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以前のXC60とは違う“輝き”がある──新型ボルボXC60 Ultra B5 AWD試乗記

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以前のXC60とは違う“輝き”がある──新型ボルボXC60 Ultra B5 AWD試乗記

日本に上陸した新しいボルボ「XC60」に、『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキが乗った! 月日が経っても魅力的なミドルサイズSUVに迫る。

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDの特徴

時代は変わってもボルボは変わらない──新型ボルボXC60 Ultra B5 AWD試乗記

1.心地よい室内2.走行性能3.価格&まとめ1.心地よい室内

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDの室内は、心地よい。

ファインナッパレザーを使った新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDのシートは、疲れ知らず。各所を細かく調整できるから、理想的なドライビングポジションにセットできる。

改良に伴いレザーフリー素材の採用も拡大。最上級のUltraグレードでは、試乗車のファインナッパレザーに加え、100%リサイクルポリエステル素材「ネイビー・ヘリンボーンウィーブ」も無償オプションで選べる。

筆者もXC90の試乗車で、100%リサイクルポリエステル素材を体験したが、ファインナッパレザーにも劣らぬクオリティだった。

Plusグレードには、従来の本革シートに替わり、リサイクル素材とバイオベース素材から作られる「ノルディコ」シートを標準とした。ボルボの世界観を崩さず、環境に配慮しているのだ。

新型ボルボXC60は、全グレードにテイラード・ダッシュボードやオレフォス社製クリスタルシフトノブを採用。特に後者は、ボルボならではの装備だ。オレフォス社を知らない向きに記すと、スウェーデンのクリスタルブランド。1726年、スウェーデン南部のスモーランド地方に鉄工所として設立され、1898年よりガラス生産をスタートした。北欧らしい、シンプルでモダンなプロダクトが特徴。ちなみにノーベル賞の晩餐会では、オレフォスのワイングラス(ノーベル・シリーズ)が使われている。

BMWも一部モデルがクリスタルをあしらうが、ドイツではなくオーストリアのスワロフスキー製だ。それに対し、ボルボは自国のブランドを大切にする。

新型ボルボXC60は、センターコンソールのデザインも変更。2+1のカップホルダーや、より使いやすい位置に配置されたスマートフォンのワイヤレス充電器によって利便性を高めた。

2.走行性能

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDはアイドリング時、車外にいるとエンジン・サウンドが少々気になった。決して、スポーティな音質ではない。しかし、車内に乗り込むと一変。静かで上質な空間となる。

調べると今回の改良で、ピラーやエンジンルーム等への遮音材を追加し、キャビンの静粛性を高めたそうだ。

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDのアクセルを踏むと、かつてのディーゼルエンジン並みにパワフルだった。試乗車はマイルドハイブリッド仕様だから、モーターのアシストが加わるからだ。都市部のストップ&ゴーでは、ストレスフリー。電動化を推し進めるボルボだけあって、エンジンとモーターの“息”はピッタリだ。

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDが搭載する1968cc直列4気筒ガソリンターボエンジンは、250psの最高出力と360Nmの最大トルクを発揮する。ミドルサイズSUVのXC60には十分なパワーで、不足を感じる場面はなかった。郊外のワインディングも高速道路も、そして都市部でも思い通りの走りを楽しめた。ちなみに、B5パワートレーンは、今回新たにミラーサイクル化。従来比で燃費効率が約5%向上したという。

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDの乗り心地やや硬めで、ドイツ車っぽい。ただし、登場初期にあった不快な突き上げは解消。穏やかな気持ちでステアリングを握っていられる。「“熟成”とはまさに、こうでなくっちゃ!」と、思わずにはいられなかった。

ハンドリングは、おもいのほかスポーティ。試乗車の新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDは、オプションの「電子制御式4輪エアサスペンション/ドライビングモード選択式FOUR-C アクティブパフォーマンスシャシー」を搭載していたが、これがイイ。無駄な動きをしっかり抑える。

新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDは比較的大きな車体ではあるものの、ひと回りコンパクトなボルボ「XC40」のようにワインディングロードはスイスイと、不安なく進む。頭が大きく揺さぶられることもなく、カーブを曲がる度、ボディはビシッと安定。電子の力はスゴい! ¥330,000のオプション価格は、決して高価ではないように思う。

ボルボといえば高い安全性だが、運転支援システムにかぎっていえば、今やそれほど優位性がない。アクセルとブレーキ操作、そしてステアリング操作をサポートする「パイロットアシスト」に、エマージェンシー・ストップ・アシスト機能が追加されたのにとどまる。本機能はパイロットアシスト作動中、ドライバーが両手でステアリングホイールを握るよう求められても反応しない場合、自動で車を安全に停車させる。

ボルボXC60登場時こそ、パイロットアシストのナチュラルな制御に感銘を受けたものの、もはやライバルに対するアドバンテージはさほどない。運転支援システムは、次期モデルでの大幅な進化に期待だ。

3.価格&まとめ

試乗した新型ボルボXC60 Ultra B5 AWDの価格は¥8,790,000。ベースのPlus B5なら¥7,890,00だ。違いは駆動方式や装備で、パワートレインは同一だ。ほかに、プラグインハイブリッド仕様も選べるが、価格は1000万円オーバー(¥10,290,000)。売れ筋は、マイルドハイブリッド仕様だろう。

デビュー当初こそ500万円台のモデル(¥5,990,000)が用意されていただけに、歳月の経過を感じさせる。単純に価格比較するのはナンセンスだし、それよりも2025年の新しいXC60には、これまでとは違う“輝き”がある。ボルボの新しい“XC60”は、今でも多くの人にオススメしたい1台だった。

次ページ:「時代は変わってもボルボは変わらない」

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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