■新型「トレイルシーカー」を試す! 「ソルテラ」との違いはいかに
これまで「電動化が遅い」といわれ続けてきたがスバルですが、初の量産BEV(バッテリー電気自動車)「ソルテラ」を皮切りに、ラインナップを拡充しています。
【画像】超カッコいい! これがスバル「新型ステーションワゴンSUV」です! 画像で見る
その第2弾となるのが、2026年3月5日に先行公開された「トレイルシーカー」になります。
その試乗の舞台は「群馬サイクルスポーツセンター」(群馬県みなかみ町)。それも圧雪、氷上、さらに舗装路が混在する非常に厳しい路面環境下で行われました。
ニューモデルの初試乗ではリスクの高いステージですが、結論からいうとトレイルシーカーの実力がより実感できました。
BEVはカーボンニュートラル実現のために、自動車メーカーとしてやっていく必要があるものの、現時点ではビジネスになりにくいのも事実です。
そこでスバルはトヨタとのアライアンスのメリットを最大限に活用し、“共同開発”という手段を選んでいます。
ちなみにトヨタとのアライアンスは、北米で「カムリ」の受託生産を皮切りに、トヨタ「ラクティス」/スバル「トレジア」の開発でスバルのエンジニアが参画。続いてトヨタ「86」/スバル「BRZ」の共同開発、BEV共同開発などの成果を生んでいますが、昨年2025年に20周年を迎えています。
新型トレイルシーカーはソルテラと同じくトヨタとの共同開発で生まれたモデルで、兄弟車は「bZ4Xツーリング」です。
開発はトヨタ/スバルのエンジニアが半々ずつ集められ、対等な立場で企画段階から一緒に実務を行うシステムはソルテラと同じですが(井上PGMはトヨタでの役職も持つ)、トレイルシーカーは一歩踏み込んだ取り組みが行われています。
それはスバル初のBEV生産です。ソルテラはトヨタの元町工場(愛知県豊田市)で生産されていますが、トレイルシーカー(とbZ4Xツーリング)はスバルの矢島工場(群馬県太田市)で生産されています。
さらに部品開発も、車体を含めた約5000点はスバルが調達(地場供給)しているなど、よりスバルの関与が強くなっています。
そんなトレイルシーカーは基本コンポーネントを大幅改良されたソルテラ(D型)と共用しながら、「スバルの“アドベンチャー”をBEVで表現」を具体化させるために、独自の武器が用意されています。
それを体感するための試乗ステージは、雪の群馬サイクルスポーツセンターでした。いきなり過酷なステージで乗せてしまうところに、スバルの自信を感じます。
最大の特徴は、リアオーバーハングが155mm拡大されたことと、ピラーを立てたリア周りのデザインも相まってラゲッジスペースは693Lを確保したことが特徴となっています。
ちなみに、フロントオーバーハングが短いBEVのメリットを活かし、最終型の「レガシィ アウトバック」より25mm短い全長4845mmで、アウトバックより14mm広い後席足元スペースと荷室容量を実現。
このパッケージに合わせ、デザインもトレイルシーカー独自です。
パッと見はソルテラと共通イメージですが、フロントバンパーや樹脂クラッディング、ルーフレールなどがラギットなデザイン処理になっていることに加え、リアオーバーハング拡大により前後バランスが変わったことで、ソルテラよりも“スバルっぽさ”がアップしたように感じました。
個人的には北米向けに独自進化したアウトバックより「アウトバック感」があると思いました。
またソルテラは大幅改良でキャラクターを従来よりも都会派寄りにシフトしましたが、それはトレイルシーカーとの役割をより明確にするためだったと分析できます。
インテリアはソルテラと共通で、インテリアカラーは普及グレード「ET-SS」はブラック、上級グレード「ET-HS」はブルーが用意されています。
ボディカラーは6色用意されていますが、ET-HSは外装色によってコーディネイトが難しい所も。個人的には「タン内装」があってもいいと思いました。
あと、細かい部分ですが、ソルテラでやや気になっていた後方の直接視界が改善されているのと、ソルテラでは未装着だったリアワイパーが装着されたのは朗報です。この辺りもスバルっぽさを感じる要因でしょう。
パワートレインも進化しています。
FFモデルはソルテラと同じ167kWですが、4WDモデルはリアモーターを80kWから167kWに出力アップされており、システム出力は252kWから280kWに引き上げられています。
トレイルシーカーのバッテリーはソルテラと同じく74.7kWhです。しかし、AWDモデルを比較すると、トレイルシーカーは車両重量がアップしているにも関わらず、航続距離ははソルテラの687kmを上回る690km(WLTCモード)にアップしています。
このカラクリを開発者に聞くと、「実はAWDのフロアに合わせた空力改善(アンダーカバー)が効いています」と教えてくれました。
フットワークはソルテラをベースに、トレイルシーカーのパッケージに合わせ、BEV特有の揺れの抑制や、フラットで安定した走りの実現など、最適化されたサスペンションに加えて、新たに左右回転フィードバックと回生力可変配分制御を盛り込んだ「新AWD制御(走行軌跡予測制御の熟成)」も盛り込まれています。
■「アウトバック」のように快適だけど「WRX STI並み」のパフォーマンスも!?
