現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 速さならいまやATが上! それでもシビック・タイプRが「MT」を採用するワケ

ここから本文です

速さならいまやATが上! それでもシビック・タイプRが「MT」を採用するワケ

掲載 74
速さならいまやATが上! それでもシビック・タイプRが「MT」を採用するワケ

 この記事をまとめると

■シビックタイプRがATでない理由を考察

5人乗れない! 立駐に入らない可能性! 新型シビックタイプRの「知らなかった……」となりがちなこと4つ

■DCTの開発は日本の自動車メーカーの中では積極的だったのでできないわけではないと推測

■速さを持ちながらも「操る喜び」を追求した結果のMT採用だったと考えられる

 シビックタイプRが未だにATではないわけ

「スポーツカーはマニュアルだ!」という考えの人は多いかもしれないですが、速さを求めればトランスミッションはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が現状最適解であることは多くのクルマ好きが知っているところと思います。そんななか、市販FF最速を争う1台として知られる新型となったシビック タイプRは従来と同じくマニュアルトランスミッションを採用。その理由を探ってみました。

 求めたのは究極の操る喜び

 究極のFFスポーツを目標に開発されたとも言われているシビックタイプR。ホンダが考える究極には単なる速さだけではなく、操る喜びも持ち合わせていることにあるそうです。シビックタイプRが重要視したのは「速さ」は当然ですが、官能に響く「ドライビングプレジャー」も重要視されていて、この2つを両立するピュアスポーツ性能の実現が目指されました。

 単純に速さを求めるだけならば、DCTのほうが適していると言えますが、シビックタイプRはクルマと一体になった操る喜びも究極のものを目指しています。6速MTの採用はそのような「ドライビングプレジャー」を実現するために、一体となった究極の操る喜びを提供するためあえての設定という訳なのです。

 きっとDCTも検討されたはず

 日本の自動車メーカーでDCTを開発しているメーカーは少なく、2ペダル車のほとんどがCVTやATです。そのため、「6速MTなのは本当はDCTが作れないからじゃないの?」という声もあるかもしれません。しかし、それはないと言えるでしょう。

 ホンダは2代目NSXでDCTを採用していましたし、過去にはフィットやヴェゼルなどでDCTが採用されていました。また、現在でも2輪車でDCTが採用されていますし、DCTの導入に積極的なメーカーと言えます。そんなホンダが究極のFFピュアスポーツを開発する際に、DCTの採用を検討しなかったというほうが不思議と言えるでしょう。DCTとMTどちらを採用するかが比較検討された上でのMTの採用だと考えられます。

 ホンダを代表するタイプRだからこそMTを極めた

 こだわりのMT

 現在シビックタイプRに搭載されている6速マニュアルトランスミッションは、単純に操る喜びがあるからマニュアルトランスミッションが採用されている訳ではなく、トランスミッション側でも操る喜びを感じられるようなこだわりの開発が行われています。

「クイック感」「ダイレクト感」「スッキリ感」といった数値化が難しいシフトフィールの官能性能にこだわっていて、これらの「○○感」のバランスを高次元で取っているのです。具体的な技術的取り組みとしてこれまでは、ショートストローク化や自動ブリッピング機構の「レブマッチシステム」の搭載、高容量のシンクロナイザーの採用などが行われてきました。

 今回の新型モデルでは、素晴らしいシフトフィールにさらに磨きをかけるために、さらなる軽量化を施したフライホイールや、高剛性化や横方向のレバーのガタつき要素を排除した新設計のシフトレバー構造の採用、5→4といった斜めシフト時のスムース感向上のためにシフトリンク機構を最適化し、シフトゲートのストレート部分を延長するといった事が新たに施されています。

 ホンダの意地を感じられるシフトフィール

 パワーとトルクが向上するほど、気持ちのいいシフトフィールを維持するのは難しくなってきます。シビックタイプRも速さを求めたその進化のなかで、増大したパワーとトルクに対応するために、トランスミッションの容量アップやオイルクーラーの装着などが行われてきました。そのようななかでも操る喜びを大切にし、DCTではなくマニュアルトランスミッションにこだわり続け、そして世界一と自負するシフトフィールを進化させ続けたのはホンダのこだわりは、もはや意地と言えます。

