結果が紹介された。

このうち、古い都市構造が特徴のロンドンでは、2025年版の平均渋滞レベルが前年から1ポイント上昇。最も渋滞が深刻だった9月10日午後5時には、渋滞レベルが138%に達し、15分間でわずか2.6kmしか移動できなかったというデータが示された。

渋滞レベルとは、道路がスムーズに流れている状態と比較して、どれだけ余分な移動時間が発生しているかを示す指標だ。

ロンドンは歴史的な道路網が現在も多く残されているうえ、日本の首都高速道路のような都市高速ネットワークが十分に整備されていないことから、慢性的に渋滞が発生しやすい都市として知られている。

ニューヨークは、ロンドンに比べると道路インフラの近代化が進んでいる一方、世界有数の交通量を抱える過密都市として知られている。

2025年版のデータでは、平均移動時間が前年から1%改善したことが明らかになった。その背景には、数年にわたって進められてきた渋滞対策の効果があるとされる。

特に2025年には、マンハッタン中心部で「渋滞課金(Congestion Pricing)」制度が導入されたほか、自転車専用レーンなどのインフラ整備も進められた。こうした施策により、都心部の交通量や渋滞の緩和につながったと分析されている。

一方、東京の2025年版データでは、年間を通じて2024年より交通渋滞が増加したことが明らかになった。平均渋滞レベルは前年比7.3%増の44.1%となっている。

その背景には、コロナ禍で広がったリモートワークから通常出社へ回帰する動きに加え、訪日観光客、いわゆるインバウンド需要の急増による交通量の増加があるとみられている。こうした傾向は今後も続くと予想され、さらなる渋滞の増加が懸念されている。

東京で最も大きな渋滞が発生したのは、お盆休み直前の8月8日(金)だった。帰宅ラッシュとなる午後5時には渋滞レベルが105%に達し、15分間での移動距離は3.6kmにとどまった。時速換算では15km未満という、非常に低速な状態だったことが記録されている。

また、日本の主要12都市を対象にした「渋滞ランキング」では、平均渋滞レベル56.7%を記録した熊本が最も渋滞の深刻な都市となった。年間の渋滞損失時間は154時間に達しており、アジア全体でも13位に位置している。

背景には、道路インフラや公共交通機関の整備不足に加え、TSMCの半導体受託製造子会社であるJASMの進出による急激な交通需要の増加があると分析されている。工場建設や関連企業の集積によって物流や通勤交通が増え、慢性的な交通混雑につながっているという。

一方、渋滞ランキング4位となった京都は、平均速度17.5km/h、15分あたりの移動距離4.4kmと、日本の主要12都市の中で最も低速な都市となった。グローバルランキングでも、世界で8番目に移動速度が遅い都市に位置付けられている。

その要因としては、碁盤の目状に整備された市街地に信号交差点が多いことに加え、駐車場不足や観光バスの増加といった、京都特有の交通事情が挙げられている。歴史的景観を維持する都市構造と、観光需要の拡大が交通負荷を高めている形だ。

2025年に日本国内で発生した渋滞を時期別に分析したデータでは、最も深刻な渋滞が確認されたのは3月21日の鎌倉だった。渋滞レベルは106.8%、平均速度は15.2km/hを記録している。また、日本全体で最も渋滞が多かった日は12月25日のクリスマスで、続いて2位が3月21日、3位が8月8日となった。

日本における渋滞の特徴は、大きく3つに分類されるという。1つはお盆や年末年始といった大型連休、2つ目は春や秋の行楽シーズン、そして3つ目が大型商業施設や工場の開業など、ビジネス動向による交通量の増加だ。

一方で、最も渋滞が少なかった日は1月1日で、続いて5月6日のゴールデンウイーク最終日、12月31日が上位となっている。いずれも通勤・物流需要が大きく減少するタイミングであり、日本の交通事情を象徴する結果となった。

なおトムトムは、「TomTom Traffic Index」のデータを活用した企業・自治体向け分析ツール「Area Analytics」を提供している。

このソフトウェアツールは、「TomTom Traffic Index」に含まれる全都市のデータを活用し、地域、日付、時間帯などの条件を指定することで、ユーザーが必要とする交通データを抽出できるのが特徴だ。特定の道路単位から都市全体、さらに広域エリアまで、交通状況の変化を多角的に分析することが可能となっている。

また、渋滞レベルや平均速度、移動時間、自由走行時との比較などを時間単位で可視化できるほか、エリアごとの比較分析にも対応。政府機関や自治体の都市計画、交通コンサルティング、企業の立地分析など幅広い用途での活用が想定されている。

また、トムトムは「TomTom Traffic Index」で収集した生データを基に、特定地域のリアルタイム交通情報の提供にも取り組んでいる。これにより、現在どこで交通が滞っているのかを可視化し、迅速な状況把握を可能にしている。

さらに大規模災害発生時には、交通が完全に途絶した地域、いわゆる「交通ゼロ」エリアを特定し、その情報をもとに迂回ルートの提示や救援・復旧活動を支援することもできる。こうした機能は、社会インフラの維持や危機対応において重要な役割を果たすことが期待されている。

このように、詳細な地図データとリアルタイムの交通情報は、現代社会において欠かすことのできない基盤情報として、その重要性が改めて認識されている。

TomTom Traffic Index:https://www.tomtom.com/traffic-index/

トムトム 関連記事
トムトム 公式サイト

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文:Auto Prove Auto Prove 編集部
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