1992年の誕生以来、“400ネイキッドのスタンダード”として時代を駆け抜けたCB400スーパーフォアは、2022年に一度その歴史に区切りを打った。しかし2026年、E-Clutchを携えた次世代コンセプトモデルとして再び姿を現す。新設計並列4気筒と先進電子制御を得たその姿は、単なる復活ではない。誰もが一度は乗るべき“王道の400”を、令和の価値観で再定義する挑戦の始まりだ。
まとめ:オートバイ編集部
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ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(2022)「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」(2026)解説(1)
「CB400 SUPER FOUR」(2022)
令和が産んだ直4ネイキッドの完成形
399cc水冷直4にHYPER VTEC Revoを組み合わせたエンジンは56PSを発生する。ベーシックなダブルクレードルフレームに正立フォークとツインショックを組み合わせた車体が生む素直なハンドリングに加え、201kgという車重と755mmの低いシート高によって取り回し性も高い。
●主なスペック
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●総排気量:399cc
●最高出力:56PS/11000rpm●最大トルク:4.0kgf・m/9500 rpm●車両重量:201kg
●シート高:755mm●燃料タンク容量:18L●タイヤサイズ 前・後:120/60ZR17・160/60ZR17
「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」(2026)
次世代400直4+電子制御クラッチが描く新CB像
新開発の400cc並列4気筒DOHCエンジンに、クラッチを電動アクチュエーターで操作するE-Clutchを搭載。ライドバイワイヤスロットルと走行モード、トラクションコントロールなどの電子制御を統合し、CB伝統のフレームに専用セッティングのサス&ブレーキを組み合わせる。
CB400フォアからスーパーフォアへ受け継ぐ系譜
1974年、ドリームCB400フォアの登場は、日本の中型ロードスポーツの価値観を一変させた。量産車として世界初の4気筒400ccエンジンは、軽やかに吹け上がる回転フィールと集合マフラーの美しいフォルムで、多くのライダーを魅了した。高度経済成長の余韻が残る時代において、「高性能」と「スタイル」を両立した象徴的な存在となった。
その系譜は、1981年のCBX400Fへと受け継がれる。DOHC化された直4は16バルブ化によってさらなる高回転化を実現し、クラストップの48PSを11000rpmで発生するほどの伸びやかなパワーを獲得していた。
足まわりには世界初のブレーキトルクセンサー型アンチダイブ機構TRACとインボード・ベンチレーテッドディスクを組み合わせ、制動時のノーズダイブを抑えつつ、高い安定性を両立している。さらにプロリンク式リアサスペンションやアルミスイングアームなど当時の最先端技術を積極的に投入しながらも、ビキニカウルすら持たない端正なロードスポーツスタイルを貫いた。
レーサーレプリカ全盛期の入り口に立ちながらも、飾り立てることなく「走りの中身」で勝負した、ネイキッドとしての完成度を極めた1台だった。
平成から令和にかけて〝400ネイキッドの基準〟であり続けたCB400スーパーフォア。1992年に登場した初代は、フルカウル全盛の400クラスに一石を投じ、CBR400RR譲りの水冷直列4気筒とダブルクレードルフレームを端正なネイキッドに収めた。扱いやすさと信頼性を両立し、教習車からツーリングまで幅広く支持され、「迷ったらスーフォア」という評価を確立した。
CB400 SUPER FOUR シリーズダイジェスト
平成ネイキッドブームを牽引したCB400SFの軌跡
1992年に誕生したCB400SFは、ハイパーVTECで深化しつつも、「誰もが扱える直4ロードスポーツ」という原点を守り抜いた、約30年続いた国民的400ネイキッドだ。
スーフォアを“攻めバイク”に
CB400SFの運動性能を一段引き上げたスポーツグレード。PGM-IG点火や吸気系の最適化で高回転域の伸びを強め、アルミサイレンサーを含む専用排気系を採用。ビキニカウルや減衰調整付きサスなどでサーキット走行も視野に入れ、ネイキッドブームの中で“スポーツ寄りスーフォア”という新しいキャラクターを提示した。
独立4本出しで音に拘り
NC31系CB400SFをベースに、CB750FOURをモチーフとしたタンク&サイドカバーと4本出しマフラーでクラシック路線に振った派生モデル。水冷直4と信頼性の高い車体をそのままに、往年のヨンフォア像を現代風に翻訳した存在で、レプリカ全盛からレトロ回帰へと動き始めた当時の空気を象徴する1台だった。
後の定番となったCBXカラー
進化したHYPER VTEC SPEC III世代に追加された、CBX400Fをモチーフとする通称“CBXカラー”仕様。白地に赤を基調としたグラフィックとラインワークで空冷CBX400F初期型のイメージを現代に再現し、ルックスではホンダ400直4の血統を強く感じさせる、ファン垂涎のヒストリックオマージュだった。
赤フレームの希少モデル
レッド塗装のフレームと専用カラーリングを与えたスペシャルエディション。赤いフレームでトラス構造を強調しつつ、ゴールドホイールや細部に差し色を配することで、スーパースポーツ的な緊張感を与えた、シリーズ中でも視覚的インパクトが強い限定仕様だった。