 発進のために1速に入れた瞬間にわかるそのシフトフィールは、マニュアル車を運転する楽しみがわかる人ならば、きっと驚くはずです。

こんな記事も読まれています

カスタムカーが集まる世界最大級の「SEMAショー」にトーヨータイヤ装着車両を30台展示…SEMA 2023
カスタムカーが集まる世界最大級の「SEMAショー」にトーヨータイヤ装着車両を30台展示…SEMA 2023
レスポンス
グーネットのアプリがもっと便利に! 車探しがもっと楽しくなる5つのポイント
グーネットのアプリがもっと便利に! 車探しがもっと楽しくなる5つのポイント
グーネット
メリットたくさんの2代目 トヨタC-HR ハイブリッドへ試乗 楽しい走り 乗り心地や燃費も◎
メリットたくさんの2代目 トヨタC-HR ハイブリッドへ試乗 楽しい走り 乗り心地や燃費も◎
AUTOCAR JAPAN
PONOS RACING、フェラーリ296 GT3とミシュランでGT300参戦へ。コッツォリーノとワドゥを起用
PONOS RACING、フェラーリ296 GT3とミシュランでGT300参戦へ。コッツォリーノとワドゥを起用
AUTOSPORT web
「難しい年があると自分のせいなのか、実力がなくなったのかと思う瞬間がある」ハミルトン、自己不信に陥ったことを明かす
「難しい年があると自分のせいなのか、実力がなくなったのかと思う瞬間がある」ハミルトン、自己不信に陥ったことを明かす
AUTOSPORT web
東欧が生んだ小型ハイブリッドSUV タフで扱いやすい実用車 約320万円以下から
東欧が生んだ小型ハイブリッドSUV タフで扱いやすい実用車 約320万円以下から
AUTOCAR JAPAN
表彰イベント『SUPER GT HEROES 2023』で関係者がモータースポーツ業界への思いを語る。GT500王者の坪井翔「海外の選手から“一番上”と認められるレースに」
表彰イベント『SUPER GT HEROES 2023』で関係者がモータースポーツ業界への思いを語る。GT500王者の坪井翔「海外の選手から“一番上”と認められるレースに」
motorsport.com 日本版
「ルーベもフルモーも残したい」ミルナー代表が語るMスポーツ・フォードの来季2024年の構想
「ルーベもフルモーも残したい」ミルナー代表が語るMスポーツ・フォードの来季2024年の構想
AUTOSPORT web
最大680馬力! V8搭載の新型「スポーティセダン」世界初公開! デカ目&美しすぎる“流麗ボディ”がカッコイイ! 1000万円超えの「パナメーラ」予約受付開始
最大680馬力! V8搭載の新型「スポーティセダン」世界初公開! デカ目&美しすぎる“流麗ボディ”がカッコイイ! 1000万円超えの「パナメーラ」予約受付開始
くるまのニュース
【F1第23戦無線レビュー(2)】「2台を戦わせることができる」選手権2位奪取を狙うルクレールが頭脳戦を展開
【F1第23戦無線レビュー(2)】「2台を戦わせることができる」選手権2位奪取を狙うルクレールが頭脳戦を展開
AUTOSPORT web
ETCR初代王者エイドリアン・タンベイが砂漠デビューへ。クリスティーナGZも復帰/エクストリームE
ETCR初代王者エイドリアン・タンベイが砂漠デビューへ。クリスティーナGZも復帰/エクストリームE
AUTOSPORT web
初フィアットの「プント」は成田エクスプレスとして大活躍! ジウジアーロのデザインも冴えてました【忘れじの車】
初フィアットの「プント」は成田エクスプレスとして大活躍! ジウジアーロのデザインも冴えてました【忘れじの車】
Auto Messe Web
メルセデス・ベンツ、初フルモデルチェンジの『GLCクーペ』導入で“220d 4MATIC”が上陸
メルセデス・ベンツ、初フルモデルチェンジの『GLCクーペ』導入で“220d 4MATIC”が上陸
AUTOSPORT web
話題のホンダ新型SUV「WR-V」ってどんなクルマ? ヴェゼルと何が違うのか、比較してみた
話題のホンダ新型SUV「WR-V」ってどんなクルマ? ヴェゼルと何が違うのか、比較してみた
グーネット
“無限だけの特別パッケージ”SF23ミニカーが登場。M-TECが新商品を12月1日から発売
“無限だけの特別パッケージ”SF23ミニカーが登場。M-TECが新商品を12月1日から発売
AUTOSPORT web
全面刷新されたスバル新型SUV「フォレスター」! 詳細不明な「日本仕様」はどうなる!? 初の本格「ハイブリッド」も設定か?
全面刷新されたスバル新型SUV「フォレスター」! 詳細不明な「日本仕様」はどうなる!? 初の本格「ハイブリッド」も設定か?
くるまのニュース
トヨタ、全日本ラリーで行う“若手ドライバー育成カテゴリー”の参戦受付をスタート
トヨタ、全日本ラリーで行う“若手ドライバー育成カテゴリー”の参戦受付をスタート
AUTOSPORT web
33歳、フェラーリを買う──Vol.9 実用的でなにが悪い!
33歳、フェラーリを買う──Vol.9 実用的でなにが悪い!
GQ JAPAN

みんなのコメント

74件
  • レーシングカーだってパドルシフトなんだからタイムロスもなく速いでしょうけど…
    シフトノブ握ってアップダウンするのがMT好きはたまらないのですよ。
  • 別に速さでAT/MTを選んでいるわけではないのですが。比較するところを間違っている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

80.01598.0万円

中古車を検索
シビックタイプRの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

80.01598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村