前回あんなに厳しく取り締まったトラックリミット違反なのに……ガスリー、コース外から抜いてきたストロールの「お咎めなし」裁定に困惑

　F1イギリスGPでは、入賞を目指して走行しながらもランス・ストロール（アストンマーチン）との接触でマシンにダメージを負って戦線離脱したピエール・ガスリー（アルピーヌ）。彼はスチュワードの裁定に困惑している。

　レース終盤に11番手争いをしていたガスリーとストロール。高速のストウでストロールがガスリーをオーバーテイクしたが、その際ストロールは外側の白線から4輪とも脱輪していたため、ガスリーはポジションを返上すべきだと主張していた。

　しかしストロールはこの件で罰せられることはなく、その後クラブで2台は接触。ガスリーはサスペンションにダメージを負い、ストロールにはこの接触に対する5秒ペナルティが科されるという結末になった。

　ストロールとのバトルについて質問されたガスリーは、motorsport.comに対して次のように語った。

「レギュレーション上では、彼はコースを離れてアドバンテージを得てはいけない。これは僕にとって明確だった」

「僕が見た限りでは、彼は僕をパスする時に4輪脱輪していて、アドバンテージを得ていた」

「先週（のオーストリアGPで）僕はトラックリミットで15秒ペナルティを食らったけど、今回コース外に出たドライバーからポジションを奪われたのに何も起きなかった」

「F2ではヴィクトー・マルタンスが同じことで5秒ペナルティを受けていた。だから今起こっていることには本当に困惑しているよ」

「そしてその後の展開も変わってしまった。僕はなんとかターン7の外側で彼（ストロール）を抜き返したけど、最終シケインでレースを終わりにさせられてしまった。レース序盤はうまくいっていただけに、非常に残念だ」

「僕たちはフェルナンド（アロンソ／アストンマーチン）を追いかけていたし、スピードもあった。ストレートのスピードが足りなかったけど、集団の中にいられたのは良かった。ただその後のことでそういった頑張りが台無しになった。ガッカリだ」

　彼はさらにこう続け、スチュワードの裁定に疑問を呈した。

「コースを外れたらポジションを返上しないといけない。それがFIAから言われているレースの仕方だ」

「一貫性がないのはフェアじゃない。次のレースでは、ラインやトラックを外れてオーバーテイクするのが許されるということだろう」

「そうしたら突然、5秒ペナルティを食らったりするんだ。だから理解できない。だから……とにかく公平ではない」

「トラックリミットは白か黒かだ。コース上にいるのか、コース外にいるのかなんだ。コース外でアドバンテージを得たら、5秒ペナルティやポジション返上が必要だ」

「いつもそうだ。今朝のマルタンスの時もそうだった。だからこそ、ただただ理解ができないよ」

　ガスリーはストロールが4輪脱輪した際のバトルについて、ストロールに対してもう少しスペースを与えられた可能性があったことは認めつつも、レーシングライン上に片輪を残すスペースは残していたと語る。また、今後はFIAに説明を求め、ストロールとも話し合いをするつもりだという。

「僕たちは350km/hでレースを戦っている。そんな中で、状況がコロコロ変わるんだ」

「先週は、（トラックリミット違反について）警告をしっかり受けられていないと感じられる状況でペナルティを受けた。今回の状況では、彼がコースオフした時にポジションを戻してもらえると思ったのに、本来そこにいるべきではない彼の後ろで数周に渡ってタイムをロスした」

「だから一貫性を求める。さっき言ったことが許されるならそれでいい。でもそれは全員に適用されるべきだ」

Comments

はみ出しもそうだけど、角田とガンユーの時のエイペックスで前に出てたほうが優先という判定ならガスリーの方が前にいる権利あったんだしコース外から抜いたストロールは合わせ技で10秒くらいペナルティだろ！
その後ガスリーにぶつけてリタイヤさせてるんだからプラス30秒か失格だわ。