キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが5位入賞を果たした。ここ数戦、車体アップデートのおかげで、確かに戦闘力は上向きつつあった。とはいえ今季ここまで一度も予選Q3入りのない唯一のチームであるキック・ザウバーが5位に入るなど、スタート前には誰も予想していなかったはず。いったい何が起きたのか。まずはヒュルケンベルグを軸にレース展開を振り返ってみよう。
ヒュルケンベルグのスターティンググリッドは15番手。しかし過去に何度も見せてきたように、現在37歳のドイツ人はスタートの混乱を切り抜けるのが抜群にうまい。1周目に4台を抜き、さらに2周目にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)をかわして、一気に入賞圏内の10番手まで上がった。
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9周目に早めのピットに入ると15番手まで後退するが、その後はミディアムタイヤで36周引っ張って9番手に浮上する。その間にアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)に抜かれたが、マシン戦闘力からすれば仕方がない。一方でピエール・ガスリー(アルピーヌ)に対しては、一度はかわされたが、すぐに抜き返している。
終盤46周目、2回目のピットインを終えてもなお9番手をキープしたヒュルケンベルグ。このままチェッカーを受けても、大健闘のレースと言えた。ところが54周目、7番手走行中のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がパワーユニット(PU)関連のトラブルでストップ。エスケープゾーンの広いカタロニア・サーキットでは珍しいセーフティカー(SC)導入となり、ヒュルケンベルグを含む14台がピットに向かった。
結果的にこれがヒュルケンベルグにとっては、大きな幸運に働いた。上位勢でソフトのニュータイヤを残していたのは、ヒュルケンベルグだけだったのだ。そのおかげで61周目にレースが再開されると、まずハジャーをパス。そして圧巻だったのが、チェッカー2周前に見せたルイス・ハミルトン(フェラーリ)へのオーバーテイクだった。
相手が3周オールドのソフトだったとはいえ、ヒュルケンベルグはあっけなくフェラーリを抜いていった。これで6番手。さらにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に10秒ペナルティが科されたことで、5位に繰り上がった。
冒頭で述べたとおり、キック・ザウバーが続けてきたアップデートの効果も確かに大きかっただろうし、幸運にも恵まれた展開だった。しかし、それでもこれだけの結果を出し、10ポイントを持ち帰れたのは、ヒュルケンベルグだからこそだろう。
思えばキック・ザウバー移籍後の初戦となった2025年開幕戦のオーストラリアGPでも、ヒュルケンベルグは17番グリッドから7位に入り、6ポイントを持ち帰っている。今回同様、素晴らしいスタートで一気に順位を上げ、その後は雨が降ったり止んだりの極めて難しいコンディションのなか、彼はノーミスで走り切っていたことが思い出された。
波乱の展開できっちり結果を出すヒュルケンベルグ。今更ながらこの男、ただものではない。
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[オートスポーツweb 2025年06月02日]
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