ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは接戦が続いているタイトル争いにおいて、タイヤ最低内圧で1度違反が許される状況が、アドバンテージになる可能性があると語った。
今シーズンのMotoGPは残り3戦となった段階で、首位のバニャイヤと2番手のホルヘ・マルティン(プラマック)が13ポイント差と接戦が繰り広げられている。
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前戦タイGPはマルティンがスプリントと決勝を制してバニャイヤとの差を縮めたが、その際にマルティンはフロントタイヤの内圧が最低値を下回った状態で走行していたため、警告を受けてしまった。
タイヤの内圧監視システムは今シーズンの夏休み明けから正式に導入されたばかりのため、今シーズンは1度目の違反では警告となっているが、2回目以降はペナルティを受けることになる。2回目は3秒、3回目は失格だ。
なおマルティンは最低内圧違反がタイトル争いを複雑なものにするとは考えてはおらず、タイGP以外で挙げた3勝はタイヤ内圧のおかげなどではないと主張している。
「まあ確かに、今回のことは失敗だったよ。内圧で下回りたいとは全く思っていないんだからね」とマルティンは言う。
「だけど少なくとも僕は勝利し、25ポイントを獲得できた。それが一番重要なことだった。ただ他の3回の勝利は通常の内圧によるものだ」
「つまり僕らは限界にかなり近かったということだ。同じスタイルで仕事をしなくちゃいけないし、もし懸念があったりしたら、スリップストリームなんかを少しだけにしたりすることが必要だろう」
一方でマルティンにタイヤ内圧違反が起きたことは、バニャイヤにとっては意図せずして小さなアドバンテージとなっている。バニャイヤはまだ内圧違反を犯していないため、1回の猶予が残されているのだ。
基本的にタイヤの内圧が低いとよりグリップは上がり、高くなると下がるとされている。現在のMotoGPマシンはエアロダイナミクスの発展からタイヤへの負荷も大きくなっており、圧力が上昇しやすくなっている。そうした内圧の変化から苦戦してしまう事例も少なくない。
バニャイヤはこの規則違反の猶予がある状況を“ジョーカー”と形容しており、それがマレーシアGPで助けになる可能性を認めている。また、第19戦カタールGPでこれが役立つことになるかもしれないと示唆した。
「ああ、レース中ずっと限度より下(の内圧)でいることが、どんな変化をもたらすかは分かっている。ブレーキングとコーナーエントリーで大きなアドバンテージを持つことになるんだ」
バニャイヤはそう語る。
「そして誰かの後ろを走るのはとても難しいことになり始めている。もし単独で進められて、内圧が少し高くなる幸運があったら、前の方ですごく躍進することになる。だからこれが役に立つのは確かだ」
「今回のレースでは、こういったジョーカーがあることは良いかもしれない。でもカタールは寒くて湿度もかなり高いから、そこでこのアドバンテージを使ってみるほうが良いかもしれない。だから、状況によっては役に立つだろう」
バニャイヤはこのタイヤ内圧の数値に関しては危険なモノだと批判的な態度をとってきた。しかし先述のようなアドバンテージを得るために、意図的にルールを破るのは”クレイジー”なことだとも語っている。
「絶対に、誰もこのルールは好きじゃないと思う」
「ライディングスタイルにもかなり影響があるんだ。(内圧範囲が)上がることでクラッシュの危険も大きくなることを考えると、安全性が悪化してしまう」
「でもともかく、来年は1回の違反でレースを失格になってしまう。だから僕としては、アドバンテージを得るためにルールを破るというのは、正しいことじゃない。そんなのはクレイジーなことだよ」
「内圧を高くするルールが来る前から、僕らは取り組みをしっかり進めて来たと思う。でもレースがどうなるかは簡単には分からないし、同じ内圧で始まっても、それが1.7barでから変わらないかもしれないし、2.2barまで上がるかもしれない。だから難しいんだ」
「僕のチームは内圧の一貫性という面で、素晴らしい仕事をしてくれている。それでも難しいんだけどね」
なおこれまでのところ、内圧違反でペナルティを受けたのはアプリリアのアレイシ・エスパルガロのみとなっている。
彼はこのルールについて「ショーにとって良いものではなくフェアではない」と批判しているが、「ホルヘにとって唯一ポジティブなことは、彼は今のスピードなら3秒以上の差をつけて勝てることだ」と付け加えた。
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