今回はAWDのみの試乗です。パワートレインはアクセル一踏みで「WRX STI」を超える0−100km/h加速4.5秒のパフォーマンスに、「おーっ、速い!」と驚くのはもちろん、その力強さが途切れない“伸び”のある加速はスポーツユニットと呼びたくなるくらい。
その一方で、普通に使っている時はその力強さが“余裕”に繋がっており、応答性やトルクの引き出し方に滑らかや繊細さを実感。
スバルのエンジンで例えるなら、「インプレッサWRX」などに使われてきた伝統の水平対向4気筒「EJ20」型ターボエンジンと、4代目アウトバックに搭載されたスムーズな水平対向6気筒「EZ36」型がシームレスに共存しているようなイメージかなと感じます。
フットワークはソルテラと同じかと思いきや、思った以上に違います。
芯がシッカリしているステアリング系、コーナリングの一連の流れのスムーズさ、背の高いクルマであること忘れるような安定性、プロペラシャフトレスの電動AWDなのに拘束感があるといった基本部分は共通。
ですが、軽快な動きだけど今回の路面ではややピーキーな動きが顔を出すソルテラに対して、トレイルシーカーはいい意味で「薄皮2-3枚プラス」したかのような穏やかさ(ダルではない)と重厚なクルマの動き、そして路面を問わず特にリアの安定した走りが印象的でした。
ちなみにソルテラに対し、ホイールベースは共通の2850mm、車両重量はほぼ同じですが、パッケージ変更による前後バランスの変化、リアモーター出力アップによる駆動力の差を考慮したセットアップが、スペック以上の差を生んだのでしょう。
個人的には「スポーティハッチのソルテラ」と、「グランドツアラーのトレイルシーカー」というくらいの差を感じました。
それに加えて新AWD制御も効いており、同じコーナーに同じ速度で進入した時に、同じラインを取るのが難しいソルテラに対して、トレイルシーカーは常に同じラインを楽々トレースできました。これはソルテラにも早急にアップデートすべきでしょう。
もちろん最低地上高はSUVの中でも高めの215mmが確保されているので、深雪での走行もヘッチャラです。
乗り心地は、特に後席がソルテラと同じホイールベースと思えないほど落ち着いています。
重箱の隅をつつくと、俊敏さはあるけど若干バネ下の重さを感じる20インチに対して、今回のガチガチ路面でも「乗り心地がいいね」と思える優しさを持った18インチという差はありますが、どちらもファミリーユースで使える快適性だと思います。ちなみにスバルファンが好むのは20インチでしょう。
試乗の最後にフラットな圧雪路で「VDC」をオフにし、限界を超えた派手な走りも試してみましたが、ドリフト時のコントロール性と自在性の高さは先代のVAB型WRX STIに匹敵するレベルでビックリ。
個人的には2026年2月、ドライバーの1人として参加させてもらった「スバルゲレンデタクシー」で運用できたら、BEVの愉しさがもっと伝わるのではないかと思いました。
そろそろ結論に行きましょう。トレイルシーカーはワゴンとしての実用性、グランドツアラーな走り、そしてSUVとしての機動性の高さなどから、BEVを活用した「スバル次世代GT」であるとともに、「どんな素材・どんなパワートレインでもスバル車になる」ということを改めて証明したモデルに感じました。
個人的にはトレイルシーカーはかつての「レガシィツーリングワゴンGT-B」とレガシィアウトバックが高度に融合したモデルと呼びたいです。
加えて、筆者(自動車研究家 山本シンヤ)は試乗時に「BEVである」ということよりも「スバル車である」が記憶に残りました。
つまり、スバルらしさとは水平対向エンジンやシンメトリカルAWDといったハードではなく、“魂”と“ブレない軸”といったハートが重要なんだと。
そう考えると、今後登場するであろうスバルのBEVモデル、つまり「ジャパンモビリティショー2025」で初公開された「パフォーマンスE STIコンセプト」の量産版にも期待が高まります。(山本シンヤ)
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みんなのコメント
見た目もソルテラよりスバルらしさがあるしね。