VTECは細やかに進化
1999年のNC39でハイパーVTECを初搭載し、直押しカムのまま油圧で2バルブ⇔4バルブを切り替える量産初の機構として登場した。 以後SPEC II・IIIで作動回転やトルク特性を熟成し、2007年のNC42でPGM-FI+HYPER VTEC Revoへ進化した。
スーパーフォアに欠かせないハーフカウル仕様
CB400SFのハーフカウル仕様として2005年のNC39でデビュー。2008年からNC42となりFI+Revo化で環境性能と扱いやすさを向上。2014年頃からLEDライトやギアポジ、ETC、グリップヒーター付き仕様を拡充し、2018年以降の後期は改良スロットルボディと新マフラーで56PSへ出力アップや快適装備を標準化した。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(2022)「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」(2026)解説(2)
ツインショックならではの接地フィーリング
高回転まで伸びやかな56PSのVTEC4気筒は街中でも力強く扱いやすく、自発光式二眼メーターが多彩な情報を視認性良く表示し、ツインショックがネイキッドらしい素直で安心感ある乗り味を生んだ。
薄くシャープなテールに丸型2灯が光る
薄くシャープなテールカウルと丸形2連LEDテールと引き締まった4‑1マフラーで「軽快さ」と「プレミアム感」を両立し、リンク式モノショックと精悍なラインが、現代的ネイキッドとしての運動性と伝統的なスーパーフォアの面影を両立させている。
王道伝説は終わらない。電子制御で再び輝く
1999年登場のNC39ではHYPER VTECを採用し、バルブ休止機構によって低中速域の扱いやすさと高回転域の伸びを高次元で両立。SPEC II、SPEC IIIと改良を重ねる中で、出力特性や制御の緻密さ、フィーリングの洗練度がさらに高められていった。
2007年のNC42ではHYPER VTECH Revoへと進化し、作動回転数の最適化や環境性能の向上を図りつつ、リニアなスロットルレスポンスと機械的な手応えを維持。「アナログ感ある最新機」として独自の存在感を放ち続けた。
しかし2010年代後半に入ると、排出ガス規制の一層の強化とグローバル市場におけるモデル戦略の変化により、水冷並列4気筒・400ccという日本独自のパッケージは存続が難しくなる。令和2年排出ガス規制への適合を断念したことで、2022年10月をもって生産終了。約30年にわたり支持され続けたCB400SFの歴史は、ここでいったん幕を下ろすこととなった。
だが2026年、新たな物語が動き出す。CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept。その名が示す通り、クラッチ操作を電子制御でアシストする新機構を搭載し、従来の「操る楽しさ」を残しながら、より幅広いライダーへと門戸を開く。
伝統の並列4気筒サウンドと鼓動感はそのままに、操作系は次世代へ。これは単なる復活ではない。半世紀にわたるCB400のDNAを受け継ぎながら、新たな時代のスタンダードを提示する挑戦である。
1974年に始まった〝400cc直4ネイキッド〟という文化は、一度幕を閉じ、そして再び芽吹く。CB400スーパーフォアは、過去の名車ではなく、常に〝今〟を走るための存在として、再び歴史を刻み始める。
ホンダ「400cc直4」ヒストリー
ドリームCB400 FOUR(1974年)
CB350FOURの後継とし、408cc空冷4気筒エンジンを組み合わせ、当時最先端のスポーティさを体現。「ヨンフォア」の愛称で高い人気を博した。
CBX400F(1981年)
400クラスの後発として投入されたDOHC4バルブ48PSの空冷4気筒スポーツ。インボードディスクなどの先進装備でライバルを圧倒した。
CBR400RR(1988年)
カムギアトレーン直4とアルミツインチューブフレームを組み合わせたNC23最終形のスポーツツアラーで、フルカバードカウルと高回転特性が魅力。
CB-1(1989年)
CBR400RR(NC23)のカムギアトレーン直4をベースに、中低速トルクを太らせた専用セッティングとスチールパイプフレームを採用した。
CB400スーパーフォア(NC31)(1992年)
PROJECT BIG-1コンセプトの第1弾として誕生した水冷4気筒ネイキッド。53PSを発揮するNC23E系エンジンとダブルクレードルフレームを採用した。
CB400スーパーフォア(NC39)(1999年)
回転域によってキャラクターが変化するHYPER VTECを採用した。SPEC II・IIIへと進化しつつ、400ネイキッドの基準車としての地位を確立した。
CB400スーパーフォア(NC42/Revo初期)(2007年)
新設計のNC42EエンジンにPGM-FIとHYPER VTEC Revoを組み合わせたFI世代。環境性能と53PSの力強さを両立し、滑らかな走りを実現した。
CB400スーパーフォア(NC42後期)(2017年・最終仕様)
平成28年排出ガス規制に対応した後期型。ABSの標準装備化や実用燃費の改善も図られ、シリーズ最終期を飾る完成形として高い人気を維持した。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(2022)「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」(2026)写真
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CBの伝説は終わったね。